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死刑耐久テスト合格です
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研究所の隔離室。
天井から降り注ぐライトの明かりが全面に部屋を照らしている。目先はガラス張りになっており、サンドマークとラッセロとサッチョと……その他諸々がいる。
手足は手錠と足枷、目には目隠しで頑丈に固定されている。どう頑張っても抜け出すのは不可能だ。
そんな不自由な状態でエネアは今――、
殺されようとしていた。
サンドマークとラッセロとサッチョが話し合いをしている。
中は防音になっており、エネアからは何も聞こえない。
「では最初は手始めに絞殺から行いましょう」
執行官ラッセロは慣れた手つきでエネアの首に鉄製の首輪を装着する。
「では始めます」
ガタンッ!という轟音と共にエネアの体は宙吊りになり、首が締められる。
「……っ!」
手足をバタバタと動かすが、動かした所でこの苦しみが消えるわけも無く、寧ろ体力を使うだけだ。
エネアは諦めて、終わるのをじっと待つ事にした。
それから約一時間が経ち、ようやく苦しい状況が終わる。
首輪を外されたエネアは今までの苦しみを吐き出すかのように咳き込む。
「ゴホッ...ヴ...ゲホッ……!」
だが、休んでいられるのも束の間。
更なる処刑がエネアを待ち受けていた。
「次は焼殺です」
「がぁぁぁぁあ!!」
1000度を超える炎がエネアを包み込む。
体全身は焼け焦げ、意識が飛びそうになるが、火事場の馬鹿力で必死に自我を保つ。
熱い。痛い。
喉も焼かれ、泣き言すらも発せない。
ただひたすら、終わるのを待つしかできないエネアは長年失っていた怒りの感情が湧いてきていた。
そしてまた一時間が経過し、焼殺を終えた。
手足の自由は利かず、無惨にも垂れ下がるだけとなっていた。
「次は刺殺です」
爛れた体を無理矢理引っ張られ、キリストの十字架の状態で磔にされる。
四肢は今にも捥げそうだ。
「始め」
執行官ラッセロの言葉と共に火傷で脆くなったエネアの体にスルッと槍が突き刺さる。
ミチミチ、グサグサと不快な音を奏でながら。
やがて貫通した成人男性の腕くらいはありそうな一本の槍が、エネアの腹を貫通する。
そこで意識は完全に途切れた。怒りの感情を胸に抱いて。
◆ ◆ ◆
エネアは夢を見ていた。
自分が自分に向かい話し掛けている。
「僕は……、忘れている……」
聞いている方のエネアは声を出せず、ただ聞くことしかできない。
「思い出せ……。
僕の記憶を……僕の……昔……の……」
夢は中途半端に終わり、そこで目を覚ました。
ただ一つ。
懐かしいという感覚だけが鮮明に残っていた。
天井から降り注ぐライトの明かりが全面に部屋を照らしている。目先はガラス張りになっており、サンドマークとラッセロとサッチョと……その他諸々がいる。
手足は手錠と足枷、目には目隠しで頑丈に固定されている。どう頑張っても抜け出すのは不可能だ。
そんな不自由な状態でエネアは今――、
殺されようとしていた。
サンドマークとラッセロとサッチョが話し合いをしている。
中は防音になっており、エネアからは何も聞こえない。
「では最初は手始めに絞殺から行いましょう」
執行官ラッセロは慣れた手つきでエネアの首に鉄製の首輪を装着する。
「では始めます」
ガタンッ!という轟音と共にエネアの体は宙吊りになり、首が締められる。
「……っ!」
手足をバタバタと動かすが、動かした所でこの苦しみが消えるわけも無く、寧ろ体力を使うだけだ。
エネアは諦めて、終わるのをじっと待つ事にした。
それから約一時間が経ち、ようやく苦しい状況が終わる。
首輪を外されたエネアは今までの苦しみを吐き出すかのように咳き込む。
「ゴホッ...ヴ...ゲホッ……!」
だが、休んでいられるのも束の間。
更なる処刑がエネアを待ち受けていた。
「次は焼殺です」
「がぁぁぁぁあ!!」
1000度を超える炎がエネアを包み込む。
体全身は焼け焦げ、意識が飛びそうになるが、火事場の馬鹿力で必死に自我を保つ。
熱い。痛い。
喉も焼かれ、泣き言すらも発せない。
ただひたすら、終わるのを待つしかできないエネアは長年失っていた怒りの感情が湧いてきていた。
そしてまた一時間が経過し、焼殺を終えた。
手足の自由は利かず、無惨にも垂れ下がるだけとなっていた。
「次は刺殺です」
爛れた体を無理矢理引っ張られ、キリストの十字架の状態で磔にされる。
四肢は今にも捥げそうだ。
「始め」
執行官ラッセロの言葉と共に火傷で脆くなったエネアの体にスルッと槍が突き刺さる。
ミチミチ、グサグサと不快な音を奏でながら。
やがて貫通した成人男性の腕くらいはありそうな一本の槍が、エネアの腹を貫通する。
そこで意識は完全に途切れた。怒りの感情を胸に抱いて。
◆ ◆ ◆
エネアは夢を見ていた。
自分が自分に向かい話し掛けている。
「僕は……、忘れている……」
聞いている方のエネアは声を出せず、ただ聞くことしかできない。
「思い出せ……。
僕の記憶を……僕の……昔……の……」
夢は中途半端に終わり、そこで目を覚ました。
ただ一つ。
懐かしいという感覚だけが鮮明に残っていた。
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