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第一章 死神と呼ばれた男
襲来⑤
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「嘘だ……」
ルクスの口から言葉が漏れ出る。茫然とスヴァトブルグを見つめるその目は、動揺で揺れていた。カレラは、というとスヴァトブルグを見据えている。まっすぐ伸びた背筋は、彼女の強さを表しているかのようだった。
「嘘だ! 嘘だ! カレラが聖女だって!? 悪魔を封印してるだって? そんなことあるわけないだろ! そんなことあるわけ――」
慌てふためるルクスは思わずカレラを見た。その表情が、どこか申し訳なさそうに見えて、ルクスは思わず口を閉ざした。
「ごめん、ルクス……。ギルド長の言う通り。私は聖女。悪魔をこの身に宿している」
「そんな……」
カレラの告白に、ルクスは二の句が継げなかった。そんなルクスを後目に、カレラはルヴァトブルグに体を向ける。
「そこまで知られて隠すこともない。もう一度言うけど、私は聖女。それで、あなたは私に何を望むの? どうしてほしい?」
相変わらず堂々とした態度でカレラは問いかけた。
「神聖皇国では、お前の捜索依頼が出されているようだ。本来ならば、ここで保護をし神聖皇国に届けるべきなのだが……。そんな余裕はこの街にはない。すぐにここから出て行ってもらいたい」
スヴァトブルグは冷たく言い放った。その言葉は言い換えると、街を巻き込むな、ということだ。同時に、カレラの身をどうでもいいと思っているのと同義だった。ルクスは思わずギルド長を睨みつける。
「お前らにはわからなんだろうが、私はこの街の冒険者が支える立場だ。そして、このギルドや冒険者はドンガの街があるからこそ存在できている。そんな俺達が街の治安や安全を守ることには矛盾がない。だからこそ……それがたとえ、一人の少女にすべてを背負わせることになろうとも、俺はやらなければならない」
「そんなふざけたことって――」
思わず声を荒らげそうになったルクスを、カレラは手で制した。そして、ぎこちなくほほ笑むとスヴァトブルグに向かって告げる。
「わかった。すぐに出ていく。迷惑はかけない」
「感謝する」
カレラとスヴァトブルグ。双方の間では話がついたとばかりに、カレラは踵を返し扉に手をかけた。だが、その腕をルクスは掴んでいた。
「どうして行かなきゃならないんだ」
「私がいけばこの街は助かる」
「なんで、カレラだけが犠牲にならなきゃいけないんだ」
「私から漏れ出る瘴気が原因。むしろ、この街の人は巻き込まれただけ」
「でも、それでもっ――」
カレラの頑なな態度に、ルクスは説得する言葉を見つけられない。しかし、その手を放すことができないのはルクスの想いを表していた。困ったように顔をしかめるカレラだったが、ギルド長がそれを戒めることはなかった。
ルクスの口から言葉が漏れ出る。茫然とスヴァトブルグを見つめるその目は、動揺で揺れていた。カレラは、というとスヴァトブルグを見据えている。まっすぐ伸びた背筋は、彼女の強さを表しているかのようだった。
「嘘だ! 嘘だ! カレラが聖女だって!? 悪魔を封印してるだって? そんなことあるわけないだろ! そんなことあるわけ――」
慌てふためるルクスは思わずカレラを見た。その表情が、どこか申し訳なさそうに見えて、ルクスは思わず口を閉ざした。
「ごめん、ルクス……。ギルド長の言う通り。私は聖女。悪魔をこの身に宿している」
「そんな……」
カレラの告白に、ルクスは二の句が継げなかった。そんなルクスを後目に、カレラはルヴァトブルグに体を向ける。
「そこまで知られて隠すこともない。もう一度言うけど、私は聖女。それで、あなたは私に何を望むの? どうしてほしい?」
相変わらず堂々とした態度でカレラは問いかけた。
「神聖皇国では、お前の捜索依頼が出されているようだ。本来ならば、ここで保護をし神聖皇国に届けるべきなのだが……。そんな余裕はこの街にはない。すぐにここから出て行ってもらいたい」
スヴァトブルグは冷たく言い放った。その言葉は言い換えると、街を巻き込むな、ということだ。同時に、カレラの身をどうでもいいと思っているのと同義だった。ルクスは思わずギルド長を睨みつける。
「お前らにはわからなんだろうが、私はこの街の冒険者が支える立場だ。そして、このギルドや冒険者はドンガの街があるからこそ存在できている。そんな俺達が街の治安や安全を守ることには矛盾がない。だからこそ……それがたとえ、一人の少女にすべてを背負わせることになろうとも、俺はやらなければならない」
「そんなふざけたことって――」
思わず声を荒らげそうになったルクスを、カレラは手で制した。そして、ぎこちなくほほ笑むとスヴァトブルグに向かって告げる。
「わかった。すぐに出ていく。迷惑はかけない」
「感謝する」
カレラとスヴァトブルグ。双方の間では話がついたとばかりに、カレラは踵を返し扉に手をかけた。だが、その腕をルクスは掴んでいた。
「どうして行かなきゃならないんだ」
「私がいけばこの街は助かる」
「なんで、カレラだけが犠牲にならなきゃいけないんだ」
「私から漏れ出る瘴気が原因。むしろ、この街の人は巻き込まれただけ」
「でも、それでもっ――」
カレラの頑なな態度に、ルクスは説得する言葉を見つけられない。しかし、その手を放すことができないのはルクスの想いを表していた。困ったように顔をしかめるカレラだったが、ギルド長がそれを戒めることはなかった。
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