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三章 メグリ
七十八話 別世界と古城の男
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『未来予知にて不吉な未来を見た。俺ははっきりとした物が見えるほどではないが、とてつもなく残虐な行為が行われたのは感じ取ることが出来た。』
『それから何度も何度も未来を見た。しかしどうしようにも俺には力が残っていない。妻子を失った時の苦痛が蘇ってきて、この先の運命を思うと苦しくて仕方が無かった。』
『俺は、自分自身の異世界に関する事、親しい人、キリノ、カタギリ、そしてメグリの記憶を全て消す事にした。大切な人を失う苦しみは自身の肯定感等全て消し去る程の苦痛。記憶の無い次の俺が未来を見て何かを変えられるのなら、それが俺の生きた証になるだろう。それを願う』
その先は白紙のページが続いていた。
後藤という名の男は未来に対する苦痛を避けたいが為に自身の記憶を消したという訳だ。
「…という事よ」
「結局、この男のお陰でメグリの力の事を知る事が出来たが」
「結末が哀れね」
「それで、どうするんだ?」
「コドン村に調査に行ってもらうわ。あと…メグリさんにはゴトーとコドン村の関係、秘密にね」
「わかった」
「それとその前に、メグリさんを呼んでまたここに来てくれる?」
メモに読んだ内容を要約して記入し、細かい支持を受けて部屋を出る。
一旦帰り、メグリを連れて戻ってきた。
「どうしました?」
「2人には遠隔で連絡出来るよう、テレパシーの魔法を渡すわ。それとメグリさん、あなたには転送魔法を」
クロメは2人の手を取り、暫くしてから離した。
その後メグリの手を両手で握り、目を瞑る。
「そういえば、この魔法を与えられるのって誰でも出来るんですか?」
「いいえ、私だけ。魔王の血筋を持つ者は生まれた時から特殊な能力を持んだけど、パパは傷を受けると身体強化されて、私は共有っていう名の能力なの」
「…共有?」
「ええ。魔法や体力を与える事ができる。共有して渡した魔法は私が相手に発動させる事も出来るし、もし魔力がなくても私の魔力を使えるわ」
「便利ですね~」
「戦いには向かないわ。ほら終わったわよ」
「うーん…でも私使えないですよ?」
「大丈夫。魔法が暴発した時使う用だから。転送場所はあなたの強く思った所だから気を付けて」
「なるほど…ありがとうございます」
「じゃあコドン村での調査よろしく。ユメが外で待機してるから同行してね」
3章終
※3章の登場人物、追加されてます。裏設定等ありますので、興味のある方はどうぞ。
『それから何度も何度も未来を見た。しかしどうしようにも俺には力が残っていない。妻子を失った時の苦痛が蘇ってきて、この先の運命を思うと苦しくて仕方が無かった。』
『俺は、自分自身の異世界に関する事、親しい人、キリノ、カタギリ、そしてメグリの記憶を全て消す事にした。大切な人を失う苦しみは自身の肯定感等全て消し去る程の苦痛。記憶の無い次の俺が未来を見て何かを変えられるのなら、それが俺の生きた証になるだろう。それを願う』
その先は白紙のページが続いていた。
後藤という名の男は未来に対する苦痛を避けたいが為に自身の記憶を消したという訳だ。
「…という事よ」
「結局、この男のお陰でメグリの力の事を知る事が出来たが」
「結末が哀れね」
「それで、どうするんだ?」
「コドン村に調査に行ってもらうわ。あと…メグリさんにはゴトーとコドン村の関係、秘密にね」
「わかった」
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メモに読んだ内容を要約して記入し、細かい支持を受けて部屋を出る。
一旦帰り、メグリを連れて戻ってきた。
「どうしました?」
「2人には遠隔で連絡出来るよう、テレパシーの魔法を渡すわ。それとメグリさん、あなたには転送魔法を」
クロメは2人の手を取り、暫くしてから離した。
その後メグリの手を両手で握り、目を瞑る。
「そういえば、この魔法を与えられるのって誰でも出来るんですか?」
「いいえ、私だけ。魔王の血筋を持つ者は生まれた時から特殊な能力を持んだけど、パパは傷を受けると身体強化されて、私は共有っていう名の能力なの」
「…共有?」
「ええ。魔法や体力を与える事ができる。共有して渡した魔法は私が相手に発動させる事も出来るし、もし魔力がなくても私の魔力を使えるわ」
「便利ですね~」
「戦いには向かないわ。ほら終わったわよ」
「うーん…でも私使えないですよ?」
「大丈夫。魔法が暴発した時使う用だから。転送場所はあなたの強く思った所だから気を付けて」
「なるほど…ありがとうございます」
「じゃあコドン村での調査よろしく。ユメが外で待機してるから同行してね」
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