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第三章 俺様、王都へ行く
10、な、何ですと!!?
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起きたら昼近かった。寝たのが遅かったせいだろう。
それでも、ルシアちゃんはもう起きていたし、街は活気に満ちていた。
「あ、おはようございますリージェ様。具合はいかがですか?」
『うむ、万全である』
昨日回復魔法かけてくれたし、起きたらばっちり全快だった。
昨夜の鶏の襲撃によって、再び救護院がいっぱいになってしまったらしい。
ルシアちゃんは早朝に呼ばれて一度治療を行ってきたのだそうだ。ご苦労様です。
「私はこの後また救護院に行きますが、リージェ様はどうします?」
『休まなくて大丈夫か?』
「ええ、治療を待っている人がたくさんおりますから」
あまり寝ていないだろうに、蒼い顔色で若干ふらつきながらも自分より他人を優先するのか。
仕方ない、本はお預けだな。
今にも倒れそうな少女を働かせて自分はまったり読書だなんて、高貴な男のすることじゃねぇ。
案の定、救護院についていくらも経たないうちにルシアちゃんがダウンしてしまった。
俺の回復魔法はルシアちゃんほどではないが、有り余るMPで回数だけならかけられる。延命くらいにはなるだろう。
「聖女様、しっかり」
『そのまま寝せておいてやってくれ。今起こした所でまた無理をするだけだ』
蓄積された疲労はともかく、MPは寝れば回復する。そうすれば、また自分を役立たずだと落ち込むことも無いだろう。
俺はシスターにルシアちゃんを任せると、ひたすら回復魔法をかけまくった。
今俺がいるのは救護院の一番奥。昨日の襲撃で死に瀕した人がたくさん寝かされていた。
軽症者は後回し。一度は患者が減ったというのに、野戦病院再びである。
重篤患者達をシスター達と手分けして回復を施していく。出血が収まり呼吸が安定したら次の患者へ。今優先すべきは一人一人完治させることではなく、死者をできるだけ出さないことだ。
昨日の鶏襲撃ではやはり多くの死者が出たらしい。
撃退できたのが奇跡だと、あの防衛戦に参加していたらしい冒険者たちによってここでももてはやされた。
ここにいると様々な情報が入ってくる。軽傷だった人や手伝いに来た人たちが口々にいろいろ喋っているからだ。
あの体色から、鶏が暗黒破壊神の召喚したモンスターじゃないか、って見抜いている奴もいた。
暗黒破壊神が復活したと言われているのは半年ほど前。先月漆黒の大蛇を街中に召喚して去るまでに実に20以上の村や町が滅んだらしい。
王都の人が逃げ出さないのは、逃げる先がないっていうのがほとんどのようだ。
聞いた話だと暗黒破壊神は人々の恐怖や絶望といった感情を食べて強くなるらしい。
度々街を襲っても壊滅させないのは、より恐怖を煽るためだと言っていた。
そして、そう言った暗黒破壊神にとってエネルギーとなる感情をあの漆黒のモンスター達が回収して運ぶのだろうと。
全ては推測に過ぎないが、【暗黒破壊神の欠片】なんてものが出てきた以上強ちでたらめとも言えないんだよな。
で。暗黒破壊神の復活の知らせを受けて各国が勇者召喚を行ったらしい。
勇者召喚の術が伝わる国はこの国を囲うように存在する東西南北の4つの国家らしい。
この国には女神の寝所と呼ばれるダンジョンがあり、その関係か毎回聖女がこの国から現れるため召喚術は伝わっていないそうだ。
うん、勇者も聖女もいざとなったら戦力になるからね。国力が偏るのは良くないと勇者召喚の術が漏れないようにしているのだろう。
俺の前世での最後の記憶、教室のあの光が召喚術によるものだとしたら。クラスメイト達は4つの国のどこかにいるはずだ。
「だが、ノルド王国は勇者召喚に失敗したと聞いたぞ」
「ああ、四肢がバラバラになった状態だったらしい」
「可哀想なことを」
な、何ですと!!?
「オチデン連合国は召喚早々暗黒破壊神に攻め込まれて勇者が死んだって」
「召喚されたばかりはさすがの勇者であってもその辺の冒険者とそうは変わらんからな」
「あとはアスー皇国とオーリエン帝国が召喚した勇者か」
「何とか暗黒破壊神を倒してくれりゃあ良いけどな」
好き勝手に語られるその内容に戦慄する。
勇者を喪ったノルド王国とオチデン連合国とやらが再召喚をする気配はないのだと。そこから察するに召喚には何か制約があるのだろう。
居場所がはっきりすれば後は合流するだけだ。
だが、この状態じゃルシアちゃんも旅に出られないだろう。
せめて結界が張れれば話は別なのだが。そもそもその結界だって一度破られているから気休めにしかならない。
どうしたものか……。
その辺、国家間の協定でどっちから赴くかとか決めてないのかな?
明日おっとり国王から聞き出すか。
諦めていた本は、休憩中に少女が読んでくれた。
聖女チェチーリアが女神と会ってその力を授かり、慈愛でもって暗黒破壊神を浄化したという物語。
チェチーリアの浄化によって正気を取り戻した暗黒破壊神が男神として女神の下に還るというラブストーリーだった。
思わず「本当かよ」と突っ込んでしまったのは少女には内緒だ。
それでも、ルシアちゃんはもう起きていたし、街は活気に満ちていた。
「あ、おはようございますリージェ様。具合はいかがですか?」
『うむ、万全である』
昨日回復魔法かけてくれたし、起きたらばっちり全快だった。
昨夜の鶏の襲撃によって、再び救護院がいっぱいになってしまったらしい。
ルシアちゃんは早朝に呼ばれて一度治療を行ってきたのだそうだ。ご苦労様です。
「私はこの後また救護院に行きますが、リージェ様はどうします?」
『休まなくて大丈夫か?』
「ええ、治療を待っている人がたくさんおりますから」
あまり寝ていないだろうに、蒼い顔色で若干ふらつきながらも自分より他人を優先するのか。
仕方ない、本はお預けだな。
今にも倒れそうな少女を働かせて自分はまったり読書だなんて、高貴な男のすることじゃねぇ。
案の定、救護院についていくらも経たないうちにルシアちゃんがダウンしてしまった。
俺の回復魔法はルシアちゃんほどではないが、有り余るMPで回数だけならかけられる。延命くらいにはなるだろう。
「聖女様、しっかり」
『そのまま寝せておいてやってくれ。今起こした所でまた無理をするだけだ』
蓄積された疲労はともかく、MPは寝れば回復する。そうすれば、また自分を役立たずだと落ち込むことも無いだろう。
俺はシスターにルシアちゃんを任せると、ひたすら回復魔法をかけまくった。
今俺がいるのは救護院の一番奥。昨日の襲撃で死に瀕した人がたくさん寝かされていた。
軽症者は後回し。一度は患者が減ったというのに、野戦病院再びである。
重篤患者達をシスター達と手分けして回復を施していく。出血が収まり呼吸が安定したら次の患者へ。今優先すべきは一人一人完治させることではなく、死者をできるだけ出さないことだ。
昨日の鶏襲撃ではやはり多くの死者が出たらしい。
撃退できたのが奇跡だと、あの防衛戦に参加していたらしい冒険者たちによってここでももてはやされた。
ここにいると様々な情報が入ってくる。軽傷だった人や手伝いに来た人たちが口々にいろいろ喋っているからだ。
あの体色から、鶏が暗黒破壊神の召喚したモンスターじゃないか、って見抜いている奴もいた。
暗黒破壊神が復活したと言われているのは半年ほど前。先月漆黒の大蛇を街中に召喚して去るまでに実に20以上の村や町が滅んだらしい。
王都の人が逃げ出さないのは、逃げる先がないっていうのがほとんどのようだ。
聞いた話だと暗黒破壊神は人々の恐怖や絶望といった感情を食べて強くなるらしい。
度々街を襲っても壊滅させないのは、より恐怖を煽るためだと言っていた。
そして、そう言った暗黒破壊神にとってエネルギーとなる感情をあの漆黒のモンスター達が回収して運ぶのだろうと。
全ては推測に過ぎないが、【暗黒破壊神の欠片】なんてものが出てきた以上強ちでたらめとも言えないんだよな。
で。暗黒破壊神の復活の知らせを受けて各国が勇者召喚を行ったらしい。
勇者召喚の術が伝わる国はこの国を囲うように存在する東西南北の4つの国家らしい。
この国には女神の寝所と呼ばれるダンジョンがあり、その関係か毎回聖女がこの国から現れるため召喚術は伝わっていないそうだ。
うん、勇者も聖女もいざとなったら戦力になるからね。国力が偏るのは良くないと勇者召喚の術が漏れないようにしているのだろう。
俺の前世での最後の記憶、教室のあの光が召喚術によるものだとしたら。クラスメイト達は4つの国のどこかにいるはずだ。
「だが、ノルド王国は勇者召喚に失敗したと聞いたぞ」
「ああ、四肢がバラバラになった状態だったらしい」
「可哀想なことを」
な、何ですと!!?
「オチデン連合国は召喚早々暗黒破壊神に攻め込まれて勇者が死んだって」
「召喚されたばかりはさすがの勇者であってもその辺の冒険者とそうは変わらんからな」
「あとはアスー皇国とオーリエン帝国が召喚した勇者か」
「何とか暗黒破壊神を倒してくれりゃあ良いけどな」
好き勝手に語られるその内容に戦慄する。
勇者を喪ったノルド王国とオチデン連合国とやらが再召喚をする気配はないのだと。そこから察するに召喚には何か制約があるのだろう。
居場所がはっきりすれば後は合流するだけだ。
だが、この状態じゃルシアちゃんも旅に出られないだろう。
せめて結界が張れれば話は別なのだが。そもそもその結界だって一度破られているから気休めにしかならない。
どうしたものか……。
その辺、国家間の協定でどっちから赴くかとか決めてないのかな?
明日おっとり国王から聞き出すか。
諦めていた本は、休憩中に少女が読んでくれた。
聖女チェチーリアが女神と会ってその力を授かり、慈愛でもって暗黒破壊神を浄化したという物語。
チェチーリアの浄化によって正気を取り戻した暗黒破壊神が男神として女神の下に還るというラブストーリーだった。
思わず「本当かよ」と突っ込んでしまったのは少女には内緒だ。
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