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08話 ギルドカード
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「おーい、ロア。ちゃんとギルドカード取りに来いよー」
冒険者ギルドで朝食を済ませると、ギルドの職員から呼ばれた。
そういえばギルドカードを受け取る予定があったな。
《アイテムボックス(極小)》で頭がいっぱいになっていた。
受付に向かい、職員からギルドカードを受け取る。
「あれ、何か色変わってる」
ギルドカードの色が鉄色から銅色に変わっていたのだ。
「あー、ギルドカードの更新に縁が無かったもんな。
これから更新する機会があるかは分からねぇけど、一応教えといてやるよ。
冒険者のランクは知っての通りFランク~Sランクの7段階に分けられている。
それに伴って、ギルドカードの色も違う。
Fランクは鉄色《アイアン》。(漢字の上のルビはモチーフの鉱石)
Eランクは銅色《ブロンズ》。
Dランクは銀色《シルバー》。
Cランクは金色《ゴールド》。
Bランクは白金色《プラチナ》。
Aランクは金剛色《ダイヤモンド》。
Sランクは緋色《ヒヒイロカネ》。
ってな感じだ。
ギルドカードの色は鉱石の硬度に関係があるみたいだ。
気になったら自分で調べてみてくれ」
「分かった。それで、なぜSランクは緋色なんだ? 鉱石っぽくないぞ」
「人の話聞いてたか……? まぁいい。Sランクのモチーフとされているのは、ヒヒイロカネという鉱石で、そいつが緋色なんだとさ。Aランクのモチーフになっているダイヤモンドよりも硬い鉱石らしいぜ。俺は見たこと無いからこれ以上は知らねえけどな」
「サンキュー、助かった」
ちゃんと教えてくれるんだな。
この人は、なんだかんだ優しいギルド職員だ。
しかしなるほど、ランクによってギルドカードの色が変わるのか。
じゃあギルドカードを見せれば、自分の冒険者ランクの証明にもなるな。
……あぁ、それがギルドカードの用途か。
◇
ギルドカードを受け取った俺は、再び現れたパーティの勧誘を拒否して、『フォイルのダンジョン』にやってきた。
今日も昨日と同じように立ち回っていると、他の冒険者パーティを発見した。
隠れて行動していたおかげでパーティは俺に気付かれていないはず。
面倒だから出会したくないな。
「ソニア! しっかり前衛役こなせよ!」
「はい、すみません!」
「もう、ソニア。ちゃんとしてよね」
「はい、頑張ります!」
「お、あっちに『ホブゴブリン』がいるぞ。ソニア、タンクよろしくな」
「はい、分かりました!」
会話を聞いてる限り、男2人、女2人のパーティか。
そして一人の女の子の扱いがすげぇ酷い気がするんだけど、そう感じるのは部外者である俺だけか?
ちょっと覗いてみよう。
物陰からチラッと顔を出して、戦闘中のパーティの様子をうかがう。
さっきから責められているのは、あの子か。
群青色の少し短めな髪に茶色の瞳をしていて、他3人よりも少し幼く見える。
どうやらあの子がタンクのようだな。
タンクとは、敵の攻撃を自分に集中させるように立ち回るパーティの盾役……って、ところか。
あの見た目は後衛の方が似合いそうだ。
華奢だし。
……へー、戦闘を観察してる感じ、あの子が一番活躍しているように見える。
魔物が他の味方を攻撃する訳でもなく、常にあの子を狙い続けている。
いや、そうなるように立ち回っているのか。
魔物が攻撃の対象を変えようとしたとき、あの子はすぐにその対象の前に立ち、攻撃を防いでいる。
だから、常にあの子が狙われているように見えるのか。
冒険者というのは色々なことする奴がいるな。
奥が深い。
でも、なんであの子は怒られているんだ?
それが気がかりだ。
まぁそういうもんなのかな?
あそこのパーティ事情はよく分からん。
だけど、なんとなくあの子が苦しんでいるように見えた。
……別になんか助けるって訳でもないんですけどね。
俺は余計なお世話ってやつが嫌いでね。
自分もそうだったように、きっとあの子もそうだろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【今日の戦果】
[魔石(Eランク)] ×9
[MP回復薬] ×3
『【魔法創造】の効果により【アイテムボックス(極小)】を創造しました』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あの冒険者パーティが同じ階層で魔物を狩る時間が長くて討伐の効率が悪くなった。
だけど、Eランクの魔物を6体倒しただけで26レベルになったので【アイテムボックス(極小)】を取得した。
それからは[MP回復薬]を集めた。
とりあえず【アイテムボックス(極小)】を取得したので、試しにバックパックの中にある[MP回復薬]を全部ぶち込んでみた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【アイテムボックス】
[MP回復薬] ×32
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
取り出すときは【アイテム作成】を使用したときのような感じで出てくる。
魔物と戦っている最中でも利用しやすそうだ。
実戦でも使い勝手が良いのは非常に便利だな。
ちなみに本日の収入は18000ムルです。
所持金がどんどん増えていくのは、とても喜ばしいことである。
冒険者ギルドで朝食を済ませると、ギルドの職員から呼ばれた。
そういえばギルドカードを受け取る予定があったな。
《アイテムボックス(極小)》で頭がいっぱいになっていた。
受付に向かい、職員からギルドカードを受け取る。
「あれ、何か色変わってる」
ギルドカードの色が鉄色から銅色に変わっていたのだ。
「あー、ギルドカードの更新に縁が無かったもんな。
これから更新する機会があるかは分からねぇけど、一応教えといてやるよ。
冒険者のランクは知っての通りFランク~Sランクの7段階に分けられている。
それに伴って、ギルドカードの色も違う。
Fランクは鉄色《アイアン》。(漢字の上のルビはモチーフの鉱石)
Eランクは銅色《ブロンズ》。
Dランクは銀色《シルバー》。
Cランクは金色《ゴールド》。
Bランクは白金色《プラチナ》。
Aランクは金剛色《ダイヤモンド》。
Sランクは緋色《ヒヒイロカネ》。
ってな感じだ。
ギルドカードの色は鉱石の硬度に関係があるみたいだ。
気になったら自分で調べてみてくれ」
「分かった。それで、なぜSランクは緋色なんだ? 鉱石っぽくないぞ」
「人の話聞いてたか……? まぁいい。Sランクのモチーフとされているのは、ヒヒイロカネという鉱石で、そいつが緋色なんだとさ。Aランクのモチーフになっているダイヤモンドよりも硬い鉱石らしいぜ。俺は見たこと無いからこれ以上は知らねえけどな」
「サンキュー、助かった」
ちゃんと教えてくれるんだな。
この人は、なんだかんだ優しいギルド職員だ。
しかしなるほど、ランクによってギルドカードの色が変わるのか。
じゃあギルドカードを見せれば、自分の冒険者ランクの証明にもなるな。
……あぁ、それがギルドカードの用途か。
◇
ギルドカードを受け取った俺は、再び現れたパーティの勧誘を拒否して、『フォイルのダンジョン』にやってきた。
今日も昨日と同じように立ち回っていると、他の冒険者パーティを発見した。
隠れて行動していたおかげでパーティは俺に気付かれていないはず。
面倒だから出会したくないな。
「ソニア! しっかり前衛役こなせよ!」
「はい、すみません!」
「もう、ソニア。ちゃんとしてよね」
「はい、頑張ります!」
「お、あっちに『ホブゴブリン』がいるぞ。ソニア、タンクよろしくな」
「はい、分かりました!」
会話を聞いてる限り、男2人、女2人のパーティか。
そして一人の女の子の扱いがすげぇ酷い気がするんだけど、そう感じるのは部外者である俺だけか?
ちょっと覗いてみよう。
物陰からチラッと顔を出して、戦闘中のパーティの様子をうかがう。
さっきから責められているのは、あの子か。
群青色の少し短めな髪に茶色の瞳をしていて、他3人よりも少し幼く見える。
どうやらあの子がタンクのようだな。
タンクとは、敵の攻撃を自分に集中させるように立ち回るパーティの盾役……って、ところか。
あの見た目は後衛の方が似合いそうだ。
華奢だし。
……へー、戦闘を観察してる感じ、あの子が一番活躍しているように見える。
魔物が他の味方を攻撃する訳でもなく、常にあの子を狙い続けている。
いや、そうなるように立ち回っているのか。
魔物が攻撃の対象を変えようとしたとき、あの子はすぐにその対象の前に立ち、攻撃を防いでいる。
だから、常にあの子が狙われているように見えるのか。
冒険者というのは色々なことする奴がいるな。
奥が深い。
でも、なんであの子は怒られているんだ?
それが気がかりだ。
まぁそういうもんなのかな?
あそこのパーティ事情はよく分からん。
だけど、なんとなくあの子が苦しんでいるように見えた。
……別になんか助けるって訳でもないんですけどね。
俺は余計なお世話ってやつが嫌いでね。
自分もそうだったように、きっとあの子もそうだろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【今日の戦果】
[魔石(Eランク)] ×9
[MP回復薬] ×3
『【魔法創造】の効果により【アイテムボックス(極小)】を創造しました』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あの冒険者パーティが同じ階層で魔物を狩る時間が長くて討伐の効率が悪くなった。
だけど、Eランクの魔物を6体倒しただけで26レベルになったので【アイテムボックス(極小)】を取得した。
それからは[MP回復薬]を集めた。
とりあえず【アイテムボックス(極小)】を取得したので、試しにバックパックの中にある[MP回復薬]を全部ぶち込んでみた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【アイテムボックス】
[MP回復薬] ×32
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
取り出すときは【アイテム作成】を使用したときのような感じで出てくる。
魔物と戦っている最中でも利用しやすそうだ。
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