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一章 魔王城へ
二十二話 隠れアルケミスト
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【二十二話】
アルケミストの男、カロストは木の棒の先に火をつけて先頭を進んでいく。
真っ暗な地下水路の中はひんやりとしていて、歩く度に足音が響く。
「僕はグロウリーが表れたら動けないから、討伐や撃退は任せたよ」
「逃げないのか?」
「所謂、防御魔法だね。全ての攻撃を無効化するけど動いたら切れちゃうんだよ」
「じゃあ明かりはそのままにしてくれるのか、助かる」
「もし倒せなかったら僕もピンチになるから、負けないでくれよ?」
「負けることはない。はずだ」
勝てるとも思わない。何しろ毒だ。毒に対しての耐性が自分の身体にあるか分からないし、致命傷になる攻撃をされたら回復も間に合わない。
メグリは時を戻して避けながら攻撃、俺に指示をする事になっているがそこまで期待はしていない。
食われてもらうのが一番手っ取り早そうなので、一応頭の隅に入れておくことにした。
メグリ自身不安が大きいようで、胸に手を当てて深呼吸をしている。
「怖いのか」
「そりゃそうですよ、あのグロウリーですよ? それに命を預けているのがこの非情な人ですし…」
「お前がろくに魔法使えないのが悪い」
「そうですけども…」
それから地下水路を歩く事数時間、入り口からはかなり離れていて、それでもグロウリーは見つからず、身体を引き摺った痕を辿って進んでいく。
「この痕…、毒の色がまだ新しいな。もう少ししたらグロウリーがいると思うよ」
「うう~…ついに会っちゃうのですね…」
「さっさとやっつけるぞ。毒は触れなければいいのか?」
「触れてもすぐに拭けば大丈夫。飲むのはかなり危険だね、あまり口を開けないように」
そう聞くとメグリは布を口に固く結びつけた。そして片手に布を持ち、もう片方の手には短剣を持つ。
「助けて下さいよ、信じてますから」
「約束はできない」
「お願いですよぉ…! あんなヤツに食べられて死ぬなんて嫌ですって!」
「そうだな、俺もあんなのには食べられたくない」
前方に大きな黒い影が見えた。もぞもぞと蠢き、身体から伸びる触手は壁に当たると方向を変えてまた別の方向へうねる。
時折だす「コヒュー」という呼吸音と共に下の水が青く染まり、それが広がってゆく。毒は空気に触れるとすぐに消えてしまうが、水の中では驚異の早さで繁殖してゆく。
その毒は主人のグロウリーが死ぬまで半永久的に活動し、水を汚染し続ける。
飲んだ者は身体の一部が動かなくなり、最悪の場合体の全機能が停止することもある。
グロウリーはこちらの明かりに気づき、ゆっくりと胴体を回転させて大きな口をこちらに向けてきた。
アルケミストの男、カロストは木の棒の先に火をつけて先頭を進んでいく。
真っ暗な地下水路の中はひんやりとしていて、歩く度に足音が響く。
「僕はグロウリーが表れたら動けないから、討伐や撃退は任せたよ」
「逃げないのか?」
「所謂、防御魔法だね。全ての攻撃を無効化するけど動いたら切れちゃうんだよ」
「じゃあ明かりはそのままにしてくれるのか、助かる」
「もし倒せなかったら僕もピンチになるから、負けないでくれよ?」
「負けることはない。はずだ」
勝てるとも思わない。何しろ毒だ。毒に対しての耐性が自分の身体にあるか分からないし、致命傷になる攻撃をされたら回復も間に合わない。
メグリは時を戻して避けながら攻撃、俺に指示をする事になっているがそこまで期待はしていない。
食われてもらうのが一番手っ取り早そうなので、一応頭の隅に入れておくことにした。
メグリ自身不安が大きいようで、胸に手を当てて深呼吸をしている。
「怖いのか」
「そりゃそうですよ、あのグロウリーですよ? それに命を預けているのがこの非情な人ですし…」
「お前がろくに魔法使えないのが悪い」
「そうですけども…」
それから地下水路を歩く事数時間、入り口からはかなり離れていて、それでもグロウリーは見つからず、身体を引き摺った痕を辿って進んでいく。
「この痕…、毒の色がまだ新しいな。もう少ししたらグロウリーがいると思うよ」
「うう~…ついに会っちゃうのですね…」
「さっさとやっつけるぞ。毒は触れなければいいのか?」
「触れてもすぐに拭けば大丈夫。飲むのはかなり危険だね、あまり口を開けないように」
そう聞くとメグリは布を口に固く結びつけた。そして片手に布を持ち、もう片方の手には短剣を持つ。
「助けて下さいよ、信じてますから」
「約束はできない」
「お願いですよぉ…! あんなヤツに食べられて死ぬなんて嫌ですって!」
「そうだな、俺もあんなのには食べられたくない」
前方に大きな黒い影が見えた。もぞもぞと蠢き、身体から伸びる触手は壁に当たると方向を変えてまた別の方向へうねる。
時折だす「コヒュー」という呼吸音と共に下の水が青く染まり、それが広がってゆく。毒は空気に触れるとすぐに消えてしまうが、水の中では驚異の早さで繁殖してゆく。
その毒は主人のグロウリーが死ぬまで半永久的に活動し、水を汚染し続ける。
飲んだ者は身体の一部が動かなくなり、最悪の場合体の全機能が停止することもある。
グロウリーはこちらの明かりに気づき、ゆっくりと胴体を回転させて大きな口をこちらに向けてきた。
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