回復チートで異世界を自由(スケベ)に生き残る!

にくうどん

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本編

21 楽園からの強制退出

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「――ちょっと!!! エル姉!!! 大丈夫なの!?」

 エルの仕事部屋のドアをスプリンター御姉様ことレイが、「ドンドン!」と力強くノックする。

 だが、楽園に辿り着いてしまったシロスケとエルにとっては、レイの呼びかけなど、どこか遠い世界の音でしかなかった。

 シロスケとエルは、お互いが溶け合い混ざり合うような快楽の中で、無我夢中で快感を貪り続けている。

 やがて、痺れを切らしたレイが、鍵のかかっていないドアを勢いよく開け放って、室内に飛び込んでくる。

 レイは、シロスケとエルがお互いに密着するように抱き合う異様な姿を前に、呆然と立ちすくんだ。

 エルは金色の長髪を振り乱し、その口からは、人の声とは思えない叫び声を漏れ出している。

「あぁぁああ!! いぃぃぃ!!! いぐいぐいっちゃううう!!!」

「エル姉!?」

 レイは、エルの連続絶頂による凄まじい喘ぎ声が、悲鳴に聞こえたらしく、慌てて駆けつけると、シロスケを後ろから羽交い締めにして、強引にエルから引き離した。

 エルの膣から勢いよく抜き放たれたシロスケの肉棒がぬらぬらと光る。

 ぐったりとしているエルの膣口は、ぱっくりと開いたままになっており、そこから、おびただしい量の白濁液が「どろり」と溢れ出してきた。

「う、嘘でしょ? 膣から精液がこぼれ出るって……、この男、一体、何発、エル姉の中に出したのよ!」

 レイは信じられないものを見るような目で、エルの中からこぼれおち、ベッドのシーツを汚す精液を見つめていた。




 …ん?

 あれ?

 いつのまに、俺はエルさんから離れたんだっけ?

 俺は誰かに羽交い締めされていることに気がついて、後ろに首を回すと、そこにはスプリンター御姉様の顔があった。

「あれ? どうしました?」

 スプリンター御姉様は俺への羽交い締めを解くと、ささっと、何か変な生き物から離れるかのような態度で離れた。

「――ど、どうしましたかじゃないわよ! 一体、どうなっているのよ! 長い時間、部屋から出てこないから、きっと、あんたがエル姉を励ましてくれているのかと思えば、途中から、変な叫び声が聞こえてくるし!!」

 スプリンター御姉様は声を荒げながら続ける。

「我慢をして待っていても、ずーーっと同じだし、なぜかエル姉は「助けて」と呼ばないし、仕方がないから今まで何とか我慢したけれども、もう限界だと思って入ってきたのよ!!」

「あー、そうでしたか。すいません、セックスに夢中だったもので」

「セ、セックスって、あんたね……」

 呆然と立ちすくむスプリンター御姉様をよそに、俺はベッドの上で尻もちをついた。

「ふいー、いやー、すごい楽しかったー」

 俺は「はふー」と心地よい深呼吸を繰り返す。

 エルさんはベッドの上で仰向けのまま、胸を大きく上下させつつ荒い呼吸を繰り返していた。

「は、はい……凄かったです……シロスケさん」

 エルさんは俺の回復魔法による補助のおかげで、初体験の絶頂をあれだけ繰り返したというのに、意識も体力も十分に元気そうだった。

 エルさんはむくりと起き上がると、枕元の箱からティッシュらしき薄いものを取り出し、自身の中から溢れ出している精液を拭う。

「凄い……これほど大量に中から溢れ出すなんて、初めて見たわ」

 エルさんの一言に、スプリンター御姉様も反応を示す。

「エル姉、それって、たぶん」

「ええ、体内に蓄積された魔素の排出が限界を迎えたせいで、行き場を失って出てきたのでしょうね」

 俺はエルさんの言葉の意味が分からず、二人に問いかける。

「どういう意味ですか?」

 即座に答えたのはスプリンター御姉様だった。

「普通、女性の中に出された男性の精液は、女性の魔素排出のために、すぐに吸収されてしまうの。つまり、女性の膣内が精液で汚れることなんてないし、それが、外に溢れ出すなんて、ほとんどあり得ないのよ」

 スプリンター御姉様の言葉の後を、エルさんが引き継いだ。

「つまり、私の体に蓄積されていた魔素は全て排出されたということです。その結果、必要としなくなった精液の吸収が鈍くなり、行き場を失って外へと溢れ出してきた……」

 エルさんは俺の右手を両手で包んで持ち上げると、ぎゅっと握りしめながら頬ずりしてくる。

「ありがとう、シロスケさん、本当にありがとう!」

 その瞳は光が大きく揺らぐほどに潤んでおり、エルさんは大感動しているようだった。

「えーと、お役に立てたのならば幸いです」

 俺のぼんやりした台詞に、スプリンター御姉様が呆れた声を出す。

「お役に立てた、なんてものじゃないわよ。あんた、エル姉の体内にあったかなりの蓄積量の魔素排出を「たった1回」で消し去ったのよ。こんなバカげた話、聞いたことがないわ。普通なら、複数回を何日にも渡って行う必要があるはずなんだから……」

「……レイ、シロスケさんの為にも、この事は」

「分かっているわよエル姉。こんなことが知れ渡ったら、こいつ、女達に狙われて大変な事になるわよ。ただ、例えこの話をした所で、信じてもらえるとは思えないけれどもね」

「そうね。こんな夢物語、誰も信じないでしょうね」

 ……なるほど。

 俺は、ふと、ある事に気がついた。

 俺は、自分が持つ回復チートが、「魔素排出」にだけは無力なのだと認識していた。

 だが、それは「直接的」に利用できないだけであって、「間接的」には有効だったのだ。

 つまり、女性というパートナーが必須とはなるが、俺は回復チートの力で、いくらでも射精ができることにより、自身の体内にある魔素を排出しまくれる。

 しかも、女性はそれを受けて、体内の「魔素排出」がいくらでも可能。

 性行為は必須とはなるが、この異世界における通常の「魔素排出」行程よりも、効率の良い排出が可能なのだ。

 確か、回復しまくった精力を一気に解き放つ力もあったと思うから、それを使えば、一回の大量射精で何回分もの「魔素排出」まで可能かもしれない。

 効率化だけを考えた場合、この応用かつ間接的な使い方をすれば、「魔素排出」に対しても十分に対抗できうる強力な力になりそうだ。

 しかし、そうか、それで、俺の回復魔法にだけ、特別に色々な効果が付属しているのか。

 ありがたい話だ。

 精力が回復する能力も、そのひとつ。

 更には、睡眠不足を回復する能力までもある。

 もしかして、大変ならば寝ずに励め、という意味なのか?

 いやはや、「これに何の意味が?」と思っていた付属効果が、実は重要のようだな。

 となると、実のところ、もういくつか能力が付属していたよな……。

 なんだっけか、回復しまくった精力を一気に解放するのもそうだし、他には、女性の快感を向上させたりとか、えーと、確か、女性の身体能力などを少しだけ成長させたりとかもあったような……。

 しかし、精液で女性を少しだけ成長させる……か。

 つまり、レベルアップ精液だな……、うん、なかなかのパワーワードだ。

 まー、役に立つ時がくるのかは知らないが、大は小を兼ねる、とも言うし、無いよりかは有った方がいいだろうさ。

 それに、この回復チートのおかげで、心ゆくまでセックスを楽しめそうなのは間違いない。

 エルさんは自身の掃除が終わったのか、俺のそばに近づいてくると、俺の汚れたおちんちんを両手で優しく丁寧に、というよりも、まるで「宝物」でも扱うかのように、ふきふきしてくれた。

 あー、なにこれ、恥ずかしいけど、なんか嬉しい。

 そんな、俺の掃除されているおちんちん棒を、スプリンター御姉様が自身の巨乳を挟み込むように腕を組みながら、目線だけで見下ろしている。

「……これがねー。でも、よくよく見てみると、射精がたくさんできるからといって、あまり大きくはないのね。あと皮かむりだし」

 な、ん、だ、と!?

 いくらスプリンター御姉様でも、俺の戦友をけなすとは許すまじ!

 娼婦さんがお客の立場である男性に対して、そんなことを「思っても」口に出してはダメだと思います!

 というか、そんなこと言うなよー。

「――レイ! シロスケさんに謝罪をしなさい!!」

 スプリンター御姉様の発言を「ぴしゃり!」と叱りつけるエルさん。

 さすが、北欧女神様です。

「ご、ごめんなさい」

 すぐに俺に対して頭を下げて謝るスプリンター御姉様。

 見た目とは違い、意外と素直だった。

 エルさんは一瞬だけ真剣な表情でスプリンター御姉様をたしなめたが、すぐに柔和な顔つきに戻ると、また俺のおちんちん棒の掃除を嬉しそうに始める。

「……レイ、シロスケさんのはね、普段は皮も被って、とてもかわいいけれども、勃起時には皮も剥けるし、更には普通の男性よりも一回りは大きくなるの」

「……え? これが、普通より大きくなるの? いや、でも、そういえば、さっき、エル姉から引き剥がした時は、確かに大きかったような……」

「ええ、なにせ、私の子宮を何度も何度も押しつぶしてくれましたから」

 エルさんは楽園でのひとときを思い出したのか、「ほぅ」と艶めかしいため息をつきながら、俺のおちんちんをふきふきし続けている。

「そして、何より、硬いのよ」

「かたい?」

「そう、鉄の棒のように硬い、そして熱いの。普通の男性は、普段もそれなりに大きいかわりに、勃起時もそれほどの硬さも、熱さも無いわ」

「そうね、確かに……」

「でも、シロスケさんのは硬くて熱いの。だから、入れられただけで、その熱さで中が溶けそうになるの。そして、硬いからこそ突かれる度に、あちこちが突き破られそうになるし、更には、亀頭の出っ張りもしっかりしているから、中をゴリゴリと削ってくれるのよ!」

 俺は、いつのまにか顔を両手で覆っていた。

 よくよく考えたら、何だこの状況。

 北欧女神様のエルさんに、おちんちんを拭かれているのも恥ずかしいが、その行為を、まだ会ってすぐのスプリンター御姉様に見られているのも恥ずかしい。

 更には、エルさんが俺のおちんちんの論評を語りつつ、熱くその凄さを力説している。

 やめて、スプリンター御姉様に熱く語るの、やめて。

 褒められているから嬉しいけれども、やめて。

 エルさんは俺のおちんちんの掃除を終えると、自分は下半身裸のままで、俺の上着、トランクス、ズボンをかいがいしく着せてくれる。

 そして、自分のショーツやミニスカを、綺麗かつ色っぽい所作で履きながら身支度を整えると、俺の腕に、エルさんは自分の腕を絡ませて体を寄せてくる。

 大きなおっぱいが腕に当たって気持ち良い。

「シロスケさん、今日は本当にありがとう。外までご案内しますね」

「は、はい」

 スプリンター御姉様は「ふん」と鼻息をひとつ鳴らすと、さっさと部屋から出ていき、自身のショーウィンドウ室へと帰っていった。

 俺とエルさんは、その後に続き、店の出口に向かって廊下をゆっくりと歩く。

「シロスケさん。また私を指名してくれますか?」

「も、もちろんですとも!」

「まぁ、嬉しい!」

 エルさんが俺の肩に頭を寄せて乗せてくる。

「ああ、そうだ」

 俺は廊下の途中で足を止める。

「どうしました?」

「そう言えばエルさんに、聞きたいことがありました」

「はい、何でしょう?」

 俺とエルさんは腕を組み合うという至近距離で見つめ合う。

「娼婦さんって、毎日、指名しても良いのでしょうか?」

「もちろん、大丈夫ですよ」

「ちなみに、1日で朝昼晩、と通うのは大丈夫なのでしょうか?」

「男性は普通、一回の射精で大満足らしいので、まず、そういう連続指名はありませんね」

「……そうですか」

「ただ、娼婦は1日に3~5名、もしくは、それ以上を受けることもあります。その枠内であれば、それが全てシロスケさんであっても、文句を言う娼婦はいないと思いますよ」

「なるほど」

「ただし、それは私のような指名の少ない娼婦の場合、ですね」

「え?」

「つまり、人気のある娼婦を長期間に渡って完全に独占する、というのは少し難しいかもしれませんね。それぞれの娼婦が抱えている大事な常連客を放っておく行為は、娼婦達にとっても致命的ですから、指名を拒否される可能性は大きいと思います」

 あー、確かに。

 俺が娼婦さんを独占して遊び終えた後、かつての常連客達が離れてしまっていた、では、娼婦さんが大変なことになるものな。

 エルさんは、「自分のような指名が少ない娼婦は大丈夫」とは言ってくれたが、他の指名が少ない娼婦さんでも、きちんと配慮をした方が良さそうだな。

「……でも、シロスケさんは女性を楽園に連れていける人ですから、娼婦達から人気が出るのは間違いないと思います。たぶん、常連客を捨ててでも、貴方が欲しいと思う娼婦もたくさんいるはずですよ」

 エルさんは少しだけ真剣な表情をしていた。

「……は、はい」

「もちろん、全てはシロスケさんの自由です。でも、もし、力の調整が可能なのでしたら、気に入った娼婦以外には使わない方が良いと思います。きっとお互いに不幸になるでしょうから」

 さすが、百戦錬磨の元・三ツ星娼館No1であるエルさん、アドバイスが的確だ。

 そして、エルさんは真剣な表情を止めると、ニコリと優しく微笑んでくれる。

「逆に、もし気に入った娼婦が見つかったならば、まずは楽園の存在を娼婦には見せるべきでしょうね。その後ならば、シロスケさんが連続指名をしたとしても、それを嫌がる娼婦などいないと思います」

「ほうほう」

 勉強になります。

「でも、私の所にも遊びに来て下さいね?」

「そ、それはもちろん! あのクズな客達の代わりになる、という約束は破りません!」

「――嬉しい!!」

 エルさんが俺を腕を「ぎゅ」っと抱きしめてきた。

 大きなおっぱいが腕にむぎゅーだ、最高。

 俺は楽園の快感の余韻と、エルさんの愛情たっぷりのお見送りで頭がぽんやりとしており、そのまま、良い気分のままお店から外に出た。

 ああ、外に満ちている夜の少しひんやりとした空気がおいしい。

 俺が娼館キャンドルライトに振り返ると、エルさんが胸前でかわいらしく手を振ってくれている。

 俺も、手を振りつつ、その場を離れた。

 ああ、俺のこれからの異世界ライフ、最高そうだわ。

「……って、ああっ!?」

 俺は娼館キャンドルライトから離れながら、大事な事を思い出した。

 何を浮かれてるんだ俺!

 俺はエルさんと過ごした「楽園の時間」を深く考えることができていなかった。

 た、確か、かなり没頭していたよな?

 指名した30分以内ってことだけは無いはずだ。

 つまり、俺は、きちんと延長料金を払っていないのだ。

 俺は慌てて、俺の背中が見えなくなるまで見送るつもりそうなエルさんの元に、恥ずかしながらも駆け足で戻った。

「ど、どうしたのシロスケさん?」

「エ、エルさん、俺、延長料金を払ってませんでした! どれだけ延長をしましたかね俺!?」

 エルさんは「うふふ」と優しく微笑むと、俺の両頬をさすさすしてくれる。

「延長などしておりませんよ」

「え? でも、確かに……」

「しておりませんよ」

 エルさんはやんわりと俺の言葉の続きを止めると、優しく微笑んでくれる。

 ああ、これ以上は、野暮になるのだな、と俺は思った。

「……分かりました」

「はい」

「では、また必ず来ますから!」

「はい、お待ちしておりますシロスケさん」

 俺は、今度こそ娼館キャンドルライトから離れると、何度も何度も振り返りながらエルさんに小さく手を振った。

 エルさんも、俺の姿が見えなくなるまでずっとずっと手を振り返してくれたのだった。
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