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一章 魔王城へ
四話 コドン村にて
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すごい。この世界なのに水洗トイレだ。どういう仕組みだ? 凄すぎる。
【四話】
村の門の前に座っている。
後ろには村人が集まり、俺をじっと見ている。
化物なんて倒したことはない。不安ではある。
「もうそろそろ来ますよ!」
後ろで女性が叫ぶ。遠くに1人の影が見えた。人影だ。もう少しけものっぽいかと思ってた。サン〇スターにでも当たったか?
のっそのっそと歩く人影。
人にしか見えない。魔王的存在がいると聞いたが、だとすると化物も種類が沢山いるのか? それには人型があっても不思議じゃない。
百メートル程先で人影が立ち止まった。
数日間に一回、人をさらっているという敵。
そいつは大きな鎧を身にまとっていたが2回ほど剣を投げつけると呆気なく血を流して倒れる。
あっけない。
死体に駆け寄ると、やはり人みたいでーーー触れようとすると、消えてしまった。
後ろから大歓声が聞こえる。
「やったな坊主!」「すげえ!」「これで安心できるぜ!」「産みたい!」「掘りたい!」「おめでとう!」
あっけなく終わり、その夜。
宴会が開かれたがとりあえず形だけ参加し、その日はそのまま寝た。
翌日朝、村の門の前に人だかりが出来ていた。
見てみると、1人の少女と五人の男。全員鎧を身にまとっている。
「国の者だ! 討伐したと話が来た。その者はどいつだ?」
男が叫ぶと、村人が一斉に俺を見る。
「なんか用?」
「あなたですか!」
小さな少女が俺の前に立ち、笑顔で言う。
「実はもう数体この村に来ているとの話がきまして、ここに来ました」
「もう数体?」
「はい。それを討伐したのを見届けた後、あなたの力を貸して頂きたいのです。他の村の為に」
「二言目は嫌だ。とにかく討伐すればいいんだな?」
「嫌ですか……、と、とりあえず討伐を見届けさせて頂きます」
「ああ」
もう数体か。
面倒だ。この先も頼られるのか?
村人は広間に移動させられる。
俺は門に付いている高台にいろと命じられた。
村人と別れる時、メグリに剣とメモを手渡す。剣は傷ついても手元に戻せば回復する事は実験済み。
「なんですかこれは? ヌメヌメしてる」
「油だ。いざとなったらそれを倉庫の前にある樽に投げつけろ。もし燃えなかったら時間を戻してもう1回投げるんだ」
「はあ…」
高台では少女と俺のみだった。
隣に立ち、双眼鏡を覗いている。
「あなたはどこから来たんですか?」
「遠い所だ」
「そうですかー、倒せる者が現れたと聞いて安心しました!」
「そりゃ良かったな」
この高台から村人は見えない。
村人には他の男が付き添い、守っているらしい。
「敵は何体?」
「ええと…」
少女は資料を取り出し、眺めた。
「三体だそうです」
「…なんでそこまで信頼できるんだ?」
「だって、一瞬で倒したのでしょう? 勿論いざとなったら我々も加勢しますよ!」
「あ、来ました!」
今度は走ってこちらに向かってくる。
片手にさっき借りた鉄の剣を持ち、高台から見る。三体、昨日と同様に鎧をつけている。
ピーッと少女が笛を吹いた。
「降りるぞ」
「はい!」
門の下からは敵は見えない。
じっと立ってその時を待つ。
そして、村の方から騒ぎ声が聞こえた。
「何事です?」
「どこが燃えた?」
前を向きながら少女に聞く。
「ええと…あそこは村の第三倉庫です。村人を避難させてる場所の…って何故火事と分かったのです?」
「…そうか」
左手に剣を出現させる。
第二倉庫ではなく第三倉庫。
やっぱりだ。こいつら国の奴らじゃない。村の者は誰にも討伐した事を知らせていないし、それに昨日の死体も不自然だった。マモノを倒しても消えることは無いという。
「お前、何歳だ?」
「…え、13歳です」
きょとんとした顔で少女は俺を見つめる。
「そうか」
剣が後ろの木に当たる音と共に小さな体が崩れ落ち、赤い血溜りが少女の顔を伝って地面に広がってゆく。
倒れた少女の青い髪が風に吹かれて揺れた。
【四話】
村の門の前に座っている。
後ろには村人が集まり、俺をじっと見ている。
化物なんて倒したことはない。不安ではある。
「もうそろそろ来ますよ!」
後ろで女性が叫ぶ。遠くに1人の影が見えた。人影だ。もう少しけものっぽいかと思ってた。サン〇スターにでも当たったか?
のっそのっそと歩く人影。
人にしか見えない。魔王的存在がいると聞いたが、だとすると化物も種類が沢山いるのか? それには人型があっても不思議じゃない。
百メートル程先で人影が立ち止まった。
数日間に一回、人をさらっているという敵。
そいつは大きな鎧を身にまとっていたが2回ほど剣を投げつけると呆気なく血を流して倒れる。
あっけない。
死体に駆け寄ると、やはり人みたいでーーー触れようとすると、消えてしまった。
後ろから大歓声が聞こえる。
「やったな坊主!」「すげえ!」「これで安心できるぜ!」「産みたい!」「掘りたい!」「おめでとう!」
あっけなく終わり、その夜。
宴会が開かれたがとりあえず形だけ参加し、その日はそのまま寝た。
翌日朝、村の門の前に人だかりが出来ていた。
見てみると、1人の少女と五人の男。全員鎧を身にまとっている。
「国の者だ! 討伐したと話が来た。その者はどいつだ?」
男が叫ぶと、村人が一斉に俺を見る。
「なんか用?」
「あなたですか!」
小さな少女が俺の前に立ち、笑顔で言う。
「実はもう数体この村に来ているとの話がきまして、ここに来ました」
「もう数体?」
「はい。それを討伐したのを見届けた後、あなたの力を貸して頂きたいのです。他の村の為に」
「二言目は嫌だ。とにかく討伐すればいいんだな?」
「嫌ですか……、と、とりあえず討伐を見届けさせて頂きます」
「ああ」
もう数体か。
面倒だ。この先も頼られるのか?
村人は広間に移動させられる。
俺は門に付いている高台にいろと命じられた。
村人と別れる時、メグリに剣とメモを手渡す。剣は傷ついても手元に戻せば回復する事は実験済み。
「なんですかこれは? ヌメヌメしてる」
「油だ。いざとなったらそれを倉庫の前にある樽に投げつけろ。もし燃えなかったら時間を戻してもう1回投げるんだ」
「はあ…」
高台では少女と俺のみだった。
隣に立ち、双眼鏡を覗いている。
「あなたはどこから来たんですか?」
「遠い所だ」
「そうですかー、倒せる者が現れたと聞いて安心しました!」
「そりゃ良かったな」
この高台から村人は見えない。
村人には他の男が付き添い、守っているらしい。
「敵は何体?」
「ええと…」
少女は資料を取り出し、眺めた。
「三体だそうです」
「…なんでそこまで信頼できるんだ?」
「だって、一瞬で倒したのでしょう? 勿論いざとなったら我々も加勢しますよ!」
「あ、来ました!」
今度は走ってこちらに向かってくる。
片手にさっき借りた鉄の剣を持ち、高台から見る。三体、昨日と同様に鎧をつけている。
ピーッと少女が笛を吹いた。
「降りるぞ」
「はい!」
門の下からは敵は見えない。
じっと立ってその時を待つ。
そして、村の方から騒ぎ声が聞こえた。
「何事です?」
「どこが燃えた?」
前を向きながら少女に聞く。
「ええと…あそこは村の第三倉庫です。村人を避難させてる場所の…って何故火事と分かったのです?」
「…そうか」
左手に剣を出現させる。
第二倉庫ではなく第三倉庫。
やっぱりだ。こいつら国の奴らじゃない。村の者は誰にも討伐した事を知らせていないし、それに昨日の死体も不自然だった。マモノを倒しても消えることは無いという。
「お前、何歳だ?」
「…え、13歳です」
きょとんとした顔で少女は俺を見つめる。
「そうか」
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倒れた少女の青い髪が風に吹かれて揺れた。
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