35 / 63
第三章
35話 コロシアム
しおりを挟む
一旦シェルターミラー内に戻っていた玖音を再び呼び出し、三人で町をぶらついていると、コロシアムの前でフラム達と遭遇した。
「あら、こんなところで何してるの?」
「あ、凛。モンスターバトル観ようかなって話してたんだ」
モンスターバトルとは、調教されたモンスター同士を戦わせて、勝敗を争う競技である。
手持ちの従魔で参加することもできるが、出場者にはモンスターバトル専用に調教されている選手が多く、素人には敷居が高い為、スポーツ観戦のように応援して楽しむのが一般的である。
賭博も行われており、この世界ではメジャーな娯楽の一つであった。
「へー、こういうの興味あるんだ?」
「ああ、昔からよく観に行ってたんだ。小遣い全部スッてからは賭けるのは禁止されたけど」
「駄目じゃん」
「いや、でも、モンスターバトル自体は最高に面白いんだぜ。鍛え上げられたモンスターが、全力でぶつかり合う熱いバトル。血沸き肉躍るだろ?」
「うーん、スポーツ自体あんまり観ないのよね……。あ、一般参加もできるのね。玖音、出てみれば?」
「お、いいな。優勝賞金めっちゃ貰えるぞ」
コロシアムの壁に掲載されている広告には、飛び入り参加歓迎という文言もあった。
素人参加が難しいからか、なかなかの賞金額が記載されている。
「馬鹿にしておるのかっ。外で従魔扱いされるのは仕方ないとしても、こんな調教された家畜みたいな真似するのは御免なのじゃ」
玖音が出れば優勝間違いなしであったが、プライドが許さなかった。
「優勝したら賞金沢山入るから、食事が豪華になるわよ」
「……やらん」
「今迷ったでしょ」
「ま、迷っとらんわっ」
旅を始めてから、人一倍食事を楽しんでいた玖音は、食べ物の魅力に弱かったが、神としてのプライドの為に、何とか踏み止まった。
「じゃあ普通に観戦するか。凛達も来る?」
「そうね。特にやることなかったから付き合うわ」
観戦することした凛達は、コロシアムの中へと入って行く。
「なぁ、ただ見るだけじゃ燃えないから、ちょっとだけ賭けていい?」
「……さっきの話聞いたら、許可出したくないんだけど」
大損した話を聞いた後では、流石の凛も許可を下ろすのには抵抗があった。
「お願いっ。好きな選手が出るんだ。ちゃんと限度を弁えてやるから、頼むっ」
フラムは拝むようにして頼んでくる。
「うーん、仕方ないわねー。ちゃんと節度を持ってやるのよ」
「よっしゃっ。サンキュー、凛ー」
少女のお願いに弱かった凛は、結局すんなり許可を出した。
凛達は賭券売り場で、お目当ての選手モンスターに賭けてから、観客席へと移動する。
席に着くと、中央の闘技スペースでは、既にモンスターの戦いが行われていた。
熊のモンスターと小型ドラゴンが、雄叫びを上げながら激しいぶつかり合いをしている。
観客席には結構な人が入っており、皆熱狂してそれぞれ賭けた方のモンスターを応援していた。
「結構人気あるのね」
「大人気だぞ。凛は冒険者やってるから、珍しくとも何ともないだろうけど、一般人が熱いバトルを観られるのは、ここくらいだからな」
この世界は娯楽が比較的少ない為、コロシアムがあるところでは、モンスターバトルは一定の人気を博していた。
話していると、早々に決着が着き、次の試合へと移る。
「さぁ、王者決定勝ち抜き戦、続いての対戦はこのモンスター達だ!」
MCの言葉に続き、控室から大柄のバッファローを引き連れた兎人族の少女が入場してくる。
「おっ、来た」
そのバッファローはフラムが賭けたモンスターであった。
「あら、可愛い。兎人族の子ね」
「そっちかよ。まぁ、調教師も凄い奴だけどさ。あの子はミーシェ・クラビッツ。あたしと同い年なのに、若手調教師のエースやってた子なんだぜ。ただ、ちょっと前にスランプ起こしてたみたいで、負け続きになってて。元々うちの街でやってたけど、いつの間にか姿見なくなってたんだ。こっちに来てたことは、あたしもさっき初めて知った」
「都落ち? 可愛い女の子なら、私も応援したくなるわね」
続いて、相手選手も入場してくる。
対戦相手は鋭い牙を持つゴリラのようなモンスターであった。
筋肉質で強そうな風貌をしているが、バッファローの方も負けず劣らず、凛々しい身体をしている。
「野性のモンスターとは感じが違うわね」
「そこらのモンスターと比べてもらっちゃ困るよ。あのモンスター達は、バトル専用に鍛えられたエリート中のエリートなんだぜ」
フラムは、まるで自分のことかのように自慢げに言った。
「あら、こんなところで何してるの?」
「あ、凛。モンスターバトル観ようかなって話してたんだ」
モンスターバトルとは、調教されたモンスター同士を戦わせて、勝敗を争う競技である。
手持ちの従魔で参加することもできるが、出場者にはモンスターバトル専用に調教されている選手が多く、素人には敷居が高い為、スポーツ観戦のように応援して楽しむのが一般的である。
賭博も行われており、この世界ではメジャーな娯楽の一つであった。
「へー、こういうの興味あるんだ?」
「ああ、昔からよく観に行ってたんだ。小遣い全部スッてからは賭けるのは禁止されたけど」
「駄目じゃん」
「いや、でも、モンスターバトル自体は最高に面白いんだぜ。鍛え上げられたモンスターが、全力でぶつかり合う熱いバトル。血沸き肉躍るだろ?」
「うーん、スポーツ自体あんまり観ないのよね……。あ、一般参加もできるのね。玖音、出てみれば?」
「お、いいな。優勝賞金めっちゃ貰えるぞ」
コロシアムの壁に掲載されている広告には、飛び入り参加歓迎という文言もあった。
素人参加が難しいからか、なかなかの賞金額が記載されている。
「馬鹿にしておるのかっ。外で従魔扱いされるのは仕方ないとしても、こんな調教された家畜みたいな真似するのは御免なのじゃ」
玖音が出れば優勝間違いなしであったが、プライドが許さなかった。
「優勝したら賞金沢山入るから、食事が豪華になるわよ」
「……やらん」
「今迷ったでしょ」
「ま、迷っとらんわっ」
旅を始めてから、人一倍食事を楽しんでいた玖音は、食べ物の魅力に弱かったが、神としてのプライドの為に、何とか踏み止まった。
「じゃあ普通に観戦するか。凛達も来る?」
「そうね。特にやることなかったから付き合うわ」
観戦することした凛達は、コロシアムの中へと入って行く。
「なぁ、ただ見るだけじゃ燃えないから、ちょっとだけ賭けていい?」
「……さっきの話聞いたら、許可出したくないんだけど」
大損した話を聞いた後では、流石の凛も許可を下ろすのには抵抗があった。
「お願いっ。好きな選手が出るんだ。ちゃんと限度を弁えてやるから、頼むっ」
フラムは拝むようにして頼んでくる。
「うーん、仕方ないわねー。ちゃんと節度を持ってやるのよ」
「よっしゃっ。サンキュー、凛ー」
少女のお願いに弱かった凛は、結局すんなり許可を出した。
凛達は賭券売り場で、お目当ての選手モンスターに賭けてから、観客席へと移動する。
席に着くと、中央の闘技スペースでは、既にモンスターの戦いが行われていた。
熊のモンスターと小型ドラゴンが、雄叫びを上げながら激しいぶつかり合いをしている。
観客席には結構な人が入っており、皆熱狂してそれぞれ賭けた方のモンスターを応援していた。
「結構人気あるのね」
「大人気だぞ。凛は冒険者やってるから、珍しくとも何ともないだろうけど、一般人が熱いバトルを観られるのは、ここくらいだからな」
この世界は娯楽が比較的少ない為、コロシアムがあるところでは、モンスターバトルは一定の人気を博していた。
話していると、早々に決着が着き、次の試合へと移る。
「さぁ、王者決定勝ち抜き戦、続いての対戦はこのモンスター達だ!」
MCの言葉に続き、控室から大柄のバッファローを引き連れた兎人族の少女が入場してくる。
「おっ、来た」
そのバッファローはフラムが賭けたモンスターであった。
「あら、可愛い。兎人族の子ね」
「そっちかよ。まぁ、調教師も凄い奴だけどさ。あの子はミーシェ・クラビッツ。あたしと同い年なのに、若手調教師のエースやってた子なんだぜ。ただ、ちょっと前にスランプ起こしてたみたいで、負け続きになってて。元々うちの街でやってたけど、いつの間にか姿見なくなってたんだ。こっちに来てたことは、あたしもさっき初めて知った」
「都落ち? 可愛い女の子なら、私も応援したくなるわね」
続いて、相手選手も入場してくる。
対戦相手は鋭い牙を持つゴリラのようなモンスターであった。
筋肉質で強そうな風貌をしているが、バッファローの方も負けず劣らず、凛々しい身体をしている。
「野性のモンスターとは感じが違うわね」
「そこらのモンスターと比べてもらっちゃ困るよ。あのモンスター達は、バトル専用に鍛えられたエリート中のエリートなんだぜ」
フラムは、まるで自分のことかのように自慢げに言った。
11
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる