底辺冒険者だけど魔法を極めてみることにした ~無能スキルから神スキルに進化した【魔法創造】と【アイテム作成】で無双する~

蒼乃白兎

文字の大きさ
19 / 32

19話 消費レベル150で300万ムル稼げちゃいます!

しおりを挟む
 馬車の持ち主はマーシャという名前で行商人をやっているらしい。
 背は小さいけど、ちゃんと大人みたいだ。
 俺達も自己紹介をして、名前と冒険者をやっていることを伝えた。

「では荷台に乗ってください! ちょっと色々と商品を運んでいますが、なんとか乗るだけのスペースはあると思うっす!」

 マーシャがそう言うので、荷台に上がってみると、座る空きが全く無いぐらいに荷物が入っていた。

「いや、乗れねーよ」
「ええっ!? じゃ、じゃあどうしましょうかねぇ? 私も商品を結構抱えているもんでして……」
「……一番面積を取っている商品は?」
「ルンベルクは冒険者が結構多いんで装備品が多いっすね~。そいつらで結構場所取ってるかもしれないっす」
「よし分かった」

 俺は《アイテムボックス》から食材を取り出し、バックパックの空いてるところに詰め込んだ。

「今どこからその食材を出したっすか……?」

 マーシャは不思議そうにこちらを見る。
 説明するのはたっぷりとある移動時間のときで良いだろう。
 俺は無視して荷台に乗り込んで、邪魔そうな装備を《アイテムボックス》に入れていく。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【アイテムボックス】

 [MP回復薬] ×85

 [鉄の鎧] ×5

 [鉄の盾] ×7

 [鉄の剣] ×10

 [鉄の槍] ×8

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 しかし《アイテムボックス》はマジで便利だな。
【魔法創造】でどんな魔法があるか調べたとき(極小)以外に(小)(中)ってあったから、こいつらを取れば収納できるブロック数が多くなるんだろうな。
(小)は確か消費レベル100だったから、余裕があるときに是非取得しておきたいもんだ。

 てか、収納した装備品、全部鉄だな。
 なんでこんなに鉄が多いんだ?
 きっと、ルンベルクに住む冒険者達が鉄の装備をよく買うのだろう。
 俺は自問自答した。

「き、き、消えたっす……!? 魔法使いってそんなことまで出来るんすか……?」

 マーシャが腰を抜かして驚いていた。
 そんなに驚くことか?

「ロアさん、ちょっと」
「ん?」

 ソニアが俺の肩をトントン、と軽く叩いた。

「マーシャさん、もしかして装備品が無くなってショックを受けてるんじゃないですか?」

 耳元でソニアが話しかけてきた。
 なるほど、確かに説明していないとそう思われても仕方ないな。

「あの装備品はルンベルクに着いたらちゃんと返すから安心してくれ」
「あ、は、はいっ。ありがとうございます! それで装備品はどこにしまったんすか?」
「《アイテムボックス》って魔法を使ったんだ。まぁ詳しいことは移動中に話すよ。とっとと出ようぜ」
「分かりましたっす! それじゃあお二人さん、荷台に乗ってください!」

 俺とソニアは座るスペースが出来た荷台に乗り込み、馬車は出発した。

「それで《アイテムボックス》ってなんなんすか? もっと教えてほしいっす!」
「異空間にアイテムを収納出来るスペースを5ブロック作成する。1ブロックにつき、1種類のアイテムを収納でき、上限は100個」
「なんかいきなり説明文っすね」
「《アイテムボックス》の効果を読み上げたんだ。これで理解できたか?」
「まぁ、なんとなく理解できたっす! つまり[マジックバッグ]の魔法版って感じっすね! うぅ~! 羨ましいっすなぁ!」
「なんだその[マジックバッグ]ってやつは」
「魔導具っすね! 商人なら誰もが欲しがる憧れの魔導具っす!」
「ふ~ん、なるほどね」

【アイテム作成】で作れたりするのかな。
 暇だから俺は【アイテム作成】で作れないか調べてみた。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 [マジックバッグ]
 消費レベル:150
 効果:異空間にアイテムを収納出来るスペースを30ブロック作成する。1ブロックにつき、1種類のアイテムを収納でき、上限は100個。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ……ああ、作れるわ。

 でもこれ、アイテムとして使っていくなら壊れる可能性もあるし、[マジックバッグ]を持ち運ばなきゃいけないんだろ?
 ちょっと使い勝手が悪いな。
 うーん、作るとしたらお金稼ぎ用かな?
 相場がどれぐらいかマーシャに聞いてみるか。

「その[マジックバッグ]の相場って大体どれぐらいなんだ?」
「そうっすね~、大体300万ムルぐらいじゃないっすかね。作れる魔導技師が結構限られてたりするっぽいんであまり出回らないらしいんすよね~」
「300万ムル!?」
「まぁ妥当な価格っすよ。あんな便利なもの中々ありませんし」

 おいおい……300万ムルって結構な額だぞ?
 これはちょっと150レベルになったら[マジックバッグ]作るか?

 ……いや、別に作らなくていいわ。
 金の使い道分からないし、それよりも強い魔法覚えた方が絶対いいわ。
 俺は冷静になった。

「……あの、凄い話戻って申し訳ないんですけど、マーシャさんはどうしてグリズリーに襲われていたんですか?」
「あー、そういえばここは温厚な魔物しかいないんだったよな」
「なんかいたっすね、グリズリー。初めて遭遇したっすよ。ロアさんいなかったら今頃私はグリズリーの胃の中っす」
「まぁそうだろうな」
「世の中は弱肉強食っす……! 残酷っす!」

 この子明るいな。

「それならたぶん魔素溜まりが出来たのかもしれませんね。魔物が出現しないことが続くと、魔素が溜まっていって、その地域に住む魔物よりも強力な魔物が出現することがあるんですよ」
「へー、さすがソニア。博識だ」
「あ、いえ。そんな……。さっきロアさんにここら辺は温厚な魔物しかいないと言ったので、ちょっと弁明したくて……」
「うん。なんか俺もそうなんじゃないかと少し思った」
「あはは……」
「災難だったっす! ロアさんにはほんと感謝しかないっす!」
「おう。俺も馬車に乗せて貰えて感謝してるぜ」

 Dランクの魔物も倒せて、馬車にも乗せてもらえたからな。
 めちゃめちゃ美味しい話だ。


 このあと馬車は問題なく走り続けた。
 今日は野宿で夜を過ごした。
 そして翌日、俺たちはルンベルクに到着するのだった。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

ハズレスキル【分解】が超絶当たりだった件~仲間たちから捨てられたけど、拾ったゴミスキルを優良スキルに作り変えて何でも解決する~

名無し
ファンタジー
お前の代わりなんざいくらでもいる。パーティーリーダーからそう宣告され、あっさり捨てられた主人公フォード。彼のスキル【分解】は、所有物を瞬時にバラバラにして持ち運びやすくする程度の効果だと思われていたが、なんとスキルにも適用されるもので、【分解】したスキルなら幾らでも所有できるというチートスキルであった。捨てられているゴミスキルを【分解】することで有用なスキルに作り変えていくうち、彼はなんでも解決屋を開くことを思いつき、底辺冒険者から成り上がっていく。

世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~

aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」 勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......? お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?

召喚されたら無能力だと追放されたが、俺の力はヘルプ機能とチュートリアルモードだった。世界の全てを事前に予習してイージーモードで活躍します

あけちともあき
ファンタジー
異世界召喚されたコトマエ・マナビ。 異世界パルメディアは、大魔法文明時代。 だが、その時代は崩壊寸前だった。 なのに人類同志は争いをやめず、異世界召喚した特殊能力を持つ人間同士を戦わせて覇を競っている。 マナビは魔力も闘気もゼロということで無能と断じられ、彼を召喚したハーフエルフ巫女のルミイとともに追放される。 追放先は、魔法文明人の娯楽にして公開処刑装置、滅びの塔。 ここで命運尽きるかと思われたが、マナビの能力、ヘルプ機能とチュートリアルシステムが発動する。 世界のすべてを事前に調べ、起こる出来事を予習する。 無理ゲーだって軽々くぐり抜け、デスゲームもヌルゲーに変わる。 化け物だって天変地異だって、事前の予習でサクサククリア。 そして自分を舐めてきた相手を、さんざん煽り倒す。 当座の目的は、ハーフエルフ巫女のルミイを実家に帰すこと。 ディストピアから、ポストアポカリプスへと崩壊していくこの世界で、マナビとルミイのどこか呑気な旅が続く。

処理中です...