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一章 魔王城へ
二十六話 第三の街
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【二十六話】
「ふひー…パラダイスです…」
白い大理石で囲まれた風呂場へ案内され、ゴシゴシと硬めの布で擦る。それを終えたメグリは湯舟に浸かって息を吐く。
「いいよなお前は足先と手首だけで…こっちは全身ベットベトだってのに」
ローションのように、水に濡らした途端パリパリに乾いていたのが嘘のようにヌメヌメになる。
お陰で水を浴びた時、2人とも滑って床に頭をぶつけた。
「手伝いましょうかー?」
「ん…背中を頼んだ、洗いづらいから」
「分かりました」
メグリは湯船から出て後ろに座り、タオルを濡らして背中に付ける。
「ひ…ホントにヌメヌメしてますね」
「頑固過ぎるんだよなこの粘り。何度も擦らないと落ちない」
右腕が一通り終わったので左腕を擦り始める。擦りすぎて少し肌がヒリヒリしてきた。
「…ツバキさん」
「ん」
「ツバキさんは私の事、女として見てます?」
「どういう意味だ?」
「こうして一緒風呂に入ってるじゃないですか、それに今背中を洗っています。なのに無反応です」
「それはお互い様だろ。お前も大して抵抗がないように見えるが?」
「ツバキさんがこうも無反応ですと、こちらもそうなってしまうのですよ」
「なんだよ、お前の裸見て興奮でもしろっていうのか? 残念だがそもそも女の体に興味が無い」
「変わってますね」
「そうかもな」
「男性の体に興味があるのですか」
「それも違う」
一通り身体を洗い終え、湯舟に向かう。髪についたベトベトは洗うのに時間がかかった。
「ツバキさん! 露天風呂がありますよー!」
戸を開けてメグリがそう言う。扉があった事にも気付かなかった。
露天風呂があるとはなんて贅沢な家なんだ。
「おお、すごいな」
「ツバキさんもそう思いますよねっ、断崖絶壁に作られた露天風呂、下には湖が広がってます!」
高所恐怖症の人は素直に喜べなさそうだ。
夕日が湖を赤く染め、側にある茶色の屋根の街を照らす。賑わう街を見下ろしながら湯に浸かった。
「こうして見ると頑張った甲斐があったな」
「ごめんなさい、私大して頑張ってないのに見させてもらって」
「一人で見ようが二人で見ようが同じだ」
「…ありがとうございます」
それから、日が沈んで空が暗くなるまで湯に浸かっていた。
「ふひー…パラダイスです…」
白い大理石で囲まれた風呂場へ案内され、ゴシゴシと硬めの布で擦る。それを終えたメグリは湯舟に浸かって息を吐く。
「いいよなお前は足先と手首だけで…こっちは全身ベットベトだってのに」
ローションのように、水に濡らした途端パリパリに乾いていたのが嘘のようにヌメヌメになる。
お陰で水を浴びた時、2人とも滑って床に頭をぶつけた。
「手伝いましょうかー?」
「ん…背中を頼んだ、洗いづらいから」
「分かりました」
メグリは湯船から出て後ろに座り、タオルを濡らして背中に付ける。
「ひ…ホントにヌメヌメしてますね」
「頑固過ぎるんだよなこの粘り。何度も擦らないと落ちない」
右腕が一通り終わったので左腕を擦り始める。擦りすぎて少し肌がヒリヒリしてきた。
「…ツバキさん」
「ん」
「ツバキさんは私の事、女として見てます?」
「どういう意味だ?」
「こうして一緒風呂に入ってるじゃないですか、それに今背中を洗っています。なのに無反応です」
「それはお互い様だろ。お前も大して抵抗がないように見えるが?」
「ツバキさんがこうも無反応ですと、こちらもそうなってしまうのですよ」
「なんだよ、お前の裸見て興奮でもしろっていうのか? 残念だがそもそも女の体に興味が無い」
「変わってますね」
「そうかもな」
「男性の体に興味があるのですか」
「それも違う」
一通り身体を洗い終え、湯舟に向かう。髪についたベトベトは洗うのに時間がかかった。
「ツバキさん! 露天風呂がありますよー!」
戸を開けてメグリがそう言う。扉があった事にも気付かなかった。
露天風呂があるとはなんて贅沢な家なんだ。
「おお、すごいな」
「ツバキさんもそう思いますよねっ、断崖絶壁に作られた露天風呂、下には湖が広がってます!」
高所恐怖症の人は素直に喜べなさそうだ。
夕日が湖を赤く染め、側にある茶色の屋根の街を照らす。賑わう街を見下ろしながら湯に浸かった。
「こうして見ると頑張った甲斐があったな」
「ごめんなさい、私大して頑張ってないのに見させてもらって」
「一人で見ようが二人で見ようが同じだ」
「…ありがとうございます」
それから、日が沈んで空が暗くなるまで湯に浸かっていた。
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