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14話 だらしない人としっかり者
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俺のステータスをまじまじと見るソニア。
「……ユニークスキルが2個って凄い珍しそうですね。私、ユニークスキルを2個持ってる人なんて聞いたことないです」
「へー、案外いそうなのにな。しかし、ソニアも防御力500って凄いな……。俺の5倍ぐらいあるじゃないか」
「攻撃は出来ない分、人よりは高い方かもしれません。それにレベルが上がったときの防御力の伸びは良いですね。あとはスキルポイントで防御力を上げてます」
「ステータスも上げることが出来るのか」
「あんまり聞いたことないので、多分ユニークスキルの影響ですね」
「面白いユニークスキルだな」
「ふふっ、ロアさんに比べたら全然ですよ」
「そんなことないだろ」
「ありますよ。ロアさんはもう少し自分に自信を持っても罰は当たりませんよ」
「大丈夫だ。持つべきところは持ってる」
「例えば何があります?」
「……うーん、自分で言うのも何だが、顔は整っている方だと思う」
「……本当に自分で言うものじゃないですね。……整っていることは否定できませんけど」
それから俺は、どんどん機嫌が良くなって、沢山酒を飲んだ。
ソニアの奢りだしな。
飲まなきゃ損だ。
◇
「──さん、……さい。ロアさーん、起きてくださーい」
誰かに肩を揺さぶられて、俺は起こされた。
この声は……ソニア?
どこだここ……。
頭いてぇ……。
「あ、ロアさん。起きましたか?」
「んー、あー……ソニアか。どこ? ここ」
「冒険者ギルドですよ。閉店の時間なので、起こしました」
「あー、助かる」
「お金は払っておきました。これお水です。飲んでください」
そう言って、ソニアは水が入ったコップを渡してきた。
「ありがとう」
ちょうど喉が渇いてたので、一気にコップの水を飲み干した。
「悪いな、寝ちまって」
「いえ、お疲れだったと思うので、私が起こさなかったんです。ご迷惑でしたか?」
「全然。一人で退屈だっただろ」
「そんなことないですよ。ロアさんの整った寝顔を見ていたので。なかなか可愛かったですよ」
「……あー、なんかそんなようなこと俺言ってたな」
「ふふふっ、ちゃんと覚えているんですね」
ソニアはいたずらな笑みを浮かべた。
「……で、もう閉店なんだっけ?」
「はい」
「じゃあとっとと出るか」
「そうですね」
ギルドを出ると、もう外は真っ暗だった。
明かりは松明と宿屋の前にある魔道照明だけだ。
「ソニアはどこで寝泊りしてるんだ?」
「宿屋ですね」
「送っていくよ」
「そんな……悪いですよ」
「気にするな。俺もこんな暗い中、ソニアを一人で歩かせたら心配で落ち着いて寝れん」
「そそ、そ、そうですか……じゃあよろしくお願いします……」
「ああ」
ソニアの横を歩いて行く先は、見覚えのある道だった。
そして着いた先は、俺のいつも泊まっている宿屋だった。
「……奇遇だな。俺もここに泊まっているんだ」
「……え、そうなんですか? 全然気が付かなかったです」
「うむ。俺もダンジョン以外でソニアを見たことがないな」
「偶然ってあるものですね……」
「そうだな」
そして宿屋の中に入ると、俺のいつも泊まっている部屋の隣がソニアの部屋だった。
「すごい偶然ですね……」
「確かに、なんで今まで見たことないのか不思議だ。とりあえず丁度いいし、明日、ギルドに行くときソニアの部屋を訪ねるから、よろしくな」
「分かりました。おやすみなさい」
「おう。おやすみ」
部屋に入ると、俺はすぐに眠りについた。
◇
翌朝、というよりも昼。
目が覚めた俺は欠伸をしながら、隣のソニアの部屋に向かう。
コンコンコン、と扉をノックする。
「どうぞ」
ガチャリ、と扉を開けて中に入る。
「遅いお目覚めですね。いつもこんな時間に起きてるんですか?」
俺は寝ぼけた頭で必死に思い返してみる。
うーん、そうかもしれない。
これ朝だよな、って思うけど、起きたら大体みんな活動している。
「いつもこれぐらいかもしれない」
「……なるほど、隣の部屋なのにロアさんと顔を合わしたことがない理由が分かりました。多分生活のリズムが違うんです」
「ほう」
そう言われてもピンと来ないのはきっと寝ぼけているからだろう。
もう少し時間が経てば、俺の脳みそは高速で回転してくれるのに。
「私はこの時間だと多分もうダンジョンに入ったり、依頼をこなしたりしてますね」
「それは顔を合わさない訳だ。早くてもこの時間に俺は飯を食ってる」
「……ロアさんってもしかして少しだらしない?」
「そんなことない。ギルドの清掃員をやっているときは、しっかりと朝早くに起きてた。遅刻するとめちゃくちゃ怒られるんだ」
何度か遅刻したのは秘密だ。
バレてるかもしれないけど、あえて言うことでもないだろう。
「冒険者になってからは何で起きれないんですか?」
「ま、まぁ早くに起きても遅くに起きても関係ないし……」
「……分かりました。これからは私がロアさんのことを起こしに行きます」
「な、なんだと……!? 俺はゆっくり寝ていたい!」
「ダメです。ちゃんと起きてください。朝早くにギルドに行く習慣をつけた方が良い依頼を取れる可能性も上がりますから」
正論すぎて何も言い返すことがない。
「分かった……善処しよう」
「……でも本当に無理そうなら教えてくださいね。人って向き、不向きがあると思うので、早起きするのがどうしてもキツいなら私も遅くに起きます」
「まぁ、まずは挑戦してみるよ。俺も昔は早起きしてたしな」
「分かりました。ちゃんと起きてくださいね」
努力します……。
そんなやり取りをした後、俺たちは冒険者ギルドに向かうのだった。
「……ユニークスキルが2個って凄い珍しそうですね。私、ユニークスキルを2個持ってる人なんて聞いたことないです」
「へー、案外いそうなのにな。しかし、ソニアも防御力500って凄いな……。俺の5倍ぐらいあるじゃないか」
「攻撃は出来ない分、人よりは高い方かもしれません。それにレベルが上がったときの防御力の伸びは良いですね。あとはスキルポイントで防御力を上げてます」
「ステータスも上げることが出来るのか」
「あんまり聞いたことないので、多分ユニークスキルの影響ですね」
「面白いユニークスキルだな」
「ふふっ、ロアさんに比べたら全然ですよ」
「そんなことないだろ」
「ありますよ。ロアさんはもう少し自分に自信を持っても罰は当たりませんよ」
「大丈夫だ。持つべきところは持ってる」
「例えば何があります?」
「……うーん、自分で言うのも何だが、顔は整っている方だと思う」
「……本当に自分で言うものじゃないですね。……整っていることは否定できませんけど」
それから俺は、どんどん機嫌が良くなって、沢山酒を飲んだ。
ソニアの奢りだしな。
飲まなきゃ損だ。
◇
「──さん、……さい。ロアさーん、起きてくださーい」
誰かに肩を揺さぶられて、俺は起こされた。
この声は……ソニア?
どこだここ……。
頭いてぇ……。
「あ、ロアさん。起きましたか?」
「んー、あー……ソニアか。どこ? ここ」
「冒険者ギルドですよ。閉店の時間なので、起こしました」
「あー、助かる」
「お金は払っておきました。これお水です。飲んでください」
そう言って、ソニアは水が入ったコップを渡してきた。
「ありがとう」
ちょうど喉が渇いてたので、一気にコップの水を飲み干した。
「悪いな、寝ちまって」
「いえ、お疲れだったと思うので、私が起こさなかったんです。ご迷惑でしたか?」
「全然。一人で退屈だっただろ」
「そんなことないですよ。ロアさんの整った寝顔を見ていたので。なかなか可愛かったですよ」
「……あー、なんかそんなようなこと俺言ってたな」
「ふふふっ、ちゃんと覚えているんですね」
ソニアはいたずらな笑みを浮かべた。
「……で、もう閉店なんだっけ?」
「はい」
「じゃあとっとと出るか」
「そうですね」
ギルドを出ると、もう外は真っ暗だった。
明かりは松明と宿屋の前にある魔道照明だけだ。
「ソニアはどこで寝泊りしてるんだ?」
「宿屋ですね」
「送っていくよ」
「そんな……悪いですよ」
「気にするな。俺もこんな暗い中、ソニアを一人で歩かせたら心配で落ち着いて寝れん」
「そそ、そ、そうですか……じゃあよろしくお願いします……」
「ああ」
ソニアの横を歩いて行く先は、見覚えのある道だった。
そして着いた先は、俺のいつも泊まっている宿屋だった。
「……奇遇だな。俺もここに泊まっているんだ」
「……え、そうなんですか? 全然気が付かなかったです」
「うむ。俺もダンジョン以外でソニアを見たことがないな」
「偶然ってあるものですね……」
「そうだな」
そして宿屋の中に入ると、俺のいつも泊まっている部屋の隣がソニアの部屋だった。
「すごい偶然ですね……」
「確かに、なんで今まで見たことないのか不思議だ。とりあえず丁度いいし、明日、ギルドに行くときソニアの部屋を訪ねるから、よろしくな」
「分かりました。おやすみなさい」
「おう。おやすみ」
部屋に入ると、俺はすぐに眠りについた。
◇
翌朝、というよりも昼。
目が覚めた俺は欠伸をしながら、隣のソニアの部屋に向かう。
コンコンコン、と扉をノックする。
「どうぞ」
ガチャリ、と扉を開けて中に入る。
「遅いお目覚めですね。いつもこんな時間に起きてるんですか?」
俺は寝ぼけた頭で必死に思い返してみる。
うーん、そうかもしれない。
これ朝だよな、って思うけど、起きたら大体みんな活動している。
「いつもこれぐらいかもしれない」
「……なるほど、隣の部屋なのにロアさんと顔を合わしたことがない理由が分かりました。多分生活のリズムが違うんです」
「ほう」
そう言われてもピンと来ないのはきっと寝ぼけているからだろう。
もう少し時間が経てば、俺の脳みそは高速で回転してくれるのに。
「私はこの時間だと多分もうダンジョンに入ったり、依頼をこなしたりしてますね」
「それは顔を合わさない訳だ。早くてもこの時間に俺は飯を食ってる」
「……ロアさんってもしかして少しだらしない?」
「そんなことない。ギルドの清掃員をやっているときは、しっかりと朝早くに起きてた。遅刻するとめちゃくちゃ怒られるんだ」
何度か遅刻したのは秘密だ。
バレてるかもしれないけど、あえて言うことでもないだろう。
「冒険者になってからは何で起きれないんですか?」
「ま、まぁ早くに起きても遅くに起きても関係ないし……」
「……分かりました。これからは私がロアさんのことを起こしに行きます」
「な、なんだと……!? 俺はゆっくり寝ていたい!」
「ダメです。ちゃんと起きてください。朝早くにギルドに行く習慣をつけた方が良い依頼を取れる可能性も上がりますから」
正論すぎて何も言い返すことがない。
「分かった……善処しよう」
「……でも本当に無理そうなら教えてくださいね。人って向き、不向きがあると思うので、早起きするのがどうしてもキツいなら私も遅くに起きます」
「まぁ、まずは挑戦してみるよ。俺も昔は早起きしてたしな」
「分かりました。ちゃんと起きてくださいね」
努力します……。
そんなやり取りをした後、俺たちは冒険者ギルドに向かうのだった。
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