異世界生活の送り方を間違えている気がする？

一章 魔王城へ

二十四話 地下水路のグロウリー

「ひいいいもう無理です助けて下さいツバキさああん！！」

上で声が聞こえる。メグリが四肢をグロウリーに掴まれ、メグリは必死に抵抗している。

「いいから耐えてろ！」

「耐えられないから言ってるんです！ 汚いっ！ 口開けてます早くぅ！」

あれ…触手ってもっとエロい事してから喰うのかと思ってたんだけど、もしかしてすぐに喰っちゃう感じ？
俺も影響され過ぎてるな、はは。

【二十四話】

剣を突き刺しては切り、切断してまた傷口を抉る。俺の後ろには肉の塊が転がるがグロウリーは痛がっている様子もない。

切る度に吹き出す液を避けながらグロウリーの肉のを削いでゆく。切っては肉を放り、また抉り、肉を放る…。

…だめだ全然効かない…！

こんなの大砲を連続で打ち込む位じゃないと倒れないんじゃないのか？ どこが弱点なんだよ！

「ツバキさん助けて下さい！ 歯が滑ります！ 現ッ界なんですよー！」

そうだ、口の中はどうなんだ？
こいつ、見た所切断された部位は回復出来ないみたいだし、内側から切断すればどうにか…。

グロウリーの肉を掴み、口へと登ってゆく。ブヨブヨした皮は掴むとずり落ちるが、それでも諦めず次の肉を掴む。

口元へ足を掛け、歯を掴んでいたメグリの手を引く。こいつは結局役に立ってない。

「ツバキさん…！」

「邪魔なんだよ早くどけ！」

メグリを後方へ投げ飛ばし、閉じようとする口の中へ滑り込む。剣を両手でしっかりと握り、口中に空間が無くなる前に奥へ進みながら刻んでゆく。

切る度に出る体液をもろに食らって顔を歪めながらも切る手を止めない。

口の中に体液が溜まり、グロウリーは口を開けて吹き出した。
それと同時に吹き出され、俺は地面に背をぶつける。

後ろから心配そうにメグリが駆け寄ってくる。
「あの、ツバキさ…」

すぐに立ち上がってグロウリーの元へ向い、まだ開いている口の中へ入って剣を振る。

筋肉が悲鳴を上げる。息も続かず頭がぼーっとしてくる。喉の奥へ到達すると、心臓の様に跳ねる石を見つけた。

「これが…弱点か？」

剣を左手で持ち、手を伸ばしてその石へと剣を突き刺す。その瞬間体液が溢れ出し、外へ投げ飛ばされた。

壁に思いっきり頭をぶつけ、床へ落ちる前に意識を失った。