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第三章 スキルの力と金策と裏切り
十六
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エンドに売り上げを渡した一週間前。
彼の言葉に私はただただ驚くばかりだった。
世間知らずのぼんぼんかと思ったけど、そんなことはなかった。
彼は、私のことを細かく調べ上げていたのだ。
あそこまで知られているのであれば、きっと私が契約をごまかしていたことはバレている。
だからこそ、あの言葉は私には脅しにしか見えなかった。
――これ以上は許さない。
という脅し。
そうとしか思えなかったのだ。
だから、私にはそのあとの言葉が理解できなかった。
「ここまで伝えれば僕が何を言いたいかわかると思うんだ。けど、誤解しないで欲しいのは、脅してるわけじゃないってこと。僕はもしオリアーナが困ってたら助けたいって思ってる。だから、お互いに隠し事はなしにして、協力してやっていきたい。それを伝えたいって思ったんだよ」
どういうこと?
困っていたら助けたいって?
困ってるって言われたら、そうに違いない。
でも、あのことはさすがに知られていないはず。誰かにしられるほど、奴らは間抜けじゃないはずだから。
だから、言えない。
これがバレたら、私の生きる目的がなくなっちゃう。それだけは、絶対言えない。
言えないのだ……。
それに、このままお金をだまし取ることだって、私を助けることにつながる。
だから許してほしい。
あと少しなのだ。
あと少しで……私は、あの子を――。
あと少し。
そう思って耐えてきた。
あと少しで、このしがらみからも、呪縛からも逃れられると信じて。
だからどんなことだって我慢できたんだ。
人を騙すつらさも、見ないふりして突っ走ってこれた。
けど、こんなのってない。
こんなのってないよ!!
「どこ!? どこにあるのよ! 私の! 私のお金がない!!!」
どこを探しても、私がずっとためてきたお金が無くなっている。
それこそ、普通じゃない場所に隠してきたのに。
だれにも見つかるはずがない場所だったのに。
何か所にも隠してたそれが、全部なくなっているのだ。
あと少しだったのに。
そんな希望が、目の前でがらがらと崩れていくのを感じた。
こんなことをするのって。
私をこんなにも調べてる人って……。
そうだ。
あいつしかいない。
騙してた私に復讐したんだ!
だからって、私が今までためてきたお金ぜんぶを持っていくなんて信じられない!!
幸いにも、今日は待ち合わせの日だ。
だから、取り換えす。
何をしてでも。
なんとしても。
だから刺した。
すべてをやり直すために。
非力な私だけど、これだけやればきっと取り戻せる。
そう思ったけれど――。
彼の言葉に私はただただ驚くばかりだった。
世間知らずのぼんぼんかと思ったけど、そんなことはなかった。
彼は、私のことを細かく調べ上げていたのだ。
あそこまで知られているのであれば、きっと私が契約をごまかしていたことはバレている。
だからこそ、あの言葉は私には脅しにしか見えなかった。
――これ以上は許さない。
という脅し。
そうとしか思えなかったのだ。
だから、私にはそのあとの言葉が理解できなかった。
「ここまで伝えれば僕が何を言いたいかわかると思うんだ。けど、誤解しないで欲しいのは、脅してるわけじゃないってこと。僕はもしオリアーナが困ってたら助けたいって思ってる。だから、お互いに隠し事はなしにして、協力してやっていきたい。それを伝えたいって思ったんだよ」
どういうこと?
困っていたら助けたいって?
困ってるって言われたら、そうに違いない。
でも、あのことはさすがに知られていないはず。誰かにしられるほど、奴らは間抜けじゃないはずだから。
だから、言えない。
これがバレたら、私の生きる目的がなくなっちゃう。それだけは、絶対言えない。
言えないのだ……。
それに、このままお金をだまし取ることだって、私を助けることにつながる。
だから許してほしい。
あと少しなのだ。
あと少しで……私は、あの子を――。
あと少し。
そう思って耐えてきた。
あと少しで、このしがらみからも、呪縛からも逃れられると信じて。
だからどんなことだって我慢できたんだ。
人を騙すつらさも、見ないふりして突っ走ってこれた。
けど、こんなのってない。
こんなのってないよ!!
「どこ!? どこにあるのよ! 私の! 私のお金がない!!!」
どこを探しても、私がずっとためてきたお金が無くなっている。
それこそ、普通じゃない場所に隠してきたのに。
だれにも見つかるはずがない場所だったのに。
何か所にも隠してたそれが、全部なくなっているのだ。
あと少しだったのに。
そんな希望が、目の前でがらがらと崩れていくのを感じた。
こんなことをするのって。
私をこんなにも調べてる人って……。
そうだ。
あいつしかいない。
騙してた私に復讐したんだ!
だからって、私が今までためてきたお金ぜんぶを持っていくなんて信じられない!!
幸いにも、今日は待ち合わせの日だ。
だから、取り換えす。
何をしてでも。
なんとしても。
だから刺した。
すべてをやり直すために。
非力な私だけど、これだけやればきっと取り戻せる。
そう思ったけれど――。
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