復讐の異世界転生者~異世界転生したけど魔法が使えず、貧乏で武器も買えないので気功で最強になって無双します。虐げた奴らに復讐だ!~

ボルトコボルト

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猫の王国

第49話 迷宮から放り出された

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迷宮『猫の穴』最深部地下100階。
ボス部屋。

俺達は4人で地下100階まで来た。
魔抜けで人間の俺ショータ。
黒猫のケット・シーのペロ。
『疾風』エルフのエリ。
『風刃』ハーピーのハルカ。

ドラゴンのドラムと戦い、致命傷を負わせ止《とど》めを刺そうとしたら、ドラムが命乞いをしてきた。

俺達は取り敢えず話を聞く為、ドラムの顔の前に並んで向かい合った。

ドラムが話し始めた。
「儂は居眠りしていたら、いつの間にか此処に連れて来られた。迷宮で生まれた魔物では無いのだ。」

「だから?」

「・・・殺さないでくれ。」

「アタシ達はいきなりブレスで殺されるところだったにゃ。」
ペロはジト目でドラムを見る。

「あの時は操られていたのだ。この部屋に入って来た者を殺す様に身体が勝手に動いた。」

「と言われても、僕達に貴方を助ける理由は無いね。ドラゴンの肉を食べたいしね。ジュルッ。」
ハルカは涎《よだれ》を拭う。
ハルカは食に貪欲だね。

「ドラゴンの素材も欲しいのじゃ。」
エリは両手をワキワキしてる。

「強い敵を倒して経験値を取得し、レベ上げする為に迷宮に来たからなぁ。
・・・経験値になってくれ。」
俺は素知らぬ顔でドラムを見ながら淡々と言う。

「待ってくれぇ!」
ドラムは俺とハルカとエリは情で説得出来ないと知りペロに顔を向ける。

「可哀想だとは思うがにゃ。アタシはショータの意見に従うにゃ。」
ペロは俺を見た。

「俺達の目的を果たさない事にする程のメリットは無さそうだな。」

「いや、待ってくれまだ死にたくない。儂はまだ若いこれからのドラゴンなのだ。・・・そうだ、儂を従魔にしても良いぞ。」

「なんか上から目線じゃのう。」

「儂を従魔にして下さい。」

「従魔にするメリットはあるのかい?」

「戦力として充分だろう。空も飛べるし、どこにでも乗せて行くぞ。」

「戦力としては俺の方が強いし、乗り物も竜型ガーゴイルがいるしなぁ。
何より大きいから目立って、連れて歩くと面倒になりそうだ。」

ドラムは渾身の魔法で身体を小さくし、小鳥ぐらいの大きさに変わった。

「これならどうだ。一緒にいても大丈夫だろう。」

「え!肉《・》が小さくなった。」
ハルカが驚いた。
って言うか驚くところそこ・・ですか。

「はぁ、しょうが無いなぁ。会話しちゃったから、今更止めを刺すのも気が引けるよな。エリ、従魔契約の魔法は使える?」
「儂が使えるぞ!」
「ドラムは黙ってて!」
「はい・・・。」

「従魔契約魔法を使えるのじゃ。」
エリは残念そうに答える。

「じゃあ、契約しようか。」
「主様を主にして絶対的な主従関係を構築するのじゃ。」

エリは何やら詠唱すると魔法陣が俺とドラムの足下に現れた。

俺とドラムの間に光る線が繋がり、やがて消えていく。

従魔契約が完了した。

「ついでにパーティー契約もするか、エリ、パーティー契約も出来る?」

「出来るのじゃ。」

ドラムをパーティーに参加する魔法をエリにかけて貰った。

「あぁ、ドラゴンの肉がぁ・・・。」
ハルカは残念そうだ。
両手を地面に付いてガッカリしてる。

エリは竜型ガーゴイルをアイテムバッグに収納した。

俺はドラムに気を込めて怪我を回復させる。

ペロは辺りを見回し宝箱を探す。

その時、床に怪しい魔方陣が浮き上がった。

床が揺れる。

100階のボス部屋全体が光った。

光が収まると俺達とドラムは迷宮の入口にいた。

俺達は迷宮を放り出されたみたいだ。
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