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第二章
25話 暗殺
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客室に入ると、メイドが下がり、部屋に凛一人きりとなる。
豪華な装飾に包まれた客室は、真っ赤なカーペットが敷かれた上に、如何にも高そうな家具が囲っており、高級感を下品なまでに押し出された内装をしていた。
街一の資産家であるロバートの住む家は、街の一等地に建てられた大豪邸だった。
凛は中央のテーブルの上に並べられた豪華なディナーを見る。
メインディッシュからデザートまで、一人では食べきれない程の高級そうな料理が、そこにはあった。
「こんなので懐柔するつもりかしら?」
そこでシェルターミラーの中から玖音が飛び出してくる。
「貰えるもんは貰っておけばいいじゃろ」
玖音はそう言って、テーブルの上の料理を食べ始めた。
「あっ、もう勝手に食べてー」
玖音が勝手に食べ始めたので、凛はシェルターミラー内に居たクレアも出して、三人で食べることにした。
「彼奴もいい加減鬱陶しいの。ここを家ごと火の海にしてやろうか」
食べながら玖音が物騒なことを言う。
「止めいっ。玖音って、案外脳筋よね。私もそういうところあるけど、何でもかんでも力押しでやるのは良くないわよ」
「グダグダ考えて、無駄に時間を使う意味もないのじゃ」
「それもそうだけどねー。でも確かに、いつまででも、こんなことに付き合っていられないわ。そろそろ何かしらの形で決着をつけないと」
凛の目的は女の子との触れ合いである。
直営店を負かされた当初は誘き寄せることができていたが、今はただ経営に奮闘してるだけである。
このまま不毛な争いを続けても意味はないので、凛は早いところ決着をつけたかった。
「どうやってやるかねぇ。できるだけフラムちゃん達には迷惑かけない方法がいいけど」
身体一つでやって来た凛とは違い、ルイスとフラムは地元で企業を営む身である。
あまり無茶な行動をしては、迷惑がそっちにかかってしまう恐れがあった。
「クレアちゃんはどう思う? あのバカ息子にセクハラされたから、ぶちのめしたい気持ちあるでしょ?」
「私は、えっと……」
「ううん、クレアちゃんがしたくなくても、私がしたいわ。あいつ、私のクレアちゃんの可愛いお尻を……。あ! そういえば、触られっぱなしだったわね。私が上書きしなきゃ」
凛は隣に座っていたクレアの椅子とお尻の間に、手を差し込んだ。
そして、ぐにぐにと動かしながら奥へと入れて行く。
「ひゃぁっ」
お尻の下に手が入って来る気持ち悪い感覚に、クレアは身悶えする。
「変態じゃな」
玖音はディナーを食べながら、呆れた目で凛達の様子を見ていた。
その時、どこかからガラスの割れる音が聞こえてきた。
「?」
凛達は特に気にせず食事を続けようとするが、続けて今度は女性の悲鳴が聞こえてきた。
「何事?」
尋常ではない悲鳴だったので、凛達は様子を見に、部屋を飛び出した。
悲鳴がした方へと走ると、ロバートの部屋前で腰を抜かしているメイドの女性を見つける。
「どうしたんですか!?」
駆け付けると、部屋の中の様子が凛達の目に入る。
そこではロバートが首から大量の血を流して倒れていた。
見開いた目は上を向いており、既に息絶えている。
正面の窓ガラスは打ち破られていて、夜風が中へと吹いていた。
「何があったの?」
突然のロバートの死に吃驚する凛だが、一先ず何があったのかメイドに尋ねる。
「わ、分かりません。旦那様の部屋から、倒れるような音が聞こえて来たので、ノックしたのですが、その後すぐにガラスの割れる音がして、覗いた時にはもう……」
メイドも状況が把握できず、混乱しているようだった。
凛は改めてロバートに目を向ける。
ロバートの首には、刃物で切ったような深い切り傷が残っており、他に外傷などは見当たらなかった。
他に部屋が荒らされているようなところはなく、正面の窓が割られているだけだった。
「何者かが、ここでロバートさんを殺害。でも、殺した直後にメイドさんが来たから、慌てて窓から逃げたってことかしら」
凛はそう言いながら、割れた窓の前まで来て、外を見る。
すると、偶々目を向けた先の、庭に植えていた木の枝の上で、人影と目が合った。
人影は即座に、そこから飛び退いて姿を消す。
その瞬間、月明りに照らされ、頭部につけられたヘアピンらしきものが光る。
それは凛の見覚えのあるヘアピンだった。
「……シーナちゃん?」
豪華な装飾に包まれた客室は、真っ赤なカーペットが敷かれた上に、如何にも高そうな家具が囲っており、高級感を下品なまでに押し出された内装をしていた。
街一の資産家であるロバートの住む家は、街の一等地に建てられた大豪邸だった。
凛は中央のテーブルの上に並べられた豪華なディナーを見る。
メインディッシュからデザートまで、一人では食べきれない程の高級そうな料理が、そこにはあった。
「こんなので懐柔するつもりかしら?」
そこでシェルターミラーの中から玖音が飛び出してくる。
「貰えるもんは貰っておけばいいじゃろ」
玖音はそう言って、テーブルの上の料理を食べ始めた。
「あっ、もう勝手に食べてー」
玖音が勝手に食べ始めたので、凛はシェルターミラー内に居たクレアも出して、三人で食べることにした。
「彼奴もいい加減鬱陶しいの。ここを家ごと火の海にしてやろうか」
食べながら玖音が物騒なことを言う。
「止めいっ。玖音って、案外脳筋よね。私もそういうところあるけど、何でもかんでも力押しでやるのは良くないわよ」
「グダグダ考えて、無駄に時間を使う意味もないのじゃ」
「それもそうだけどねー。でも確かに、いつまででも、こんなことに付き合っていられないわ。そろそろ何かしらの形で決着をつけないと」
凛の目的は女の子との触れ合いである。
直営店を負かされた当初は誘き寄せることができていたが、今はただ経営に奮闘してるだけである。
このまま不毛な争いを続けても意味はないので、凛は早いところ決着をつけたかった。
「どうやってやるかねぇ。できるだけフラムちゃん達には迷惑かけない方法がいいけど」
身体一つでやって来た凛とは違い、ルイスとフラムは地元で企業を営む身である。
あまり無茶な行動をしては、迷惑がそっちにかかってしまう恐れがあった。
「クレアちゃんはどう思う? あのバカ息子にセクハラされたから、ぶちのめしたい気持ちあるでしょ?」
「私は、えっと……」
「ううん、クレアちゃんがしたくなくても、私がしたいわ。あいつ、私のクレアちゃんの可愛いお尻を……。あ! そういえば、触られっぱなしだったわね。私が上書きしなきゃ」
凛は隣に座っていたクレアの椅子とお尻の間に、手を差し込んだ。
そして、ぐにぐにと動かしながら奥へと入れて行く。
「ひゃぁっ」
お尻の下に手が入って来る気持ち悪い感覚に、クレアは身悶えする。
「変態じゃな」
玖音はディナーを食べながら、呆れた目で凛達の様子を見ていた。
その時、どこかからガラスの割れる音が聞こえてきた。
「?」
凛達は特に気にせず食事を続けようとするが、続けて今度は女性の悲鳴が聞こえてきた。
「何事?」
尋常ではない悲鳴だったので、凛達は様子を見に、部屋を飛び出した。
悲鳴がした方へと走ると、ロバートの部屋前で腰を抜かしているメイドの女性を見つける。
「どうしたんですか!?」
駆け付けると、部屋の中の様子が凛達の目に入る。
そこではロバートが首から大量の血を流して倒れていた。
見開いた目は上を向いており、既に息絶えている。
正面の窓ガラスは打ち破られていて、夜風が中へと吹いていた。
「何があったの?」
突然のロバートの死に吃驚する凛だが、一先ず何があったのかメイドに尋ねる。
「わ、分かりません。旦那様の部屋から、倒れるような音が聞こえて来たので、ノックしたのですが、その後すぐにガラスの割れる音がして、覗いた時にはもう……」
メイドも状況が把握できず、混乱しているようだった。
凛は改めてロバートに目を向ける。
ロバートの首には、刃物で切ったような深い切り傷が残っており、他に外傷などは見当たらなかった。
他に部屋が荒らされているようなところはなく、正面の窓が割られているだけだった。
「何者かが、ここでロバートさんを殺害。でも、殺した直後にメイドさんが来たから、慌てて窓から逃げたってことかしら」
凛はそう言いながら、割れた窓の前まで来て、外を見る。
すると、偶々目を向けた先の、庭に植えていた木の枝の上で、人影と目が合った。
人影は即座に、そこから飛び退いて姿を消す。
その瞬間、月明りに照らされ、頭部につけられたヘアピンらしきものが光る。
それは凛の見覚えのあるヘアピンだった。
「……シーナちゃん?」
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