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00 - 一学年 二学期 番外編 -
真琴は知っている - 真琴視点 -
しおりを挟む俺は知ってたんだ。
大倉くんが、航ちゃんの事が好きな事。
でも、航ちゃんには言わないであげた。
だって、そう言う気持ちって、自分で気付かないとでしょ?
そんなの、俺でも分かるよー。
でもそっかぁ。航ちゃん、大倉くんに取られちゃうのかぁ。ちょっと寂しいなぁ。
「ね、航ちゃん?」
「んあ?なに?」
「俺たち、ずっと親友ね?」
「うん?当たり前じゃん?いまさら何?」
「ふへっ。なんでもなーい」
「?変な真琴」
航ちゃんの事は好きだ。
でもそれは、恋愛感情ではない。
航ちゃんとは、中学からずっと一緒で、航ちゃんが辛かった時期も、俺は離れなかった。いや、離れたくなかった。
俺が絶対に航ちゃんの事守るんだ!て、ずっと思ってた。
だって、こんな優しい子がいじめられるとか、可笑しいじゃん。
クラスメイト庇っていじめられるとか、なんだよ。
航ちゃんなんも悪いことしてないじゃん。
悪いことしてるのはお前ら、周りの奴じゃん。
それなのに、なんで航ちゃんが辛い目に遭わないといけないの?
って、ずっと思ってた。
大倉くんが、航ちゃんの事好きなんだって気付いたのは、大倉くんからの質問で、だった。
大倉くんに図書委員を頼んで、もう一人はどうするかってなった時、クラスの女子が一斉に「私がやる!」と言い出して、収拾がつかなくなった。
こうなったらもう、大倉くんに相手を決めてもらうしかないと思って、誰とやりたいか聞いたら「相澤とやったら、ええよ」て言って、その時点で「おや?」とは思ったんだけど、取り敢えず気づかないふりをした。
そして、航ちゃんに図書委員をやらせ始めて数日が経ったある日、大倉くんから話しかけられた。
「な、笠井くん」
「ん?あれ?大倉くんだ。どしたのー?」
どこか神妙な面持ちで、俺の事見てる大倉くん。
そして、若干だけど敵意にも似た視線も感じる。
俺、なんかしちゃった感じ?
「…笠井くんって、相澤と仲良えやん」
「…ん?航ちゃん?」
「うん」
「確かに仲良いけど…。ん?んん??」
「………」
あ、なるほど。そう言うことか。なるほど!
え、ほんとに?うそぉ…!ええ?
俺に「仲良いよね」と問いかけて来た大倉くんは、頬っぺたが仄かに赤く、俺を見る視線は、どこか羨ましそうな視線で、それだけですぐに察した。
「そっかぁ。大倉くん、そっかぁ」
「…なんやねん」
「いやいや。ふへっ。航ちゃんって、可愛よね?」
「っ…。うん」
その瞬間、大倉くんは優しい顔をして、微笑んでいた。
イケメンの微笑みってすごいね。これ、女子が見たら確実に発狂ものだよ。
ま、俺は興味ないから何ともないけど。
それから暫くして、大倉くんのやんわりとしたアタックが始まった。
俺は、大倉くんの気持ちを知ってて、何だったら航ちゃんの、自分では気付いていない航ちゃんの気持ちも何となく分かっちゃって。
なんだ。二人とも思い合ってるんじゃん。
あーあ。航ちゃんにも春が来たかぁ…。
なーんか、寂しいなぁ…航ちゃん取られちゃうの。
でもまぁ、親友のしあわせは俺のしあわせでもあるから、良かったね、航ちゃん。
ま、でも。俺なりに世話はずっと焼き続けるけどね?
だって航ちゃんは、俺の唯一無二の親友だから。
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