75 / 151
74
しおりを挟む
「最高だ!!うわははは!!やはり俺の愛し子は頭がおかしい!たかが一度寝た男なんぞに本気になるなんて、お前は愚かですね!あっはっは!」
限界が来ると、突飛な行動に出るらしい。ミハエルのことをよく理解しているルキーノだからこそ、これは予測できたことなのかもしれない。サリエルは肩で息をしながら、泣きながら斧をぶん投げたミハエルを見て、それはもう大いに喜んだ。ならば、一体どこから斧を出したのか。
「まさか、切羽詰まって作り上げるとは!!」
エルマーたちが来る大凡一時間前程だ。ミハエルは熱が下がらぬまま、安静にしていろと言われたのも丸無視をして、あの後すぐに紙とペンをとりだした。
首に回された魔力制御の首輪。このせいで、ミハエルは魔力を消費する物質の呼び出しや、治癒、そして手紙を飛ばすということができなかった。可能なのは部屋の電気をつけることなどの生活魔法のみ。このままでは父がサディンに迷惑をかけてしまう。そう考えたミハエルは、ずっと前から溜め込んでいた魔石の入った箱を取りだした。
ミハエルの魔力を感じる小石程度の魔石がみちりとつまったその箱の中身を、ふよふよと浮いていたサリエルは不思議そうに覗き込む。
「おい、それはなんですか。なにやらお前の魔力を感じる。」
「これは…、僕が凝ったものを散らすために魔力を使った余剰分をためたものです…」
「凝った…?」
「…せ、生理現象を、散らすために…」
熱で赤い顔を更に赤らめる。サリエルはぽかんとした顔で暫く見つめていたが、口から細い声を出すと、笑いを噛み殺すかのように慌てて口を塞ぐ。信じられない。こいつ、オナニーをしないで魔力で散らしていただと!つまるところ、これはミハエルの行き場のなくなった欲の塊だとわかると、それはもう面白すぎて仕方ない。欲の塊がみちりと菓子の箱に詰まっていたのだから、笑うなという方が無理である。
「んくっ、く、ぐぅ、ふふっふ、ふっ…!!」
「し、仕方ないでしょう!クズ魔石位にしか移せなかったんですからっ!」
「お、おまえ、こんな、欲を散らすためだけに魔力を練るだなん…てっ、ぬ、抜けばいいだろう…!!」
「あ、あなたのおかげで、練習中はその必要もありませんでしたからっ!!も、もうだまりなさい!少し集中したいのでっ!」
そういうと、ミハエルは出した紙の上にガリガリと計算をし始める。大きなコンパスのようなものまで引きずり出して、そのインクを入れる部分を空けた。インベントリから培養液と、細胞を活性化させるためのポーションを取り出す。それをコップに移した培養液の中に慎重にいれると、それを零さないようにインクの代わりに注ぎ込む。時折ぶしゅんとくしゃみをしながら、ずびりと鼻水を拭う。熱と体のだるさなんかで止まっていられるか。ミハエルはサリエルに手伝ってもらい、クズ魔石を粉々に砕いて、魔力を帯びた砂の粒のようにしてもらうと、それを液体の中に入れた。
「何をしてるんだミハエル。」
「魔力が制御されているなら、初心に帰ればいいのです。」
「あん?」
意味の理解していないサリエルは、その大きなコンパスを床にぶっ刺してガリゴリと計算をしながら陣を描いていくミハエルを、不思議そうに見やる。
ただ、なんとなく面白そうなことが始まりそうだなあというのはわかるので、決して止めるような野暮はしない。ただニヤつきながら見つめているだけだが、サリエルの獅子の尾はご機嫌にブンブンと揺れていた。
あらかた陣を描き終えたミハエルは、次いでペン先やらペーパーナイフ、時計の針やら縫い針、はてはベッドの装飾まで無心にもぎりとってガチャガチャと集めていく。箪笥の取手もすべて取り払い、ドアの持ち手まで外したミハエルは、最後に使っていた細い鉄製の定規までぽいっとまとめてその小山の上に放り投げる。
「俺の力は必要か、ミハエル。」
「…熱を加えてほしいですが、あなたがやると火事になりかねません。」
「なんだ、溶かすだけでいいのなら出来るぞ。浮かせてやればいい。」
「なら鉄の塊にしてください!」
ミハエルのおねだりに、サリエルはふわりとそれらのかき集めた物を浮かばせる。外側から一気に熱を加えて流動性のある鉄に変えると、ミハエルはわたわたしながらその陣に少ない魔力を慎重に流した。
「お願い…!」
「む。」
カッと陣がミハエルの魔力に反応して輝いた。サリエルの目の前で、その鉄の塊がじわじわと姿を変えていく。どうやらミハエルのイメージを反映するらしく、その形質をなんだか妙な形に変化させた。これは、斧なのだろうか。それにしてもなんとも気の抜けたデザインであった。ゴトリ、と硬質な音を立てて出来上がったそれは、刃物らしい刃の反対側に、棘のようなものがついたハルバードらしい。しかし、その肝心の刃の部分は、なんというかシルエットだけでいうなら妙な曲線を描いている。まるで凍らした水溜りに柄を付けたような仕上がりに、流石サリエルもぽかんとしてしまった。
「で、きました…、やった!かっこいい!」
「何だそれは、随分と気の抜けたデザインだな。」
「えーと、ば、バトルアックス的なやつをイメージしてみたんですけど。なにか変ですか?」
「うん。なんだか切れ味はよくなさそうだなあ。」
数字の3がみょんみょんと並んでいるような刃だ。ミハエルは出来に満足しているらしいが、いざこれで戦闘となったら、打撃のみしかできなさそうだ。
「いいんです、これで。僕の話を少しでも聞いてもらうには、ハッタリも必要ですから。」
「それでハッタリができるかと言われたら同意はしかねる。」
「う、うるさいですよサリエル!」
ミハエルは決意をしたかのような顔に、目元を赤らめたままそういうと、むんずっとその持ち手を掴む。ドアが開かないのなら、壊せばいい。持ち手を頑張って引っこ抜いても開かなかったのだ、おそらくダラスによって術がかけられているに違いない。ミハエルは、泣き顔のままずびりと鼻を啜ると、あまり大きな音をたてないように壊して、外に出る。僕が武器を持つほどだと思ってもらえれば、きっとお父さんも本気を認めてくれるはず。そう心に誓いながら振り上げる。
この一振りは決意を表す。自分のエゴで抱いてもらった。だからこそサディンに迷惑なんかかけたくない。行動を起こして、きっとダラスからはこっぴどく怒られることだろう。しかしミハエルは、自分の叱責よりもサディンの立場を揺るがしてしまう方がいやだった。どうせ泣くなら、好きな人のために泣きたい。
「っ、これで…お父さんに、僕の本気がつたわ、ひゃ…っ!」
「お、」
しかしミハエルは自分の力を過信しすぎていた。その細腕で振り上げた斧は、遠心力で確かにきれいな起動を描いた。しかし、熱で体調が優れなかったのだ。だから、普段よりも余計にドジが前に出た。そして、ミハエルの壊滅的なイメージで頭でっかちになったハルバードは、ミハエルがその重みで体をよろめかせたせいで、団扇で扇ぐように大きな範囲をドアに叩きつけることとなる。
「ぅわ、あっ!」
「あーあー‥」
バキャ!!それはミハエルの思った以上にものすごい音を立ててしまう。サリエルがわかりやすく吹き出した。ミハエルはというと、勢い余ってずっこけた。斧はしっかりと上半分をめり込ませて自立した。ドアから突き出したそれは、まるでおのが仕事を全うしたかのようにツルリと光った。そうしてようやく、耐えきれなくなったサリエルが手を叩いて大喜びし、冒頭に戻るのであった。
限界が来ると、突飛な行動に出るらしい。ミハエルのことをよく理解しているルキーノだからこそ、これは予測できたことなのかもしれない。サリエルは肩で息をしながら、泣きながら斧をぶん投げたミハエルを見て、それはもう大いに喜んだ。ならば、一体どこから斧を出したのか。
「まさか、切羽詰まって作り上げるとは!!」
エルマーたちが来る大凡一時間前程だ。ミハエルは熱が下がらぬまま、安静にしていろと言われたのも丸無視をして、あの後すぐに紙とペンをとりだした。
首に回された魔力制御の首輪。このせいで、ミハエルは魔力を消費する物質の呼び出しや、治癒、そして手紙を飛ばすということができなかった。可能なのは部屋の電気をつけることなどの生活魔法のみ。このままでは父がサディンに迷惑をかけてしまう。そう考えたミハエルは、ずっと前から溜め込んでいた魔石の入った箱を取りだした。
ミハエルの魔力を感じる小石程度の魔石がみちりとつまったその箱の中身を、ふよふよと浮いていたサリエルは不思議そうに覗き込む。
「おい、それはなんですか。なにやらお前の魔力を感じる。」
「これは…、僕が凝ったものを散らすために魔力を使った余剰分をためたものです…」
「凝った…?」
「…せ、生理現象を、散らすために…」
熱で赤い顔を更に赤らめる。サリエルはぽかんとした顔で暫く見つめていたが、口から細い声を出すと、笑いを噛み殺すかのように慌てて口を塞ぐ。信じられない。こいつ、オナニーをしないで魔力で散らしていただと!つまるところ、これはミハエルの行き場のなくなった欲の塊だとわかると、それはもう面白すぎて仕方ない。欲の塊がみちりと菓子の箱に詰まっていたのだから、笑うなという方が無理である。
「んくっ、く、ぐぅ、ふふっふ、ふっ…!!」
「し、仕方ないでしょう!クズ魔石位にしか移せなかったんですからっ!」
「お、おまえ、こんな、欲を散らすためだけに魔力を練るだなん…てっ、ぬ、抜けばいいだろう…!!」
「あ、あなたのおかげで、練習中はその必要もありませんでしたからっ!!も、もうだまりなさい!少し集中したいのでっ!」
そういうと、ミハエルは出した紙の上にガリガリと計算をし始める。大きなコンパスのようなものまで引きずり出して、そのインクを入れる部分を空けた。インベントリから培養液と、細胞を活性化させるためのポーションを取り出す。それをコップに移した培養液の中に慎重にいれると、それを零さないようにインクの代わりに注ぎ込む。時折ぶしゅんとくしゃみをしながら、ずびりと鼻水を拭う。熱と体のだるさなんかで止まっていられるか。ミハエルはサリエルに手伝ってもらい、クズ魔石を粉々に砕いて、魔力を帯びた砂の粒のようにしてもらうと、それを液体の中に入れた。
「何をしてるんだミハエル。」
「魔力が制御されているなら、初心に帰ればいいのです。」
「あん?」
意味の理解していないサリエルは、その大きなコンパスを床にぶっ刺してガリゴリと計算をしながら陣を描いていくミハエルを、不思議そうに見やる。
ただ、なんとなく面白そうなことが始まりそうだなあというのはわかるので、決して止めるような野暮はしない。ただニヤつきながら見つめているだけだが、サリエルの獅子の尾はご機嫌にブンブンと揺れていた。
あらかた陣を描き終えたミハエルは、次いでペン先やらペーパーナイフ、時計の針やら縫い針、はてはベッドの装飾まで無心にもぎりとってガチャガチャと集めていく。箪笥の取手もすべて取り払い、ドアの持ち手まで外したミハエルは、最後に使っていた細い鉄製の定規までぽいっとまとめてその小山の上に放り投げる。
「俺の力は必要か、ミハエル。」
「…熱を加えてほしいですが、あなたがやると火事になりかねません。」
「なんだ、溶かすだけでいいのなら出来るぞ。浮かせてやればいい。」
「なら鉄の塊にしてください!」
ミハエルのおねだりに、サリエルはふわりとそれらのかき集めた物を浮かばせる。外側から一気に熱を加えて流動性のある鉄に変えると、ミハエルはわたわたしながらその陣に少ない魔力を慎重に流した。
「お願い…!」
「む。」
カッと陣がミハエルの魔力に反応して輝いた。サリエルの目の前で、その鉄の塊がじわじわと姿を変えていく。どうやらミハエルのイメージを反映するらしく、その形質をなんだか妙な形に変化させた。これは、斧なのだろうか。それにしてもなんとも気の抜けたデザインであった。ゴトリ、と硬質な音を立てて出来上がったそれは、刃物らしい刃の反対側に、棘のようなものがついたハルバードらしい。しかし、その肝心の刃の部分は、なんというかシルエットだけでいうなら妙な曲線を描いている。まるで凍らした水溜りに柄を付けたような仕上がりに、流石サリエルもぽかんとしてしまった。
「で、きました…、やった!かっこいい!」
「何だそれは、随分と気の抜けたデザインだな。」
「えーと、ば、バトルアックス的なやつをイメージしてみたんですけど。なにか変ですか?」
「うん。なんだか切れ味はよくなさそうだなあ。」
数字の3がみょんみょんと並んでいるような刃だ。ミハエルは出来に満足しているらしいが、いざこれで戦闘となったら、打撃のみしかできなさそうだ。
「いいんです、これで。僕の話を少しでも聞いてもらうには、ハッタリも必要ですから。」
「それでハッタリができるかと言われたら同意はしかねる。」
「う、うるさいですよサリエル!」
ミハエルは決意をしたかのような顔に、目元を赤らめたままそういうと、むんずっとその持ち手を掴む。ドアが開かないのなら、壊せばいい。持ち手を頑張って引っこ抜いても開かなかったのだ、おそらくダラスによって術がかけられているに違いない。ミハエルは、泣き顔のままずびりと鼻を啜ると、あまり大きな音をたてないように壊して、外に出る。僕が武器を持つほどだと思ってもらえれば、きっとお父さんも本気を認めてくれるはず。そう心に誓いながら振り上げる。
この一振りは決意を表す。自分のエゴで抱いてもらった。だからこそサディンに迷惑なんかかけたくない。行動を起こして、きっとダラスからはこっぴどく怒られることだろう。しかしミハエルは、自分の叱責よりもサディンの立場を揺るがしてしまう方がいやだった。どうせ泣くなら、好きな人のために泣きたい。
「っ、これで…お父さんに、僕の本気がつたわ、ひゃ…っ!」
「お、」
しかしミハエルは自分の力を過信しすぎていた。その細腕で振り上げた斧は、遠心力で確かにきれいな起動を描いた。しかし、熱で体調が優れなかったのだ。だから、普段よりも余計にドジが前に出た。そして、ミハエルの壊滅的なイメージで頭でっかちになったハルバードは、ミハエルがその重みで体をよろめかせたせいで、団扇で扇ぐように大きな範囲をドアに叩きつけることとなる。
「ぅわ、あっ!」
「あーあー‥」
バキャ!!それはミハエルの思った以上にものすごい音を立ててしまう。サリエルがわかりやすく吹き出した。ミハエルはというと、勢い余ってずっこけた。斧はしっかりと上半分をめり込ませて自立した。ドアから突き出したそれは、まるでおのが仕事を全うしたかのようにツルリと光った。そうしてようやく、耐えきれなくなったサリエルが手を叩いて大喜びし、冒頭に戻るのであった。
0
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
ユィリと皆の動画つくりました! お話にあわせて、ちょこちょこあがる予定です。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
【完結済】虚な森の主と、世界から逃げた僕〜転生したら甘すぎる独占欲に囚われました〜
キノア9g
BL
「貴族の僕が異世界で出会ったのは、愛が重すぎる“森の主”でした。」
平凡なサラリーマンだった蓮は、気づけばひ弱で美しい貴族の青年として異世界に転生していた。しかし、待ち受けていたのは窮屈な貴族社会と、政略結婚という重すぎる現実。
そんな日常から逃げ出すように迷い込んだ「禁忌の森」で、蓮が出会ったのは──全てが虚ろで無感情な“森の主”ゼルフィードだった。
彼の周囲は生命を吸い尽くし、あらゆるものを枯らすという。だけど、蓮だけはなぜかゼルフィードの影響を受けない、唯一の存在。
「お前だけが、俺の世界に色をくれた」
蓮の存在が、ゼルフィードにとってかけがえのない「特異点」だと気づいた瞬間、無感情だった主の瞳に、激しいまでの独占欲と溺愛が宿る。
甘く、そしてどこまでも深い溺愛に包まれる、異世界ファンタジー
身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される
秋津むぎ
BL
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。
ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。
死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――?
傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学で逃げ出して後悔したのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞に応募しましたので、見て頂けると嬉しいです!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
【完結】スローテンポで愛して
鈴茅ヨウ
BL
平凡な日常を送る三上日和(みかみ・ひより)は、自宅のマンションのゴミ捨て場に打ち捨てられている派手な男、副島隆弘(そえじま・たかひろ)を介抱したことがきっかけで、友人になって欲しいと言われる。
友人として副島の経営するバーに通いながら、交流を深めていると、副島から『三カ月のお試し期間を置いた上で、恋人関係になって欲しい』と告白され――。
四十五歳×三十三歳の、大人の年の差ラブ!
神様の手違いで死んだ俺、チート能力を授かり異世界転生してスローライフを送りたかったのに想像の斜め上をいく展開になりました。
篠崎笙
BL
保育園の調理師だった凛太郎は、ある日事故死する。しかしそれは神界のアクシデントだった。神様がお詫びに好きな加護を与えた上で異世界に転生させてくれるというので、定年後にやってみたいと憧れていたスローライフを送ることを願ったが……。
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる