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第11話 冒険者ギルド1
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冒険者ギルドの入口で、Cランク冒険者である大男のロカンが、ソウタの奥襟を掴んで持ち上げている。
ソウタはちょっとづつ怒りが沸き上がってきた。この大男に何をされるか分からない、怖いと言えば怖いのだが。
(俺が何をした? 特に何も悪さをした覚えがないぞ。ただ、冒険者に絡まれるのを恐れて、隠れながら冒険者ギルドにきただけだ)
ロカンはソウタの顔を見ていて、怖くて下を向いていたソウタも大男の顔を見た。
ロカンは不思議そうにソウタを見ている。敵意は無いようだが。
(あまりにも理不尽だ。自分に力があれば、こんな奴、やっつけてやるのだが……)
その時、ソウタの心の奥に湧き始めた怒りを感じとったのか、リャンゾウが動いた。
リャンゾウの身体が一瞬光った。
閃光。
ロカンは腰が砕けた様に、崩れる様に倒れた。
ソウタは地面に降りて大男を見ると、ロカンは白目で気絶していた。
「リャンゾウがやったの?」
リャンゾウは得意げの表情をして頷く。
「リャンゾウ、有り難う。」
ソウタはロカンをこのままにして置くのは、ギルドに入るのが邪魔なると思い、入口の扉の横に気絶したロカンを移動した。そして、冒険者ギルドの扉を開ける。
冒険者ギルドに入ると、正面は受付のカウンターがあって、3人の受付が座っていた。3人の内2人は綺麗な女性、1人は暗そうな眼鏡のおじさんだった。
おじさんの受付は空いていたが、当然おじさんの受付はスルーして。綺麗な女性の受付嬢の列の最後尾に並ぶ。
やっぱり優しいお姉さんに、受付して貰った方がい良いしね。
まあ、そんなに並んでいる人が多く無かったと言う事もあるけど、見知らぬ成人男性と話すのはちょっと怖いんだ。
ソウタの順番となって、受付嬢の前に進んだソウタを見て、受付嬢はちょっと驚いた顔になったが、直ぐに優しい笑顔で。
「初めてお会いしますね。冒険者ギルドへようこそ、受付のカモリナです。今日はどの様なご用でしょうか?」
受付嬢のネームプレートには『カモリナ・ガセイ』と書いてあった。
カモリナはグレーの大きめのマリンキャップを被った。切れ長の目が魅力的な可愛く優しそうな女性だ。
「ヤコイケ村のソウタと申します。冒険者登録と、この子の従魔登録に来ました」
(ほっ、緊張したけどちゃんと言えたぞ)
ソウタが雷獣のリャンゾウを紹介すると、リャンゾウがカウンターの上に顔だけ出して、円らな瞳でカモリナを見詰める。
「きゃぁ、かわいー」
思わず声を出すカモリナ。
ソウタはカモリナの声を無視して、村長から貰った証明書もカウンターに提示した。
「これを確認してください」
「あ、すいません。証明書ですね」
頬を赤くして証明書を受け取り確認するカモリナ。
「種別は不明で名前はリャンゾウちゃん……。問題ありませんでしたので、この内容で冒険者登録と従魔登録をしますが、ソウタさんの職業は何でしょうか?」
「職業ですか……?」
(俺の職業って何だろう、剣士ではないし、魔法も使えないし……)
ソウタはちょっとづつ怒りが沸き上がってきた。この大男に何をされるか分からない、怖いと言えば怖いのだが。
(俺が何をした? 特に何も悪さをした覚えがないぞ。ただ、冒険者に絡まれるのを恐れて、隠れながら冒険者ギルドにきただけだ)
ロカンはソウタの顔を見ていて、怖くて下を向いていたソウタも大男の顔を見た。
ロカンは不思議そうにソウタを見ている。敵意は無いようだが。
(あまりにも理不尽だ。自分に力があれば、こんな奴、やっつけてやるのだが……)
その時、ソウタの心の奥に湧き始めた怒りを感じとったのか、リャンゾウが動いた。
リャンゾウの身体が一瞬光った。
閃光。
ロカンは腰が砕けた様に、崩れる様に倒れた。
ソウタは地面に降りて大男を見ると、ロカンは白目で気絶していた。
「リャンゾウがやったの?」
リャンゾウは得意げの表情をして頷く。
「リャンゾウ、有り難う。」
ソウタはロカンをこのままにして置くのは、ギルドに入るのが邪魔なると思い、入口の扉の横に気絶したロカンを移動した。そして、冒険者ギルドの扉を開ける。
冒険者ギルドに入ると、正面は受付のカウンターがあって、3人の受付が座っていた。3人の内2人は綺麗な女性、1人は暗そうな眼鏡のおじさんだった。
おじさんの受付は空いていたが、当然おじさんの受付はスルーして。綺麗な女性の受付嬢の列の最後尾に並ぶ。
やっぱり優しいお姉さんに、受付して貰った方がい良いしね。
まあ、そんなに並んでいる人が多く無かったと言う事もあるけど、見知らぬ成人男性と話すのはちょっと怖いんだ。
ソウタの順番となって、受付嬢の前に進んだソウタを見て、受付嬢はちょっと驚いた顔になったが、直ぐに優しい笑顔で。
「初めてお会いしますね。冒険者ギルドへようこそ、受付のカモリナです。今日はどの様なご用でしょうか?」
受付嬢のネームプレートには『カモリナ・ガセイ』と書いてあった。
カモリナはグレーの大きめのマリンキャップを被った。切れ長の目が魅力的な可愛く優しそうな女性だ。
「ヤコイケ村のソウタと申します。冒険者登録と、この子の従魔登録に来ました」
(ほっ、緊張したけどちゃんと言えたぞ)
ソウタが雷獣のリャンゾウを紹介すると、リャンゾウがカウンターの上に顔だけ出して、円らな瞳でカモリナを見詰める。
「きゃぁ、かわいー」
思わず声を出すカモリナ。
ソウタはカモリナの声を無視して、村長から貰った証明書もカウンターに提示した。
「これを確認してください」
「あ、すいません。証明書ですね」
頬を赤くして証明書を受け取り確認するカモリナ。
「種別は不明で名前はリャンゾウちゃん……。問題ありませんでしたので、この内容で冒険者登録と従魔登録をしますが、ソウタさんの職業は何でしょうか?」
「職業ですか……?」
(俺の職業って何だろう、剣士ではないし、魔法も使えないし……)
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