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私、ライオネル様に相応しくないのでしょうか? ※ルーシー視点
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そんなタイミングではない、とライオネル様にお伝えするチャンスを棒に振った報いでしょうか? 私は泣きそうになる気持ちを抑えるのに精一杯でした。
玄関の掃除をしていると、馬車の音が近づきます。玄関の大きな窓から外を見れば、馬車がお屋敷に止まるところでした。
日が落ちかけたこの時間、今日はもう誰もお客様は来ない予定だったはずです。首をひねりながら、リチャードさんを呼びに行こうとする前に、玄関の扉が開けられました。
扉を押さえる男性の横から、綺麗なドレスを着たご令嬢がお屋敷に入って来ます。
艶やかな黒髪を綺麗に結い、控えめだけれどしっかりとメイクをしたそのお顔は、とても女性らしく魅力的です。
ご令嬢は私を見つけると、上品に歩み寄ってきました。
「貴女、こちらのお屋敷の使用人かしら? ライオネルはいらっしゃる?」
「……ただいまお仕事に行かれています」
ライオネル、と呼び捨てで呼ばれたことが気にかかり、返事が少し遅れます。
「そう、帰りは遅いのかしら?」
「恐らくもうすぐ帰っていらっしゃるかと思います」
「それなら、このまま待つわ」
見た目とは裏腹に、ご令嬢らしい毅然とした態度で決められましたので、私は彼女を応接室にご案内します。お辞儀をし、お飲み物をお持ちしようと退出すると、珍しく渋い顔をしたリチャードさんが廊下で私を待っていました。
「……彼女はなんと?」
「このままライオネル様をお待ちするそうです」
「そうですか、一応私もここに控えていますから、何かあったら言うんですよ」
「……はい」
リチャードさんがわざわざ待機するということは、よほど大事なお客様か厄介なお客様のどちらかです。なんとなく胸騒ぎを覚えながら、私はお茶を入れにキッチンへと向かいます。
お茶を載せたワゴンと一緒に応接室の前まで戻れば、リチャードさんがわざわざ扉を開けてくださいます。ライオネル様はもう戻られたそうで、既にお客様とお会いしているそうです。
念のためカップを2客用意してよかったと思いながら、入室すれば、思いもよらない光景が目の前に飛び込んできました。
ご令嬢がライオネル様と抱き合っていたのです。
ライオネル様はこちらに背を向けていましたので、私からはそのご様子は分かりませんが、ご令嬢は私と目が合うと、にっこりと微笑みました。その幸せそうな笑みに、胸が痛みます。
「失礼いたします、お茶をお持ちいたしました」
ご令嬢にも気付かれていなければ、ここは気を利かせて、何も言わずに退出すべきなのでしょうが、既に顔を見られていますので、気まずく思いながらもお伝えします。自分のことながら、可愛げがないと思いましたが、8年かけて身に着けたメイドとしての振る舞いは、そう簡単に崩れません。
私の言葉に、ハッとライオネル様は身をひるがえし、ご令嬢から距離をとります。
テーブルにお茶とカップ、簡単なお茶菓子を並べ、お茶を注ぎ終えると、とりあえずの私の役目は終わりますが、そのまま用事があった時のために、部屋に控えていなくてはいけません。
このまま、ご令嬢とライオネル様が仲良くされているのを見ていなくてはいけない、そう思うと目の前が暗くなり、そのまま倒れそうな気がしました。
「彼女には出ていてもらったほうがいいかしら?」
思わず額に手を当てる私に、追い打ちをかけるようにご令嬢の楽しげな声が聞こえます。
「はい、私は退出させて頂きます」
ライオネル様がご令嬢に何事かお返事をされようとしているのを感じましたが、とっさに言葉が私の口から出ます。ライオネル様が何と返事をされるのか、聞きたくありませんでした。
今の自分の顔を見られたくなく、俯いたまま退出すれば、リチャードさんが私のおかしな様子を気にかけてくださいます。
「ルーシー」
「すみません、具合が悪くなってしまって。部屋に戻らせて頂いてもよろしいでしょうか」
リチャードさんも、ライオネル様が私にプロポーズをしたことはもちろんご存知です。それでも、今までそのことに関して何かお話をしたことはありませんでした。
それなのに、応接室でのやりとりを察したのか、リチャードさんは小さく頷いてくださいます。
「私が中で控えていましょう」
だから大丈夫だ、と言っているようなリチャードさんの瞳に、思わず泣きそうになります。お礼を言おうとすると、リチャードさんが廊下の奥を見て、何かに気が付かれたような顔をします。
「おや、ちょうどいい、ハロルド。ルーシーが具合が悪いので、部屋へ送ってあげてください」
リチャードさんの言葉に私が思わず振り返れば、心配そうな顔でこちらに駆けつけるハロルドの姿があります。
「それでは、私は行きます」
リチャードさんがそう言って応接室の中へ入ってしまえば、その場にはハロルドと私が取り残されます。
「ルーシー、どうしたんだ? とりあえず部屋へ行こう」
ハロルドは私の肩を抱いて、部屋の方へと歩きだします。大丈夫だと言おうとしましたが、ショックのあまり眩暈までしたので、ハロルドに甘えて支えてもらいながら歩きます。私の様子を気遣ってか、ハロルドは何があったのかは聞きません。
その沈黙が重く、部屋までの距離がとても長く感じました。
部屋に到着すると、ハロルドは私をベッドに寝かせてくれようとします。しかし、この体調不良は気持ちから来るものですから、それを断ってベッドに腰かけます。
「大丈夫か?」
「大丈夫よ」
「……何があった? ライオネル様に客人だろ?」
「そのお客様と、ライオネル様が抱き合っていたから。綺麗で華やかで、貴族のご令嬢という感じだったわ。分かっていたけど、私とは全然違う」
私の暗い声に、ハロルドは目を丸くした後、おかしそうに笑いだしました。
別にハロルドがショックを受けるようなことではありませんが、笑われたのは癪で、つい語気が荒くなります。
「なんで笑うの」
「いや、ルーシーはやっぱりライオネル様が好きなんだなと思って」
「なんで」
「何で気が付いたかって? そりゃあそんな具合が悪くなるくらいヤキモチ妬いたり、キスしているところを見ればね」
ハロルドの言葉に今度は私が目を丸くしました。
「見てたの!?」
「見間違いや勘違いならよかったんだけど、どうも違うらしいから」
ハロルドは苦笑しながら、私が膝に置いていた手を握ります。
「でも、ルーシーが見たのは何かの勘違いだよ。あの人が、他の女性を抱きしめるわけない。大方無理やり抱き着かれでもしたんだろ」
「そうかしら」
「そうだよ、いつまでも疑っていたら、ライオネル様のお前に対する気持ちまで疑うことになるんだぞ。ライオネル様が好きだといったのは、お前だろう? 華やかで綺麗なドレスを着た令嬢じゃなくて」
真剣な声色に顔を上げれば、ハロルドはじっと私の顔を見つめています。その顔は、幼い私が愚痴を言っているのを聞いてくれるあの兄のような顔でした。
確かにそうです。ライオネル様は、私にプロポーズをしてくださった時からずっと、そのお気持ちをストレートに伝えてくれていました。私がこうしてうじうじといつまでも悩んでいることは、そのライオネル様を否定することです。
「そうだよね、ごめんなさい。弱気になってたみたい」
「分かったならいい、早く行けよ」
「うん!あ、」
応接室に戻ろうと立ち上がりかけて、慌ててハロルドに向き直ります。
「ずっと言わないといけなかったのに、逃げていてごめんなさい。私、ライオネル様のことが好き。……これは自分の言葉で言わないといけないと思ったから。だから、ハロルドとは結婚できません。でも、ハロルドに好きになってもらって嬉しかった、好きと言ってもらえてよかった。ありがとう」
ずっと言わないといけなかったことを、ハロルドのダークグレーの瞳を見つめて言います。声が少し震えましたが、伝えなくてはいけないことは、すべて伝えられました。
ハロルドは、少し視線を彷徨わせた後、どういたしまして、と小さく呟いて、俯いてしまいました。鈍感な私でも、もうここから去った方がいいことは分かります。
「ハロルド、私行くね」
小さく頷いてくれたハロルドを味方に、今度こそ、ライオネル様に私の気持ちを伝える番です。
玄関の掃除をしていると、馬車の音が近づきます。玄関の大きな窓から外を見れば、馬車がお屋敷に止まるところでした。
日が落ちかけたこの時間、今日はもう誰もお客様は来ない予定だったはずです。首をひねりながら、リチャードさんを呼びに行こうとする前に、玄関の扉が開けられました。
扉を押さえる男性の横から、綺麗なドレスを着たご令嬢がお屋敷に入って来ます。
艶やかな黒髪を綺麗に結い、控えめだけれどしっかりとメイクをしたそのお顔は、とても女性らしく魅力的です。
ご令嬢は私を見つけると、上品に歩み寄ってきました。
「貴女、こちらのお屋敷の使用人かしら? ライオネルはいらっしゃる?」
「……ただいまお仕事に行かれています」
ライオネル、と呼び捨てで呼ばれたことが気にかかり、返事が少し遅れます。
「そう、帰りは遅いのかしら?」
「恐らくもうすぐ帰っていらっしゃるかと思います」
「それなら、このまま待つわ」
見た目とは裏腹に、ご令嬢らしい毅然とした態度で決められましたので、私は彼女を応接室にご案内します。お辞儀をし、お飲み物をお持ちしようと退出すると、珍しく渋い顔をしたリチャードさんが廊下で私を待っていました。
「……彼女はなんと?」
「このままライオネル様をお待ちするそうです」
「そうですか、一応私もここに控えていますから、何かあったら言うんですよ」
「……はい」
リチャードさんがわざわざ待機するということは、よほど大事なお客様か厄介なお客様のどちらかです。なんとなく胸騒ぎを覚えながら、私はお茶を入れにキッチンへと向かいます。
お茶を載せたワゴンと一緒に応接室の前まで戻れば、リチャードさんがわざわざ扉を開けてくださいます。ライオネル様はもう戻られたそうで、既にお客様とお会いしているそうです。
念のためカップを2客用意してよかったと思いながら、入室すれば、思いもよらない光景が目の前に飛び込んできました。
ご令嬢がライオネル様と抱き合っていたのです。
ライオネル様はこちらに背を向けていましたので、私からはそのご様子は分かりませんが、ご令嬢は私と目が合うと、にっこりと微笑みました。その幸せそうな笑みに、胸が痛みます。
「失礼いたします、お茶をお持ちいたしました」
ご令嬢にも気付かれていなければ、ここは気を利かせて、何も言わずに退出すべきなのでしょうが、既に顔を見られていますので、気まずく思いながらもお伝えします。自分のことながら、可愛げがないと思いましたが、8年かけて身に着けたメイドとしての振る舞いは、そう簡単に崩れません。
私の言葉に、ハッとライオネル様は身をひるがえし、ご令嬢から距離をとります。
テーブルにお茶とカップ、簡単なお茶菓子を並べ、お茶を注ぎ終えると、とりあえずの私の役目は終わりますが、そのまま用事があった時のために、部屋に控えていなくてはいけません。
このまま、ご令嬢とライオネル様が仲良くされているのを見ていなくてはいけない、そう思うと目の前が暗くなり、そのまま倒れそうな気がしました。
「彼女には出ていてもらったほうがいいかしら?」
思わず額に手を当てる私に、追い打ちをかけるようにご令嬢の楽しげな声が聞こえます。
「はい、私は退出させて頂きます」
ライオネル様がご令嬢に何事かお返事をされようとしているのを感じましたが、とっさに言葉が私の口から出ます。ライオネル様が何と返事をされるのか、聞きたくありませんでした。
今の自分の顔を見られたくなく、俯いたまま退出すれば、リチャードさんが私のおかしな様子を気にかけてくださいます。
「ルーシー」
「すみません、具合が悪くなってしまって。部屋に戻らせて頂いてもよろしいでしょうか」
リチャードさんも、ライオネル様が私にプロポーズをしたことはもちろんご存知です。それでも、今までそのことに関して何かお話をしたことはありませんでした。
それなのに、応接室でのやりとりを察したのか、リチャードさんは小さく頷いてくださいます。
「私が中で控えていましょう」
だから大丈夫だ、と言っているようなリチャードさんの瞳に、思わず泣きそうになります。お礼を言おうとすると、リチャードさんが廊下の奥を見て、何かに気が付かれたような顔をします。
「おや、ちょうどいい、ハロルド。ルーシーが具合が悪いので、部屋へ送ってあげてください」
リチャードさんの言葉に私が思わず振り返れば、心配そうな顔でこちらに駆けつけるハロルドの姿があります。
「それでは、私は行きます」
リチャードさんがそう言って応接室の中へ入ってしまえば、その場にはハロルドと私が取り残されます。
「ルーシー、どうしたんだ? とりあえず部屋へ行こう」
ハロルドは私の肩を抱いて、部屋の方へと歩きだします。大丈夫だと言おうとしましたが、ショックのあまり眩暈までしたので、ハロルドに甘えて支えてもらいながら歩きます。私の様子を気遣ってか、ハロルドは何があったのかは聞きません。
その沈黙が重く、部屋までの距離がとても長く感じました。
部屋に到着すると、ハロルドは私をベッドに寝かせてくれようとします。しかし、この体調不良は気持ちから来るものですから、それを断ってベッドに腰かけます。
「大丈夫か?」
「大丈夫よ」
「……何があった? ライオネル様に客人だろ?」
「そのお客様と、ライオネル様が抱き合っていたから。綺麗で華やかで、貴族のご令嬢という感じだったわ。分かっていたけど、私とは全然違う」
私の暗い声に、ハロルドは目を丸くした後、おかしそうに笑いだしました。
別にハロルドがショックを受けるようなことではありませんが、笑われたのは癪で、つい語気が荒くなります。
「なんで笑うの」
「いや、ルーシーはやっぱりライオネル様が好きなんだなと思って」
「なんで」
「何で気が付いたかって? そりゃあそんな具合が悪くなるくらいヤキモチ妬いたり、キスしているところを見ればね」
ハロルドの言葉に今度は私が目を丸くしました。
「見てたの!?」
「見間違いや勘違いならよかったんだけど、どうも違うらしいから」
ハロルドは苦笑しながら、私が膝に置いていた手を握ります。
「でも、ルーシーが見たのは何かの勘違いだよ。あの人が、他の女性を抱きしめるわけない。大方無理やり抱き着かれでもしたんだろ」
「そうかしら」
「そうだよ、いつまでも疑っていたら、ライオネル様のお前に対する気持ちまで疑うことになるんだぞ。ライオネル様が好きだといったのは、お前だろう? 華やかで綺麗なドレスを着た令嬢じゃなくて」
真剣な声色に顔を上げれば、ハロルドはじっと私の顔を見つめています。その顔は、幼い私が愚痴を言っているのを聞いてくれるあの兄のような顔でした。
確かにそうです。ライオネル様は、私にプロポーズをしてくださった時からずっと、そのお気持ちをストレートに伝えてくれていました。私がこうしてうじうじといつまでも悩んでいることは、そのライオネル様を否定することです。
「そうだよね、ごめんなさい。弱気になってたみたい」
「分かったならいい、早く行けよ」
「うん!あ、」
応接室に戻ろうと立ち上がりかけて、慌ててハロルドに向き直ります。
「ずっと言わないといけなかったのに、逃げていてごめんなさい。私、ライオネル様のことが好き。……これは自分の言葉で言わないといけないと思ったから。だから、ハロルドとは結婚できません。でも、ハロルドに好きになってもらって嬉しかった、好きと言ってもらえてよかった。ありがとう」
ずっと言わないといけなかったことを、ハロルドのダークグレーの瞳を見つめて言います。声が少し震えましたが、伝えなくてはいけないことは、すべて伝えられました。
ハロルドは、少し視線を彷徨わせた後、どういたしまして、と小さく呟いて、俯いてしまいました。鈍感な私でも、もうここから去った方がいいことは分かります。
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