ルビーの帰る場所［完結］

8

ルビーは星空を見ていた。
仰向けになって見ていた。
辺りは焚き火の光以外は静かな暗闇だった。
きれいなきれいな輝く星を。

ノックは夕餉を食べた後に簡単なテントを立ち上げている。
ノックはとても慣れた手つきで立ち上げていく。
ルビーは変わらず星空を見続ける。
ノックはルビーを呼んだ。
「もう寝るよ。明日も早い。」
ルビーは星空を見ながら答えた。
「まだ見ていたい。距離は遠いのにこんなに見えてしまうんだ。星の光は不思議。」
ノックはルビーの側に行って腰を下ろした。
「そうだな。星の光は不思議だね。」
ノックもしばらくルビーと一緒に眺めた。
「ルビー。星は自分で光っているものと他の星の光で輝くものもあるんだよ。これは人にも当てはまる。」
ルビーは静かに頷いた。
ノックは続けて言った。
「そう。人も誰かを支えて支えられてるんだ。ルビー、忘れないでおくれ。」
「うん。」