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第19話 草毟り2
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「『草毟り』の野郎がDランクに昇格したんだってよ」
「え? モンスターも狩れない野郎が?」
「おかしいだろう? 常設薬草採取しかしねえのに、昇格するなんて」
「受付のカモリナさんに気に入られているからなぁ。」
「ちっ、生意気な奴だ」
と冒険者がソウタの事を噂をしていた。
当然誤解である。一角兎のアルミラージやゴブリンやコボルト、オークも薬草を採取しながら、雷獣のリャンゾウが狩っている。
その素材の殆どは錬金術師コエザや、食用の肉はいつもお世話になっている宿屋に渡していて、ギルドに提出していないだけだ。
そして、ソウタの担当になったカモリナは、寧ろソウタのお陰で、最上級の薬草を定期的に受付している事で評価がうなぎ登りになっているのだ。
もっともソウタからすると、カモリナ以外の受付とは、話が出来ないので、カモリナが担当になっているだけなのだが……。
ある日、偶々、受付嬢のカモリナに、こう言われたソウタ。
「ソウタくん、リャンゾウちゃんはモンスターを狩れるんでしょ? 常設依頼のゴブリンやコボルトを討伐して納品すれば、Dランクに昇格出来るんだけどね」
その時、コエザさんに渡す前のゴブリンやコボルトの魔石を持っていたソウタが。
「これで良いの?」
ってカウンターの上にゴブリンとコボルトの魔石を山の様に出した。
「えええ! モンスターも狩ってたの? それならそうと早く言ってよ」
驚くカモリナ。
ソウタは今の生活に満足しているので、特にランク昇格は考えてなかった。
寧ろ、提出した魔石に買取り額がコエザさんより低かったので、ギルドで魔石を売るのは、やっぱり止めようと思っていた。
それからソウタは、あっという間にDランクに昇格したのだ。
それから数日が過ぎて、Cランク冒険者パーティー『狂鬼』の5人が、狩りから帰って来た。
「ちぃ、今日は散々だったぜ」
「あのとき急にオークの群れと遭遇しちまったからな」
「依頼未達成で収穫無しになっちまった」
「はぁ、今日は飯抜きかぁ」
「腹へったぁ」
「ん? あそこにいるのは、『草毟り』じゃねえか?」
ソウタと雷獣のリャンゾウが採取の帰りで、歩いていた。
「おい、モンスターをいつも狩っている俺達がいるから、『草毟り』が安心して仕事が出来ると思わねえか?」
勝手な言い分である。リャンゾウがモンスターを狩ってる事を男達が知らないだけだ。
「だよなぁ、俺達が苦労しているのに、『草毟り』の野郎は、美味しいところだけ持っていきやがって」
「話し掛けても返事もしやがらねえ。生意気なんだよ」
ソウタは男の冒険者達の粗暴な口調に軽く返せる程、コミュニケーション能力が無いだけだ。
「Dランクに昇格したのは、俺達のお陰でもあるだろう」
全くの勘違いである。
こうして、『狂鬼』の冒険者達は取り返しのつかない事をしてしまうのであった。
「え? モンスターも狩れない野郎が?」
「おかしいだろう? 常設薬草採取しかしねえのに、昇格するなんて」
「受付のカモリナさんに気に入られているからなぁ。」
「ちっ、生意気な奴だ」
と冒険者がソウタの事を噂をしていた。
当然誤解である。一角兎のアルミラージやゴブリンやコボルト、オークも薬草を採取しながら、雷獣のリャンゾウが狩っている。
その素材の殆どは錬金術師コエザや、食用の肉はいつもお世話になっている宿屋に渡していて、ギルドに提出していないだけだ。
そして、ソウタの担当になったカモリナは、寧ろソウタのお陰で、最上級の薬草を定期的に受付している事で評価がうなぎ登りになっているのだ。
もっともソウタからすると、カモリナ以外の受付とは、話が出来ないので、カモリナが担当になっているだけなのだが……。
ある日、偶々、受付嬢のカモリナに、こう言われたソウタ。
「ソウタくん、リャンゾウちゃんはモンスターを狩れるんでしょ? 常設依頼のゴブリンやコボルトを討伐して納品すれば、Dランクに昇格出来るんだけどね」
その時、コエザさんに渡す前のゴブリンやコボルトの魔石を持っていたソウタが。
「これで良いの?」
ってカウンターの上にゴブリンとコボルトの魔石を山の様に出した。
「えええ! モンスターも狩ってたの? それならそうと早く言ってよ」
驚くカモリナ。
ソウタは今の生活に満足しているので、特にランク昇格は考えてなかった。
寧ろ、提出した魔石に買取り額がコエザさんより低かったので、ギルドで魔石を売るのは、やっぱり止めようと思っていた。
それからソウタは、あっという間にDランクに昇格したのだ。
それから数日が過ぎて、Cランク冒険者パーティー『狂鬼』の5人が、狩りから帰って来た。
「ちぃ、今日は散々だったぜ」
「あのとき急にオークの群れと遭遇しちまったからな」
「依頼未達成で収穫無しになっちまった」
「はぁ、今日は飯抜きかぁ」
「腹へったぁ」
「ん? あそこにいるのは、『草毟り』じゃねえか?」
ソウタと雷獣のリャンゾウが採取の帰りで、歩いていた。
「おい、モンスターをいつも狩っている俺達がいるから、『草毟り』が安心して仕事が出来ると思わねえか?」
勝手な言い分である。リャンゾウがモンスターを狩ってる事を男達が知らないだけだ。
「だよなぁ、俺達が苦労しているのに、『草毟り』の野郎は、美味しいところだけ持っていきやがって」
「話し掛けても返事もしやがらねえ。生意気なんだよ」
ソウタは男の冒険者達の粗暴な口調に軽く返せる程、コミュニケーション能力が無いだけだ。
「Dランクに昇格したのは、俺達のお陰でもあるだろう」
全くの勘違いである。
こうして、『狂鬼』の冒険者達は取り返しのつかない事をしてしまうのであった。
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