118 / 158
第五章
1.人間宣言 その②:――そういう眼をしたッ!
しおりを挟む
「未練? そんなもの……」
ムキになって言い返そうとする私をロクサーヌは優しく押しとどめる。
「先程、貴方は『この国には良いところがない』と仰りましたが、探せば二つ三つぐらいはある筈ですわ」
「でも、アンタは出ていくんでしょ?」
「はい」
恥ずかしげもなく、ロクサーヌは平然と答えた。こうも潔く言い切られては意地悪く論うこともできない。
「そもそも、わたくしにはこの国の礎になる気などさらさらありませんでしたわ。終の棲家とすべく環境を整える程度の努力は致しましたが、それも所詮は弥縫策に過ぎず、この国は動乱の時代へ突入しようとしています。家族のことを思うと、やはりガリアへ行く以外の選択は考えられませんわ」
しかし――と、ロクサーヌは続ける。
「貴方の心の中では、もう答えが決まっているようですわね」
「……そうかな」
「そうですわ。無理矢理に連れ出すことも考えていましたが、そういうことなら話は別です」
ロクサーヌは吹っ切れたような顔をして立ち上がった。もう、行くのか。行ってしまうのか。しかし、引き留めようにも言葉が出てこなかった。
「お節介かもしれませんが……ご自分を見つめ返したいのなら、マネさんを召喚してお話することですわ」
「……考えとく」
マネの説教を厭うて、身体が治ってからはもうずっと召喚していない。人前ではともかく、二人きりの時は結構うるさかったのが急に居なくなったものだから、ふとした時に身体を包むマネの感触がないことを寂しく感じなくもない。だが、わざわざ手間暇かけて再召喚したいかというと、そうでもなかった。
いつの間にか眼の前まで歩み寄ってきていたロクサーヌが軽く私を抱擁する。華のような香水の匂いがふわっと私を包んだかと思うと、その直後にはロクサーヌはもう私から離れていた。
「それでは、ご達者で」
「……ロクサーヌも、どうか元気でね」
別れを惜しむこともなく、言葉少なにロクサーヌは部屋の扉へ向かって歩み出す。
これが、今生の別れとなるかもしれない。ロクサーヌがあの扉を閉めたが最後、私たちは二度と会うことはないのかもしれない。
そう思うと、その背中に縋り付きたくなった。恥も外聞もかなぐり捨てて泣き喚き、「やっぱり一緒に行きたい」と懇願すれば今からでも仲良く一緒に亡命できるだろう。
しかし、今まさに扉を開けてその向こうへ消えて行こうとするロクサーヌの背中には、かつて見た山を思わせるほどの雄大さは欠片もなく、ただ等身大の「ロクサーヌ」があるだけだった。
それを見ていると、情けない衝動もたちまち霧散した。
「ねえ、待って」
私は枕元の硬貨が詰まった麻袋を引っ掴み、こちらへ振り返ったロクサーヌに投げ渡した。
「これは?」
「餞別よ、少ないけど路銀の足しにはなるでしょ」
ロクサーヌは無言で私を見詰め、「良いのか」と視線で問いかけてくるので、私は間髪入れずに頷いた。これぐらいしか、今の私がロクサーヌのためにしてやれることはない。どうせ、私が持っていても酒に費やすだけだ。
「くれるというのなら、遠慮なく貰っていきますわ。……それでは」
「うん、じゃあ……」
バタン――と閉め切られた静かな部屋の中で、私は一人遠ざかるロクサーヌの足音に耳を傾け、それがすっかり聞こえなくなると枕を抱えてベッドに突っ伏した。
一人でいる時は、考えなくても良いことを考えてしまう。
暗澹たる予測しか立たない将来のこと、一向に改善する気配のない混沌とした現在のこと、そして今さら取り返しのつかない過去の失態のこと。考えてどうなるというものでもない。なるようにしかならない。
しかし、酒が切れると私の脳内はもうそればかりだった。
暫くそうしていると、ドタドタと足音がやってくる。
「はぁ、はぁ……買ってきたよ!」
阿呆が帰ってきたことで私の思考は一時寸断された。
本当に買ってきたのか。よくこの時間に店が開いていたなと思ったが、外を見るともうだいぶ陽が上がっていた。気付かぬうちに結構な時間考え込んでいたようだ。
起き上がって手を差し出すとズシリと中身の詰まった酒瓶が手渡された。ラベルを破り、枕元に常備している栓抜きでコルク栓を抜く。すると中からふわっと香る酒の匂いが鼻先をかすめた。安酒だ。
私はぐびぐびと酒を煽りながら、差し出されたままの男の手を見て、「あっ」と気づく。さっきロクサーヌに金を渡してしまったから、今の私は無一文だった。
(まあ、どうでもいいか……そんなこと)
これは良い機会ではないかと、そう思った私は男の手を強めに叩いた。
「ねえ、もう会いに来ないでくれる?」
「えっ……ど、どういうことだよ?」
「うーん」
こういう場面は何度も経験しているが、毎回毎回どうにも上手い言葉が出てこない。まあ、別に上手くやる必要もないのだけれど。
「何ていうか……邪魔? アンタのことが邪魔になった。だから~……もう終わりにしましょうってこと」
「い、いきなり過ぎるよ!」
面倒くさ。
「せめて、訳を話してよ。俺とリンの仲じゃあ――」
「――馴れ馴れしい!」
これまでの経験から、強引にでも追い出してしまえばどうせ私の許可なく学生寮にまで侵入することはできないと知っている。なので、私は杖とカラギウスの剣を振りかざして、分かりやすく男を威嚇する。
「アンタのその汚いツラもいい加減に見飽きたって言ってんのよ! 無残な死体になりたくなかったら、さっさとその扉の向こうへ消えて二度と顔を見せないで!」
「……クソッ! 呪われろ、売女め!」
その瞬間――私は眼を見開いた。
『腕のホルマリン漬けなんて部屋に飾りやがって、ずっと気色悪いと思ってたよ! 勃つものも勃《た》たない! それでもお前が魔女見習いだから、ステータスと思って抱いてやったんだ! そうでもなきゃお前みたいな傷女、誰が――!』
「――そういう眼をしたッ!」
期せずして、振りかざした剣は威嚇ではなくなった。ちょうど斬りやすいところにあった男の右手指を何本か斬り落とす。
「ぎゃあああああああああ!」
「ホルマリン漬けの何が悪い。あれはヘレナの腕なんだけど」
「ま、まって……! な、なにを言っているんだ……!」
続いて身を守るように突き出された左手指も斬り落とし、両手を抱えて蹲る男の尻を蹴って扉の方へ向かわせる。すると、男はドタバタと床に頭を擦りつけながら、泡を食って部屋を飛び出ていった。
ちょっと滑稽に思ったが、笑いは少しも出なかった。
「酒代、浮いちゃった。ちょっと得した気分」
もともとアイツは酒場で適当に引っ掛けただけの男。よく考えたら名前も知らないし、未練もなにもない。
(……未練、か)
ロクサーヌの言葉がふと蘇ってきた。
未練……私はこの国に未練を感じているのだろうか? 自覚はないし、考えてもそれらしい感情は全く見当たらない。マネに聞けば、いくらか客観的な意見が聞けるかもしれないが、どうにも召喚する気が起きない。
「……全然、酔えない……」
男が買ってきた酒を呑みながら、私は陽が暮れるまで未練について考え続けたが、納得のゆく結論は出なかった。
ムキになって言い返そうとする私をロクサーヌは優しく押しとどめる。
「先程、貴方は『この国には良いところがない』と仰りましたが、探せば二つ三つぐらいはある筈ですわ」
「でも、アンタは出ていくんでしょ?」
「はい」
恥ずかしげもなく、ロクサーヌは平然と答えた。こうも潔く言い切られては意地悪く論うこともできない。
「そもそも、わたくしにはこの国の礎になる気などさらさらありませんでしたわ。終の棲家とすべく環境を整える程度の努力は致しましたが、それも所詮は弥縫策に過ぎず、この国は動乱の時代へ突入しようとしています。家族のことを思うと、やはりガリアへ行く以外の選択は考えられませんわ」
しかし――と、ロクサーヌは続ける。
「貴方の心の中では、もう答えが決まっているようですわね」
「……そうかな」
「そうですわ。無理矢理に連れ出すことも考えていましたが、そういうことなら話は別です」
ロクサーヌは吹っ切れたような顔をして立ち上がった。もう、行くのか。行ってしまうのか。しかし、引き留めようにも言葉が出てこなかった。
「お節介かもしれませんが……ご自分を見つめ返したいのなら、マネさんを召喚してお話することですわ」
「……考えとく」
マネの説教を厭うて、身体が治ってからはもうずっと召喚していない。人前ではともかく、二人きりの時は結構うるさかったのが急に居なくなったものだから、ふとした時に身体を包むマネの感触がないことを寂しく感じなくもない。だが、わざわざ手間暇かけて再召喚したいかというと、そうでもなかった。
いつの間にか眼の前まで歩み寄ってきていたロクサーヌが軽く私を抱擁する。華のような香水の匂いがふわっと私を包んだかと思うと、その直後にはロクサーヌはもう私から離れていた。
「それでは、ご達者で」
「……ロクサーヌも、どうか元気でね」
別れを惜しむこともなく、言葉少なにロクサーヌは部屋の扉へ向かって歩み出す。
これが、今生の別れとなるかもしれない。ロクサーヌがあの扉を閉めたが最後、私たちは二度と会うことはないのかもしれない。
そう思うと、その背中に縋り付きたくなった。恥も外聞もかなぐり捨てて泣き喚き、「やっぱり一緒に行きたい」と懇願すれば今からでも仲良く一緒に亡命できるだろう。
しかし、今まさに扉を開けてその向こうへ消えて行こうとするロクサーヌの背中には、かつて見た山を思わせるほどの雄大さは欠片もなく、ただ等身大の「ロクサーヌ」があるだけだった。
それを見ていると、情けない衝動もたちまち霧散した。
「ねえ、待って」
私は枕元の硬貨が詰まった麻袋を引っ掴み、こちらへ振り返ったロクサーヌに投げ渡した。
「これは?」
「餞別よ、少ないけど路銀の足しにはなるでしょ」
ロクサーヌは無言で私を見詰め、「良いのか」と視線で問いかけてくるので、私は間髪入れずに頷いた。これぐらいしか、今の私がロクサーヌのためにしてやれることはない。どうせ、私が持っていても酒に費やすだけだ。
「くれるというのなら、遠慮なく貰っていきますわ。……それでは」
「うん、じゃあ……」
バタン――と閉め切られた静かな部屋の中で、私は一人遠ざかるロクサーヌの足音に耳を傾け、それがすっかり聞こえなくなると枕を抱えてベッドに突っ伏した。
一人でいる時は、考えなくても良いことを考えてしまう。
暗澹たる予測しか立たない将来のこと、一向に改善する気配のない混沌とした現在のこと、そして今さら取り返しのつかない過去の失態のこと。考えてどうなるというものでもない。なるようにしかならない。
しかし、酒が切れると私の脳内はもうそればかりだった。
暫くそうしていると、ドタドタと足音がやってくる。
「はぁ、はぁ……買ってきたよ!」
阿呆が帰ってきたことで私の思考は一時寸断された。
本当に買ってきたのか。よくこの時間に店が開いていたなと思ったが、外を見るともうだいぶ陽が上がっていた。気付かぬうちに結構な時間考え込んでいたようだ。
起き上がって手を差し出すとズシリと中身の詰まった酒瓶が手渡された。ラベルを破り、枕元に常備している栓抜きでコルク栓を抜く。すると中からふわっと香る酒の匂いが鼻先をかすめた。安酒だ。
私はぐびぐびと酒を煽りながら、差し出されたままの男の手を見て、「あっ」と気づく。さっきロクサーヌに金を渡してしまったから、今の私は無一文だった。
(まあ、どうでもいいか……そんなこと)
これは良い機会ではないかと、そう思った私は男の手を強めに叩いた。
「ねえ、もう会いに来ないでくれる?」
「えっ……ど、どういうことだよ?」
「うーん」
こういう場面は何度も経験しているが、毎回毎回どうにも上手い言葉が出てこない。まあ、別に上手くやる必要もないのだけれど。
「何ていうか……邪魔? アンタのことが邪魔になった。だから~……もう終わりにしましょうってこと」
「い、いきなり過ぎるよ!」
面倒くさ。
「せめて、訳を話してよ。俺とリンの仲じゃあ――」
「――馴れ馴れしい!」
これまでの経験から、強引にでも追い出してしまえばどうせ私の許可なく学生寮にまで侵入することはできないと知っている。なので、私は杖とカラギウスの剣を振りかざして、分かりやすく男を威嚇する。
「アンタのその汚いツラもいい加減に見飽きたって言ってんのよ! 無残な死体になりたくなかったら、さっさとその扉の向こうへ消えて二度と顔を見せないで!」
「……クソッ! 呪われろ、売女め!」
その瞬間――私は眼を見開いた。
『腕のホルマリン漬けなんて部屋に飾りやがって、ずっと気色悪いと思ってたよ! 勃つものも勃《た》たない! それでもお前が魔女見習いだから、ステータスと思って抱いてやったんだ! そうでもなきゃお前みたいな傷女、誰が――!』
「――そういう眼をしたッ!」
期せずして、振りかざした剣は威嚇ではなくなった。ちょうど斬りやすいところにあった男の右手指を何本か斬り落とす。
「ぎゃあああああああああ!」
「ホルマリン漬けの何が悪い。あれはヘレナの腕なんだけど」
「ま、まって……! な、なにを言っているんだ……!」
続いて身を守るように突き出された左手指も斬り落とし、両手を抱えて蹲る男の尻を蹴って扉の方へ向かわせる。すると、男はドタバタと床に頭を擦りつけながら、泡を食って部屋を飛び出ていった。
ちょっと滑稽に思ったが、笑いは少しも出なかった。
「酒代、浮いちゃった。ちょっと得した気分」
もともとアイツは酒場で適当に引っ掛けただけの男。よく考えたら名前も知らないし、未練もなにもない。
(……未練、か)
ロクサーヌの言葉がふと蘇ってきた。
未練……私はこの国に未練を感じているのだろうか? 自覚はないし、考えてもそれらしい感情は全く見当たらない。マネに聞けば、いくらか客観的な意見が聞けるかもしれないが、どうにも召喚する気が起きない。
「……全然、酔えない……」
男が買ってきた酒を呑みながら、私は陽が暮れるまで未練について考え続けたが、納得のゆく結論は出なかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主』
雪奈 水無月
ファンタジー
魔物大侵攻《モンスター・テンペスト》で父を失い、十五歳で領主となったロイド。
荒れ果てた辺境領を支えたのは、幼馴染のメイド・リーナと執事セバス、そして領民たちだった。
十八歳になったある日、女神アウレリアから“祝福”が降り、
ロイドの中で《スキル職人ガチャ》が覚醒する。
ガチャから現れるのは、防衛・経済・流通・娯楽など、
領地再建に不可欠な各分野のエキスパートたち。
魔物被害、経済不安、流通の断絶──
没落寸前の領地に、ようやく希望の光が差し込む。
新たな仲間と共に、若き領主ロイドの“辺境再生”が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる