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二章 魔族地方
三十話 魔族地方
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【三十話】
「サービスのいい場所でしたね」
「そうか?」
「そうですよ、多分人間側の街じゃああいうサービスはないです」
「そうか…魔物への評価が上がっていくな」
まず、席が綺麗。そして注文したものはすぐ出てくるし、フォークを落とせば地面につく前に受け止めようと急いでこちらへ来る。
高級レストランのような対応である。
「それで、このまま魔王城へ向かうのですか?」
「そのつもりだが、この地図見ると大分遠いんだよな。このまま行ったら夜についてしまう」
「夜でもいいのでは」
「魔王城の奴らが暖かく出迎えてくれるとも思わないだろ」
「でももし襲われたとしても暗闇なら見つかりづらいですし、それと魔物も少ないかもですよ」
「ん…なら行くか」
「いいアドバイスしました!」
やはり人は珍しいらしく、ジロジロと見られる。こっちに人は全く住んでいないのかも。
実際、歩いていて1度も普通の人に会っていない。獣耳が付いていたり尻尾がついてたり、耳が長かったり…。
魔物地方とは呼ばれるが、人でないものが住んでいるだけで人のいる所と同じ様に平和だ。どうして人と一緒に暮らさないのかと聞くと、「人間の王様が人間地方へ行くのを禁止している」との事。
「人間地方からこっちには普通に入れるのにな、どうしてだ?」
「襲ってくるからじゃないですか? 初めから制限しておけば、魔物がいた時すぐに処理できるでしょうし」
「理不尽だよな。なのに人間に対してあの対応、魔物は随分親切だ」
「そうですかー? 襲ってきますよ」
「それを確かめに行くんだ」
魔王城の影が濃くなってゆくにつれ、その大きさに驚かされる。20mはあるであろう城壁に囲まれ、その奥にはそれの数倍はある塔が3つ、その真ん中には直方体が積み重なったような建物が一つ。
城壁の前に立った時も、塔がまだ霞んで見えた。
どれだけ広いんだここ? 街が一つすっぽり入るくらいじゃないだろうか?
「サービスのいい場所でしたね」
「そうか?」
「そうですよ、多分人間側の街じゃああいうサービスはないです」
「そうか…魔物への評価が上がっていくな」
まず、席が綺麗。そして注文したものはすぐ出てくるし、フォークを落とせば地面につく前に受け止めようと急いでこちらへ来る。
高級レストランのような対応である。
「それで、このまま魔王城へ向かうのですか?」
「そのつもりだが、この地図見ると大分遠いんだよな。このまま行ったら夜についてしまう」
「夜でもいいのでは」
「魔王城の奴らが暖かく出迎えてくれるとも思わないだろ」
「でももし襲われたとしても暗闇なら見つかりづらいですし、それと魔物も少ないかもですよ」
「ん…なら行くか」
「いいアドバイスしました!」
やはり人は珍しいらしく、ジロジロと見られる。こっちに人は全く住んでいないのかも。
実際、歩いていて1度も普通の人に会っていない。獣耳が付いていたり尻尾がついてたり、耳が長かったり…。
魔物地方とは呼ばれるが、人でないものが住んでいるだけで人のいる所と同じ様に平和だ。どうして人と一緒に暮らさないのかと聞くと、「人間の王様が人間地方へ行くのを禁止している」との事。
「人間地方からこっちには普通に入れるのにな、どうしてだ?」
「襲ってくるからじゃないですか? 初めから制限しておけば、魔物がいた時すぐに処理できるでしょうし」
「理不尽だよな。なのに人間に対してあの対応、魔物は随分親切だ」
「そうですかー? 襲ってきますよ」
「それを確かめに行くんだ」
魔王城の影が濃くなってゆくにつれ、その大きさに驚かされる。20mはあるであろう城壁に囲まれ、その奥にはそれの数倍はある塔が3つ、その真ん中には直方体が積み重なったような建物が一つ。
城壁の前に立った時も、塔がまだ霞んで見えた。
どれだけ広いんだここ? 街が一つすっぽり入るくらいじゃないだろうか?
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