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「ところで、お母様のときはどんなドレスを着たのですか?」
寝巻きと言われたドレスから着替え、我々は気分転換でお茶を飲んでいる。フランツ兄様もとりあえず落ち着いたようだ。でもいつスイッチが外れるかわからないので、チーズケーキを出しておいた。
「私のとき?」
「はい、参考までに伺いたいです」
「ピンク色のドレスよ、実家の両親が選んでくれたの。それを見たユエンったら・・・」
お母様は思い出したように頬を赤らめている。何かあったのだろうけど、あまり聞かない方がいいと思う。特に娘の私からは。
「うわぁ、見てみたかったです」
お母様の若い頃ってどんなだったのだろう。今のお母様はボンッ、キュッ、ボンッとしたアダルトな体型。ピンク色が似合う感じではない。何というか艶かしさが倍増しそうなのでやめておくべきだろう。
「あら、今もあるわ。魔法で永久保存してるもの。マーサ、持ってきてくれる?」
「はい、お待ちください」
しばらくしてマーサが持ってきたドレスは、すごく綺麗なレースが使われていて好みのものだった。着てみたいと思ったが、言い出すのが躊躇われた。お母様の大切なドレスなのだ。簡単に着ていいと思えなかった。
「試しに着てみたら?」
私があまりに真剣な目で見ているのでお母様が気を利かせてくれたようだ。
「い、いいのですか?」
「当たり前よ、着てみたら本当に着たいドレスが見つかるかもしれないわ」
ドレスが決まらなかったのは、他の人がOKを出してくれなかったからです。私が言い出したことではありません。と、心の中で思ったが何も言わなかった。すぐにでもお母様のドレスを着てみたかったからである。
「ありがとうございます!」
お礼を言うとすぐに試着する。鏡を見て満足。凄い。肌の色が綺麗に見える。ずっと鏡を見ていたい。そんなことを思わず思ってしまうくらいだ。
お母様は口を開けたまま黙っている。フランツ兄様は目を大きく見開いて動かない。セバスチャンは気をつけのいつもの定姿勢をしたまま、マーサは目に涙を浮かべ、メアリに至ってはガッツポーズを繰り返している。
「へ、変ですね。私・・・」
みんなの対応がおかしすぎて、私はこのドレスは似合わないのだと解釈した。この世界と自分の感覚は違うのだ。だからみんなは呆れているのだと思ったのだ。
「す、すごいわ。天使ちゃん」
「本当だ、マリ」
「お嬢様、さすがでございます」
「感激で言葉が出ません」
「究極の1着ですわ」
途端に全員が話し出した。
「母上、同じものを用意しましょう」
「で、でもこのレースは亡くなってしまった職人の手作りなの」
「至急、技を継承した職人を探しましょう!」
なぜか同じものを作ることになっている。勿体無い。
「あ、あの。お母様、このドレスを着てはいけませんか?」
お古を着たらいけないというルールがあるかもしれないが、こんなに気に入ったドレスを他で探すのは無理だと思う。時間もないことだし、これでいいのではないか?
「私、お父様とお母様のような夫婦になりたいんです。あやからせていただけませんか?」
「天使ちゃん・・・」
お母様は胸に手を置きフルフルと震えている。
「こんなに似合ってくれてありがとう。ドレスも喜んでいるわ」
「は、母上。公爵家が昔のドレスを着て陛下主催のパーティに出るなんて・・・」
「兄様、スタンピードは終息したとはいえ、家を壊され被害を被った方々はまだ多くいらっしゃるのでしょう?あまり過度な贅沢は慎むべきではないでしょうか?」
「マ、マリ・・・」
出せる限りの言葉を使い、私は何とかこのドレスを着ることを認めさせようとした。これ以上ドレスについて考えたくはない。ドレス問題を終息させなくてはいけないのだ。
「わかった、父上と兄上を説得しよう」
何とかフランツ兄様も納得してくれた。あとは宝石問題だろう。また、おかしなネーミングが出てくるのだろうか。どんな宝石か想像できないのが困るが、ここまで来たらどうにかなるだろう。安心して私は紅茶を飲んだのだった。
寝巻きと言われたドレスから着替え、我々は気分転換でお茶を飲んでいる。フランツ兄様もとりあえず落ち着いたようだ。でもいつスイッチが外れるかわからないので、チーズケーキを出しておいた。
「私のとき?」
「はい、参考までに伺いたいです」
「ピンク色のドレスよ、実家の両親が選んでくれたの。それを見たユエンったら・・・」
お母様は思い出したように頬を赤らめている。何かあったのだろうけど、あまり聞かない方がいいと思う。特に娘の私からは。
「うわぁ、見てみたかったです」
お母様の若い頃ってどんなだったのだろう。今のお母様はボンッ、キュッ、ボンッとしたアダルトな体型。ピンク色が似合う感じではない。何というか艶かしさが倍増しそうなのでやめておくべきだろう。
「あら、今もあるわ。魔法で永久保存してるもの。マーサ、持ってきてくれる?」
「はい、お待ちください」
しばらくしてマーサが持ってきたドレスは、すごく綺麗なレースが使われていて好みのものだった。着てみたいと思ったが、言い出すのが躊躇われた。お母様の大切なドレスなのだ。簡単に着ていいと思えなかった。
「試しに着てみたら?」
私があまりに真剣な目で見ているのでお母様が気を利かせてくれたようだ。
「い、いいのですか?」
「当たり前よ、着てみたら本当に着たいドレスが見つかるかもしれないわ」
ドレスが決まらなかったのは、他の人がOKを出してくれなかったからです。私が言い出したことではありません。と、心の中で思ったが何も言わなかった。すぐにでもお母様のドレスを着てみたかったからである。
「ありがとうございます!」
お礼を言うとすぐに試着する。鏡を見て満足。凄い。肌の色が綺麗に見える。ずっと鏡を見ていたい。そんなことを思わず思ってしまうくらいだ。
お母様は口を開けたまま黙っている。フランツ兄様は目を大きく見開いて動かない。セバスチャンは気をつけのいつもの定姿勢をしたまま、マーサは目に涙を浮かべ、メアリに至ってはガッツポーズを繰り返している。
「へ、変ですね。私・・・」
みんなの対応がおかしすぎて、私はこのドレスは似合わないのだと解釈した。この世界と自分の感覚は違うのだ。だからみんなは呆れているのだと思ったのだ。
「す、すごいわ。天使ちゃん」
「本当だ、マリ」
「お嬢様、さすがでございます」
「感激で言葉が出ません」
「究極の1着ですわ」
途端に全員が話し出した。
「母上、同じものを用意しましょう」
「で、でもこのレースは亡くなってしまった職人の手作りなの」
「至急、技を継承した職人を探しましょう!」
なぜか同じものを作ることになっている。勿体無い。
「あ、あの。お母様、このドレスを着てはいけませんか?」
お古を着たらいけないというルールがあるかもしれないが、こんなに気に入ったドレスを他で探すのは無理だと思う。時間もないことだし、これでいいのではないか?
「私、お父様とお母様のような夫婦になりたいんです。あやからせていただけませんか?」
「天使ちゃん・・・」
お母様は胸に手を置きフルフルと震えている。
「こんなに似合ってくれてありがとう。ドレスも喜んでいるわ」
「は、母上。公爵家が昔のドレスを着て陛下主催のパーティに出るなんて・・・」
「兄様、スタンピードは終息したとはいえ、家を壊され被害を被った方々はまだ多くいらっしゃるのでしょう?あまり過度な贅沢は慎むべきではないでしょうか?」
「マ、マリ・・・」
出せる限りの言葉を使い、私は何とかこのドレスを着ることを認めさせようとした。これ以上ドレスについて考えたくはない。ドレス問題を終息させなくてはいけないのだ。
「わかった、父上と兄上を説得しよう」
何とかフランツ兄様も納得してくれた。あとは宝石問題だろう。また、おかしなネーミングが出てくるのだろうか。どんな宝石か想像できないのが困るが、ここまで来たらどうにかなるだろう。安心して私は紅茶を飲んだのだった。
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