中二病ドラゴンさんは暗黒破壊神になりたい

禎祥

文字の大きさ
20 / 228
第二章 俺様、ダンジョンを出る

7、これで! ついに! ルシアちゃんと会話ができる!

しおりを挟む
 ベルナルドは、モンスターテイムというスキルを持っており、その関係でモンスターの言葉もわかるらしい。思念にMPを乗せて相手に伝わるように念じればこのように頭の中に直接話しかけることもできるらしく、ある程度知性のあるモンスターと闘う際に必須の能力だから覚えたほうが良いと教えてくれた。

『――≪リージェ≫がスキル≪念話≫Lv.1を取得しました――』
「よっしゃぁぁ!」

 これで! ついに! ルシアちゃんと会話ができる!

『凄いね、まさかこんな早く習得するとは』
『おっちゃんの教え方が上手いからだよ』

 実践して見せてくれたしな。驚くベルナルドにそう返すと、嬉しそうにそうかと笑った。
 相手がむさいおっちゃんなのがちょっと残念だけど、久々の会話、すっげぇ楽しい。

『ところで、最初の話に戻るが』
『最初の話?』

 何だっけ?

『暗黒破壊神が結界で守られた王都にたやすく侵入できたって話』
『ああ! そういやそんな話してたな』

 完全に忘れていた俺にベルナルドが苦笑する。

『暗黒破壊神も元は女神様と同列の神様だからね。聖女様が他の結界に干渉できるのと一緒だよ。暗黒破壊神も結界に干渉できるのさ』
『えっ! じゃあ、結界なんて意味ないじゃん!』

 俺なら、即行結界を解除するよ。

『そうだね、暗黒破壊神には結界そのものは意味がないが、モンスターは入って来られない。それに、結界があると聖女や勇者がいることを警戒するらしくてね、今回のように街中へ突然現れてもすぐに去ってしまうのだよ』
『へぇー』
『で、話を戻すけど、君は王都に現れた暗黒破壊神を偽物だと言ったね。何でだい?』

 ベルナルドが聞きたいのは、何故偽物だと断言したかってことかな? そりゃ、暗黒破壊神たる俺様がここにいるんだから、今いる暗黒破壊神は偽物に決まってるだろう。
 けど、ここでそれをいう訳にはいかない。今ここにいる全員を敵に回してしまう。勝ち目のない内は悪手だ。

『そりゃ、わざわざ結界を潜り抜けて王都に来たって言うのにすぐ逃げ出すとか、小物臭が物凄いからさ。復活したばかりだと聞いたし、影を送り込んで本体はどこかにいるって考えるのが普通じゃないか?』

 苦しいか? と思ったがベルナルドは納得してくれた。

『――≪リージェ≫のスキル≪タリ―語≫がLv.2になりました――』

 おお!! ベルナルドと会話したからか、ようやくタリ―語のレベルが上がった。と同時に、聞き取りにくかった単語が聞き取れるようになる。
 と言っても、実はまだまだ意味の解らない単語があって前後の文で推測している所が多いからなぁ。レベルが上がっていけばもっと解るようになるのかな。



「今日はここまでにしよう」

 先頭を歩いていたアルベルトがそう言って立ち止まる。手には紫色に光るカカオ豆のような実が。うぇ、何あの毒々しい色の実。食べるの?

『時告げの実だよ』

 なるほど、時計か! ベルナルドがこっそり教えてくれた話だと、オレンジ→黄色→緑→青→紫→赤→オレンジの順に一日一巡、毎日同じ間隔で色が変わるのだと。一色で四時間って所か。
 更に追加情報で一日は6オーラ。オーラって言うのが時間の単位なんだって。時間っていう概念はあっても何分っていう概念はなかった。まぁ、時計がなくてこんな不思議植物に頼っているようじゃそりゃあ細かな時間設定はないか。細かく時間を決めたい時でも、緑4分の1オーラとか、或いは2と4分の1オーラって感じで指定するんだってさ。
ってことは、今は全体が紫になっているから、大体夕方の4時頃か。

 ここまで来る間に、ベルナルドはたくさんの事を教えてくれた。レベルの事、スキルのこと。ほとんどの人はレベル99がMaxで、それを突破して強くなれるのは勇者や聖女、聖竜だけなのだそうだ。逆に言えば、暗黒破壊神はレベル100以上じゃなければ倒せないって事か。

 レベルの差を覆す重要な要素がスキルなわけだけど、スキルレベルの上限は10でこれは勇者や聖女、聖竜であっても変わらないらしい。
 色々教えてくれたベルナルドに敬意を表して気付けば先生と呼んでいた。

「今は大体どの辺りなんでしょう?」

 ルシアちゃんが野営準備をしているアルベルトに尋ねる。
 アルベルトは手を止めるでもなく、この階層は四十七階層だと答えた。

「えっ!? 私たち、寝所を出てからかなり階層を登ってきていますけど……」

 ルシアちゃんの話だとここは五十層のダンジョン。その最下層から正確には七階層登ってきたから、四十三階層のはずなのだが。

「ここはダンジョンですよ。コアを破壊しない限り、成長し続けるんです。年々深くなっていますよ」

 アルベルトの言葉を肯定するようにベルナルド先生が言う。ならば間違いないのだろう。嘘を吐く理由がないものな。
 ルシアちゃんはショックを受けているようだが、確かルシアちゃんが最下層に潜ったのは五年も前だ。五年も経てばそりゃ育つだろう。
 ダンジョンコア……もしかして、女神様が眠っているとかいうあの水晶か?

 叩き壊してやりゃ良かった、と思いつつ夕食の牛肉串に舌鼓を打つのだった。お肉マジ最高!



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【ステータス】

名前   : リージェ    

レベル  : 12 
EXP  : 6999/18231

HP   : 1276/1356
MP   : 971/1218
Atk  : 2839
Def  : 834

スキル  : タリ―語 Lv.2
       我が劫火に焼かれよLv.3
       血飛沫と共に踊れ Lv.5
       全てを見通す神の眼 Lv.1
       念話 Lv.1

称号   : 中二病(笑)
       害虫キラー
       農家
       ドM
しおりを挟む
感想 289

あなたにおすすめの小説

企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する 

namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。  転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。  しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。  凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。  詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。  それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。  「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」  前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。  痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。  そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。 これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

毒舌アイドルは毒の魔物に転生する。

馳 影輝
ファンタジー
毒舌を売りにして芸能界で活躍できる様になった。 元々はアイドルとしてデビューしたが、ヒラヒラの衣装や可愛い仕草も得意じゃ無かった。 バラエティーの仕事を貰って、毒舌でキャラを作ったらこれがハマり役で世間からのウケも良くとんとん拍子で有名人になれた。 だが、自宅に帰ると玄関に見知らぬ男性が立っていて私に近づくと静かにナイフで私を刺した。 アイドル時代のファンかも知れない。 突然の事で、怖くて動けない私は何度も刺されて意識を失った。 主人公の時田香澄は殺されてしまう。 気がつくとダンジョンの最下層にポイズンキラーとい魔物に転生する。 自分の現象を知りショックを受けるが、その部屋の主であるリトラの助言により地上を目指す。 ダンジョンの中で進化を繰り返して強くなり、人間の冒険者達が襲われている所に出くわす。 魔物でありながら、擬態を使って人間としても生きる姿や魔王種への進化を試みたり、数え切れないほどの激動の魔物人生が始まる。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

1歳児天使の異世界生活!

春爛漫
ファンタジー
 夫に先立たれ、女手一つで子供を育て上げた皇 幸子。病気にかかり死んでしまうが、天使が迎えに来てくれて天界へ行くも、最高神の創造神様が一方的にまくしたてて、サチ・スメラギとして異世界アラタカラに創造神の使徒(天使)として送られてしまう。1歳の子供の身体になり、それなりに人に溶け込もうと頑張るお話。 ※心は大人のなんちゃって幼児なので、あたたかい目で見守っていてください。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...