2 / 42
第1章 俺が少女漫画のヒロインに!?
どうして俺が美少女に!?
しおりを挟む
その日の朝、割と勢いよく目を覚ました。
漫画だったら『ガバッ』という効果音と共に、集中線が描かれそうなくらいのスピードで上体を起こす。
「い、生きてる……」
遡ること、前世。
俺の高校生活と、俺自身を表す四字熟語を問われたら『平々凡々』と答えるだろう。
名乗るほどの陰キャでも陽キャでもなく、恋愛経験がないからと言って女友達がいないわけではない。
どっちつかずの中途半端。
この三年間、大した恋愛イベントもなく、地区予選初戦敗退のバレー部に青春を捧げ、つつがなく俺の高校生活がキャンパスライフへシフトしようとしていた。
そんな卒業式の日。
横断歩道に突っ込んできたトラックに撥ねられた。
俺だけが。
他のみんなは無事だったのだろうか?
それも気になるが、今はそんなことを確かめられるような状況にない。
──ここはどこだ?
俺は改めて、部屋をぐるっと見渡した。
なんというか、一言で表現するなら『女の子の部屋』である。
家具は余すことなくピンクと白で統一されており、ところどころにネコやらクマやらのぬいぐるみが置いてある。
……女子の部屋?
女子という生き物は、なぜぬいぐるみを飾りたがるんだろう。
ホコリが溜まったりしないのだろうか?
そのピンク色の家具たちの中で、幅三十センチほどの全身鏡が静かに佇んでいる。
ベッドから腰を上げ、窓の横に置かれているそれの前に立った。
「うわあああああああ!!」
鏡の中にいたのは、どこにでもいそうな男子高校生の俺ではなかった。
「これが……俺……!?」
つむじから綺麗に染まったピンク色のロングヘア、細い体躯、白のフリル付きワンピースを身に纏った──小柄な美少女が立っていたのだ!
……もしかして、俺、美少女に転生してる!?
いやでも、この美少女は誰なんだ!?
混乱する脳内を整理する間もなく、部屋の扉がバンッと開いた。
「うるさい! 何時だと思ってんの! 早く着替えて学校に行きなさい!」
ドアを開けてきたのは、調理器具のおたまを持ったお母さんらしき人物だった。
ピンク色のショートヘアで年齢は三十半ばくらいだろうか。
大きな瞳が鏡の中の俺とそっくりだった。
「が、学校……?」
「まだ寝ぼけてんの!?」
お母さん(仮)によってクローゼットから取り出されたのは──セーラー服。
なんと、ただのセーラー服ではない。
ピンク色のセーラー服だった。
誰が似合うんだ、こんな制服。
あれよあれよと言う間にセーラー服に着替えさせられ、スクールバッグを持たされる。
いや、俺が似合うんかい!
ツッコミを入れている暇もなく、俺は家から追い出されてしまったのだった。
漫画だったら『ガバッ』という効果音と共に、集中線が描かれそうなくらいのスピードで上体を起こす。
「い、生きてる……」
遡ること、前世。
俺の高校生活と、俺自身を表す四字熟語を問われたら『平々凡々』と答えるだろう。
名乗るほどの陰キャでも陽キャでもなく、恋愛経験がないからと言って女友達がいないわけではない。
どっちつかずの中途半端。
この三年間、大した恋愛イベントもなく、地区予選初戦敗退のバレー部に青春を捧げ、つつがなく俺の高校生活がキャンパスライフへシフトしようとしていた。
そんな卒業式の日。
横断歩道に突っ込んできたトラックに撥ねられた。
俺だけが。
他のみんなは無事だったのだろうか?
それも気になるが、今はそんなことを確かめられるような状況にない。
──ここはどこだ?
俺は改めて、部屋をぐるっと見渡した。
なんというか、一言で表現するなら『女の子の部屋』である。
家具は余すことなくピンクと白で統一されており、ところどころにネコやらクマやらのぬいぐるみが置いてある。
……女子の部屋?
女子という生き物は、なぜぬいぐるみを飾りたがるんだろう。
ホコリが溜まったりしないのだろうか?
そのピンク色の家具たちの中で、幅三十センチほどの全身鏡が静かに佇んでいる。
ベッドから腰を上げ、窓の横に置かれているそれの前に立った。
「うわあああああああ!!」
鏡の中にいたのは、どこにでもいそうな男子高校生の俺ではなかった。
「これが……俺……!?」
つむじから綺麗に染まったピンク色のロングヘア、細い体躯、白のフリル付きワンピースを身に纏った──小柄な美少女が立っていたのだ!
……もしかして、俺、美少女に転生してる!?
いやでも、この美少女は誰なんだ!?
混乱する脳内を整理する間もなく、部屋の扉がバンッと開いた。
「うるさい! 何時だと思ってんの! 早く着替えて学校に行きなさい!」
ドアを開けてきたのは、調理器具のおたまを持ったお母さんらしき人物だった。
ピンク色のショートヘアで年齢は三十半ばくらいだろうか。
大きな瞳が鏡の中の俺とそっくりだった。
「が、学校……?」
「まだ寝ぼけてんの!?」
お母さん(仮)によってクローゼットから取り出されたのは──セーラー服。
なんと、ただのセーラー服ではない。
ピンク色のセーラー服だった。
誰が似合うんだ、こんな制服。
あれよあれよと言う間にセーラー服に着替えさせられ、スクールバッグを持たされる。
いや、俺が似合うんかい!
ツッコミを入れている暇もなく、俺は家から追い出されてしまったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが
五右衛門
BL
月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。
しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について
おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である
そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。
なんと、彼女は学園のマドンナだった……!
こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。
彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。
そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。
そして助けられた少女もまた……。
二人の青春、そして成長物語をご覧ください。
※中盤から甘々にご注意を。
※性描写ありは保険です。
他サイトにも掲載しております。
サンスクミ〜学園のアイドルと偶然同じバイト先になったら俺を3度も振った美少女までついてきた〜
野谷 海
恋愛
「俺、やっぱり君が好きだ! 付き合って欲しい!」
「ごめんね青嶋くん……やっぱり青嶋くんとは付き合えない……」
この3度目の告白にも敗れ、青嶋将は大好きな小浦舞への想いを胸の内へとしまい込んで前に進む。
半年ほど経ち、彼らは何の因果か同じクラスになっていた。
別のクラスでも仲の良かった去年とは違い、距離が近くなったにも関わらず2人が会話をする事はない。
そんな折、将がアルバイトする焼鳥屋に入ってきた新人が同じ学校の同級生で、さらには舞の親友だった。
学校とアルバイト先を巻き込んでもつれる彼らの奇妙な三角関係ははたしてーー
⭐︎第3部より毎週月・木・土曜日の朝7時に最新話を投稿します。
⭐︎もしも気に入って頂けたら、ぜひブックマークやいいね、コメントなど頂けるととても励みになります。
※表紙絵、挿絵はAI作成です。
※この作品はフィクションであり、作中に登場する人物、団体等は全て架空です。
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」
母に紹介され、なにかの間違いだと思った。
だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。
それだけでもかなりな不安案件なのに。
私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。
「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」
なーんて義父になる人が言い出して。
結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。
前途多難な同居生活。
相変わらず専務はなに考えているかわからない。
……かと思えば。
「兄妹ならするだろ、これくらい」
当たり前のように落とされる、額へのキス。
いったい、どうなってんのー!?
三ツ森涼夏
24歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務
背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。
小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。
たまにその頑張りが空回りすることも?
恋愛、苦手というより、嫌い。
淋しい、をちゃんと言えずにきた人。
×
八雲仁
30歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』専務
背が高く、眼鏡のイケメン。
ただし、いつも無表情。
集中すると周りが見えなくなる。
そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。
小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。
ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!?
*****
千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』
*****
表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる