異世界生活の送り方を間違えている気がする?

香奈恵

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一章 魔王城へ

二十五話 第三の街

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「…臭い」 

真夏の海辺にある岩の隙間の匂いを濃縮したような刺激臭で目が覚め、そう呟く。

「お疲れ様です」

上半身を起こすと、横にメグリが座っていた。
地下水路の中、今はグロウリーの体を捻らせる音は聞こえない。

「なんとか倒せた様です。カロストさんは急いで毒の採取をしています」

「宿主が死んだら消えるんじゃなかったか?」

「毒を作る内蔵の中にある毒は死なない、とか…。詳しくは聞いてません」

「…お前も随分汚れたな」

「ツバキさん程じゃないですよ、自分の体見て下さい」

「…うわ」

緑の体液で服は染められ、手についた液は乾いてパリパリと床へ落ちる。

「…それとツバキさん、助けて下さって…ありがとうございました」

「助けた? あれはお前が邪魔だったからどけたんだよ」

「それでも助かったわけですから」

「…別に感謝しなくてもいいし。さっさと帰るぞ」

「はい!」

【二十五話】

街に入った俺達を人々は口元を抑えて見るが、後ろから来た偉そうな人が「グロウリーを討伐して下さったのはあなたですか?」と言うと遠巻きに歓声を上げて拍手をする。

「…そうだけど」

風呂に入りたい。今そういうのどうでもいいから風呂に入らせろ。

「ありがとうございます! あなたは世界を救ったも同然だ。報酬は後に贈呈させて頂きます!」
「それにしてもあのグロウリーを倒すとは…二人がかりなのですか? それとも…」

「あの」

「はい?」 

「この格好を見てもわかるだろうが、俺達は今、すぐに、直ちに急いで風呂に入りたいんだ」

「その通りです。私も早くこのパリパリしたドブを洗いたいのです」

「それは失礼しました、すぐに我が家の風呂をお貸しします!」

そう言うと後ろにいた兵士が籠を持ってきて、その中に入れられる。兵士は鼻を摘みながら走って大きな建物へと向かった。


「カロストって奴も参加したはずだが」

大理石で出来た建物の階段を登りながら、長だと名乗る者に聞く。

「はい、しかし彼は自分から断ってまして…、今は行方は知りません。3人で倒したのですか?」

「まあ、そんな所だ」

カロストは明かりを付けてくれた。俺は直接闘い、そしてメグリは…メグリは何も役に立ってないけど一応言わないでおく。
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