異世界生活の送り方を間違えている気がする?

香奈恵

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二章 魔族地方

四十五話 パラサイト

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【四十五話】

「後ろはどうなってる?」

「え…30体以上かな、追ってきてる」

「距離は?」

「遠くもなく近くもない感じ…」

魔王軍に突っ込ませるか、と思ったがどこにいるのか分からない。どこまで進軍してるんだ?

前線の位置に幹部とその部下はいない。壁の外を魔物が囲っているのは薄らと見えるが、この数を引き連れていくのは迷惑だろう。

「今から敵の位置を一体一体方角で教えろ。向きは俺の向いている方が北だ」

「…わかった。一番近い奴が南」

真後ろへと剣を投げつける。後ろは全く見えないが、音で命中したと分かった。

「肩に当たった。細かく言ってもいい?」

「ああ、その辺の予備知識はある」

「…南、南微東に一体づつ、因みに指している位置は胴体だけど…いい?」

「ああ、というかお前に三十二方位の知識があった事に驚きだ」

「え?」

言われた位置へと放つ。
一体当たったが、もう一体は当たってない様子。

「移動して南」

「ん」

また真後ろへと投げる。今度は手応えのある音がした。

「次に近いのは南東、南西。そこから半円を描く様に陣形が作られてる。その次は南南東、南西微南」
「全部命中したよ、一体転んで、次に近いのは南」

「なかなか精度の良い奴だな」

「そうかな?南南東」

俺の動きを読めないのか、それとも読もうとしていないのか。恐怖という感情が無い代わりに頭も無い。

「順調だよ、最期に南」

「これで最後か」

敵が地面を転がる音を聞きながら立ち止まり、周りを見渡して軍を探す。

自分が立っている丘の下に動く固まりが見えた。鎧を纏っていないので魔王軍の幹部だろう。
国の奴らを相手に戦っている。相手は大砲を持っている様で、苦戦している。

「助けに行くか…? でもこいつがいるし」

「ツバキ、後ろに敵」

そう言われて、すぐに振り向くと鎧を纏っていない大男がいた。見た感じは人だが、魔王軍か、それとも国か。

大きなゴツゴツした剣を握り、じっとこちらを睨んでいる。こいつは洗脳されてるのか?

「魔王軍か?」

そいつに話しかけながら剣を右手に握り、ガキを降ろす。
男は足を踏み出しながら剣を上げる。今見ると剣と言うよりも棍棒かもしれない。

「魔王軍ではない」

低く、威圧のある声で男はそう返す。

「そうか、それなら」

男は踏み込み、大きな棍棒を力任せに俺へと振りかざす。
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