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四章 椿蓮
八十一話 コドン村調査
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「それで…どうする? 継承させるか」
「クロメにとりあえず報告しましょう、それからね」
「そうだな。それだけか?」
「ああ、手紙にはこれだけ」
継承すれば更に強い魔法を使える…が、ゴトーも初めは使いこなせなかった様で、メグリが使えば今度こそ尋常ならざる事態になるかもしれない。
「じゃあ以上だ。何か変わったことはあるか?」
「いや、あれ以来村にも攻めてこないし平和だ」
下の階に戻るとメグリがムスッとしながら頬杖を付いていた。周りで子供達がはしゃいでいる。
「…どしたのメグ?」
「いや…別に? 仲間はずれみたいだなーなんて思ってないよ」
「はあ…お前は軍の幹部じゃないから守秘義務ってのがあるんだよ」
「でも…」
ツバキが誤魔化すとメグリはそれ以上何も言わずに、膝に乗せた子供の頭を撫でた。
「じゃあ私達今から剣のあった洞窟まで少し調査に行くけど、来る? ツバキもいいよね?」
「行きます!」
そうユメが言うとメグリの少し顔が明るくなった。荷物を持って、集会場を出ると子供達はまだ名残惜しそうにこちらを見ていた。
「ここが剣のあった場所ね…」
洞窟の階段をゆっくり降りながら、なにかないかとユメが慎重に見回す。
「特に何も無いかな…台座と、小さな部屋だけか」
「ちょっと見て下さい!」
「ん?」
メグリが台座のそばにしゃがみこむ。そこには少し盛られた土と、床の石レンガの破片のようなものがあった。
「これがどうしたの?」
「…掘られてるのか」
「ええ。多分…台座自体を取り出そうとしたのかもしれません」
そう言って、雑に戻された台座のそばの石レンガを剥がし、持ち上げる。すると台座はまだ下まで続いている用で、地中部分の台座には白い傷が付いていた。途中で諦めた様だ。
「みたいだな…王国か?」
「ここにあったもの、そして台座に戻ってくる性質を知ってる人でしょうね…」
「こんな地味な台座、金にもならないだろうしな」
「これも持ち帰る案件ですね、注意しましょう」
メモをして立ち上がり、階段を上がっていく。洞窟を抜け少し進んだ所で、誰かがこっちに走ってくるのが見えた。
「あれは…子供?」
「コドン村の奴らだ。追っかけてきたのか…」
段々近付いてくると、何かを叫んでいるのが聞こえた。慌てた様子の女の子は、しきりに後ろを指さしている。
「…?どうしたんでしょう」
息を切らしながら3人の前まで来て、ツバキにすがりついた。唇と掴んだ手は震え、目は涙で一杯になっている。
「…どうした?」
「…村が! …村のみんなが!」
「なにが…?」
「…誰かが襲って来たの! 助けて…!!」
「クロメにとりあえず報告しましょう、それからね」
「そうだな。それだけか?」
「ああ、手紙にはこれだけ」
継承すれば更に強い魔法を使える…が、ゴトーも初めは使いこなせなかった様で、メグリが使えば今度こそ尋常ならざる事態になるかもしれない。
「じゃあ以上だ。何か変わったことはあるか?」
「いや、あれ以来村にも攻めてこないし平和だ」
下の階に戻るとメグリがムスッとしながら頬杖を付いていた。周りで子供達がはしゃいでいる。
「…どしたのメグ?」
「いや…別に? 仲間はずれみたいだなーなんて思ってないよ」
「はあ…お前は軍の幹部じゃないから守秘義務ってのがあるんだよ」
「でも…」
ツバキが誤魔化すとメグリはそれ以上何も言わずに、膝に乗せた子供の頭を撫でた。
「じゃあ私達今から剣のあった洞窟まで少し調査に行くけど、来る? ツバキもいいよね?」
「行きます!」
そうユメが言うとメグリの少し顔が明るくなった。荷物を持って、集会場を出ると子供達はまだ名残惜しそうにこちらを見ていた。
「ここが剣のあった場所ね…」
洞窟の階段をゆっくり降りながら、なにかないかとユメが慎重に見回す。
「特に何も無いかな…台座と、小さな部屋だけか」
「ちょっと見て下さい!」
「ん?」
メグリが台座のそばにしゃがみこむ。そこには少し盛られた土と、床の石レンガの破片のようなものがあった。
「これがどうしたの?」
「…掘られてるのか」
「ええ。多分…台座自体を取り出そうとしたのかもしれません」
そう言って、雑に戻された台座のそばの石レンガを剥がし、持ち上げる。すると台座はまだ下まで続いている用で、地中部分の台座には白い傷が付いていた。途中で諦めた様だ。
「みたいだな…王国か?」
「ここにあったもの、そして台座に戻ってくる性質を知ってる人でしょうね…」
「こんな地味な台座、金にもならないだろうしな」
「これも持ち帰る案件ですね、注意しましょう」
メモをして立ち上がり、階段を上がっていく。洞窟を抜け少し進んだ所で、誰かがこっちに走ってくるのが見えた。
「あれは…子供?」
「コドン村の奴らだ。追っかけてきたのか…」
段々近付いてくると、何かを叫んでいるのが聞こえた。慌てた様子の女の子は、しきりに後ろを指さしている。
「…?どうしたんでしょう」
息を切らしながら3人の前まで来て、ツバキにすがりついた。唇と掴んだ手は震え、目は涙で一杯になっている。
「…どうした?」
「…村が! …村のみんなが!」
「なにが…?」
「…誰かが襲って来たの! 助けて…!!」
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