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二章 魔族地方
四十四話 パラサイト
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【四十四話】
不規則に並ぶ木を避けながら全速力で走る。足が痛んできた頃、追手は見えなくなってきた。
木陰に身を隠し、足を伸ばす。
「あの、誰…?」
急に声が聞こえ、驚いて辺りを見渡すと、茂みの中から幼い男の子が出てきた。茶色の髪はボサボサで、ボロボロの布切れを身にまとい、裸足で膝を抱えている。
「別に、お前こそ誰だよ」
「ボクは…覚えてないや」
こんな山の中に子供がいるとは思わなかった。見た所人間、なぜ魔族地方にいる? 軍隊の奴らとは到底思えないが。
「どうしてここにいるんだ?」
「それも覚えてない。お兄さんはここでなにをしているの?」
「聞いてていいもんじゃねえぞ、お前も危ないかも知れないし、逃げなよ」
「でも…ボクここが何処だか」
「何も覚えてないのか?」
「うん」
「じゃあ城に連れてくか…、と、少し待ってろ」
立ち上がって周りを確認する。敵は追うのを止めないだろうし、どうにかして隠れながら行かないと。
「お兄さん、名前は?」
「ツバキ。お前は?」
「ごめんなさい、分かんないです」
「…まあいいや、ガキって呼ぶから」
「ガキ? 悪意を感じるんだけどそれは…」
「背中に掴まってろ、離すなよ」
「うん」
音を抑えながら木の間をしゃがんで進む。大きな城はこの林の中からも見えるので、迷う事は無さそう。
「固まってると思ってたんだがな」
茂みの中から外を覗くと、10m程先に二体、そして右と左斜め前に二体づつ。
周りを見ながら剣を構えている。
「あれって誰?」
「人じゃなくて石像。赤い液体は出るけどインクだから…気にすんなっ」
正面の敵の首を狙って剣を放ち、鎧が宙に舞った所でもう一人に撃ち込む。
「本当に? 絶対血だよアレ…」
「インクだ、インク」
そのまま他の4体にも放ち、赤いインクを跨いで奥へと進む。
よし、そろそろ野原に出る。魔王軍からもこちらは見えるはず、援護してもらおう。
光が広がっていき、向こうの緑が見えてくる。
「やばっ…!」
飛び出したのは崖の上で、走った勢いのまま宙へと投げ出される。
「うわあぁお兄さん! 前!」
「大丈夫…だと思うから掴まってろ」
「信憑性に欠けるよぉ!」
そして更に運が悪い事に、下には敵の集団、そして向こうに魔王の軍は見えない。
進行を開始したのか!? もう隊列変更したのかよ、このままだと集団の中に真っ逆さま…。
「そうだっ」
さっき魔王に貰った物を固定する魔法、また使用法は違うかも知れないが。
剣を宙に固定させ、柄を掴んでぶら下がる。背中でガキの悲鳴が聞こえた。
俺達に気付いた敵が上を見上げ、そして矢を取り出す。
すぐに魔法を解き、途中空中で数回止まりながら矢を払い、そして集団の中へと着地する。
「大丈夫なの…!?」
「接近戦だから、期待はすんな」
近くにいた敵の手首を切り落とし、敵の壁が薄い所へと剣を構えて突っ込んでゆく。
目の前に現れる敵の手首を切り落とし、剣の腹で敵を押しのける。
頭上に降ってきた剣を左手の手の甲で弾き、剣を奪って突き立て、後ろにいる兵士の鎧を蹴飛ばして前へと進む。
今の所後ろのガキは負傷していないようだが、バイブのように震えている。
「ひっ…狂乱怒涛とはこの事だよ…!!」
俺が集団を抜けると、ガキは振り返った。追ってくる敵の後ろには赤く染まった鎧と地面。
「死屍累々としてる…」
不規則に並ぶ木を避けながら全速力で走る。足が痛んできた頃、追手は見えなくなってきた。
木陰に身を隠し、足を伸ばす。
「あの、誰…?」
急に声が聞こえ、驚いて辺りを見渡すと、茂みの中から幼い男の子が出てきた。茶色の髪はボサボサで、ボロボロの布切れを身にまとい、裸足で膝を抱えている。
「別に、お前こそ誰だよ」
「ボクは…覚えてないや」
こんな山の中に子供がいるとは思わなかった。見た所人間、なぜ魔族地方にいる? 軍隊の奴らとは到底思えないが。
「どうしてここにいるんだ?」
「それも覚えてない。お兄さんはここでなにをしているの?」
「聞いてていいもんじゃねえぞ、お前も危ないかも知れないし、逃げなよ」
「でも…ボクここが何処だか」
「何も覚えてないのか?」
「うん」
「じゃあ城に連れてくか…、と、少し待ってろ」
立ち上がって周りを確認する。敵は追うのを止めないだろうし、どうにかして隠れながら行かないと。
「お兄さん、名前は?」
「ツバキ。お前は?」
「ごめんなさい、分かんないです」
「…まあいいや、ガキって呼ぶから」
「ガキ? 悪意を感じるんだけどそれは…」
「背中に掴まってろ、離すなよ」
「うん」
音を抑えながら木の間をしゃがんで進む。大きな城はこの林の中からも見えるので、迷う事は無さそう。
「固まってると思ってたんだがな」
茂みの中から外を覗くと、10m程先に二体、そして右と左斜め前に二体づつ。
周りを見ながら剣を構えている。
「あれって誰?」
「人じゃなくて石像。赤い液体は出るけどインクだから…気にすんなっ」
正面の敵の首を狙って剣を放ち、鎧が宙に舞った所でもう一人に撃ち込む。
「本当に? 絶対血だよアレ…」
「インクだ、インク」
そのまま他の4体にも放ち、赤いインクを跨いで奥へと進む。
よし、そろそろ野原に出る。魔王軍からもこちらは見えるはず、援護してもらおう。
光が広がっていき、向こうの緑が見えてくる。
「やばっ…!」
飛び出したのは崖の上で、走った勢いのまま宙へと投げ出される。
「うわあぁお兄さん! 前!」
「大丈夫…だと思うから掴まってろ」
「信憑性に欠けるよぉ!」
そして更に運が悪い事に、下には敵の集団、そして向こうに魔王の軍は見えない。
進行を開始したのか!? もう隊列変更したのかよ、このままだと集団の中に真っ逆さま…。
「そうだっ」
さっき魔王に貰った物を固定する魔法、また使用法は違うかも知れないが。
剣を宙に固定させ、柄を掴んでぶら下がる。背中でガキの悲鳴が聞こえた。
俺達に気付いた敵が上を見上げ、そして矢を取り出す。
すぐに魔法を解き、途中空中で数回止まりながら矢を払い、そして集団の中へと着地する。
「大丈夫なの…!?」
「接近戦だから、期待はすんな」
近くにいた敵の手首を切り落とし、敵の壁が薄い所へと剣を構えて突っ込んでゆく。
目の前に現れる敵の手首を切り落とし、剣の腹で敵を押しのける。
頭上に降ってきた剣を左手の手の甲で弾き、剣を奪って突き立て、後ろにいる兵士の鎧を蹴飛ばして前へと進む。
今の所後ろのガキは負傷していないようだが、バイブのように震えている。
「ひっ…狂乱怒涛とはこの事だよ…!!」
俺が集団を抜けると、ガキは振り返った。追ってくる敵の後ろには赤く染まった鎧と地面。
「死屍累々としてる…」
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