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コンコン、と扉がノックされ、執事が父を連れ立ってくる。優しい目元やブルーの瞳は前世のままだが、どこか憔悴しているように見えた。
私は慌ててソファーから立ち上がり、礼をすると、父が片手を上げるのが目の端で見えた。
「座ってくれ、ごめん、迎えに来るのがこんなに遅くなって」
泣きそうな、懇願するような父の声に私は驚いた。
前世で迎えに来た時は、もっと落ち着いていたと思ったのに。
「あの、タリス伯爵様……私が貴方の娘というのは本当でしょうか?」
前世の父とのやりとりを思い返しながら尋ねれば、父は小さく頷いた。
「ああ、君のお母さん、エイダは元々私のお屋敷のメイドだったんだよ」
父は私の産まれた経緯について話してくれた。大部分は前世と同じだったが、やはり異なる部分がある。同じ人生でも、行動によって変化があるようだった。
父、バーナードは元々伯爵家の次男で、ゆくゆくは学者をするつもりだったそうだ。ところが、成人する頃にタリス伯爵令嬢との縁談の話が持ち上がり、いい人もいなかったのでそのまま結婚したらしい。タリス伯爵には子供は娘1人しかおらず、跡継ぎがいなかったのだ。
しかし、バーナードとご令嬢との間に、何年も子供はできなかった。通常この国で子供ができなければ、酷い話だが妻は離縁され、後妻を持つのが一般的だ。でも、父の場合は婿養子だったため、そうはいかず、夫婦の間は冷めていったらしい。
ここが前世との違いだった。前世では、バーナードの夫婦仲は悪くなく、バーナードは気まぐれで母、エイダに手を出し、私を宿した母は伯爵家を自ら辞めた。エイダに執着がなかったバーナードはもちろん追い掛けるようなこともせず、タリス伯爵が亡くなったタイミングで、跡継ぎの必要さに駆られて私に会いに来た。
そのため、前世では父の妻であるタリス伯爵夫人と、私が出てこなければ跡継ぎになるはずだった、タリス伯爵家の分家筋の長男の当たりがとてもきつかった。
しかし今世では、妻の愛情が離れている時に、バーナードは当時タリス伯爵家にメイドとして入ったエイダに心惹かれるようになった。エイダのいつでも一生懸命で、明るい笑顔にバーナードは惹かれていき、ついにエイダに思いを伝えるに至ったが、エイダは奥様に悪いとすぐに断った。
そこでバーナードは、離縁や実家と縁が切れるのも覚悟して妻に話したのだが、妻はそのことに激怒し、エイダはタリス伯爵家を辞めさせられたそうだ。私は父と母が別れの時に1度だけ関係を持った時にできた子で、父は私の存在を最近知ったらしい。
そして何より驚くことに、父の妻とタリス伯爵は最近亡くなったそうだ。前世ではなかった展開に、1番驚いてしまったが、頑張って気の毒そうな顔を繕った。
父はこれで堂々と母を迎えに行けると、私の実家に行き、私の存在を知ったそうで、焦ってアシュクロフト侯爵に連絡を取ったそうだ。母はすでにタリス伯爵邸に移っており、祖父母も離れにいるらしい。
「ヘレナ、君が生まれたことを私は知らなかった。知らなかったで済まされる事ではないことは分かっている、でもどうか、私に罪を償うチャンスをくれないだろうか」
父の悲痛な言葉に、思わず頷いてしまいそうになって、私は慌てて首を振った。
父が私と母に償いたいと思うのと同じくらい、私もグローリアさんに償いたいと思っている。今ここで父の誘いに乗って、アシュクロフト侯爵家を辞すれば、それは叶わない。
「タリス伯爵様、私は12歳よりアシュクロフト侯爵家でお世話になっておりました。最近、お嬢様であるグローリア様の侍女となり、仕事にも責任を感じております」
父の目を見て言えば、父は目を丸くする。
もし、前世と同じ状態で私が同じことを言ったとしたらどうだったろうか、父は必然に駆られてきたとはいえ、生意気な言葉に、血の繋がりはない分家筋の男を跡取りとしたかもしれない。けれど、
「……そうか、ヘレナが望むだけグローリア様の侍女を続けてくれて構わないが、どうか伯爵家の娘としての教育だけでも受けてくれないだろうか。伯爵家の娘という肩書きがあれば、良い縁談もあるだろう。アシュクロフト侯爵にはヘレナに淑女教育を受けさせてもらえないか聞いてみよう」
父の言葉に私は心から頭を下げた。思っていた以上に事態はいい方向へと進んでいる。これはもしかしたら、グローリアさんびいきの神様のおかげもあるのだろうか。贔屓したくなる神様の気持ちも分からなくないけれど。
「ヘレナ! 私の侍女を辞めてしまうの……?」
俯きながら喜びを噛みしめていると、扉が大きく開かれ、執事と焦った様子の侍女のローナさんを引き連れたグローリアさんが現れた。
どこかから私が今日仕事ができない理由を聞き、やって来たらしい。
「グローリア様!?」
「メイドよりもお嬢様として暮らす方がいいものね、でも、私、貴女のこと……」
涙を浮かべて私を見るグローリアさんに、私ははてなを浮かべながら、執事とローナさんの顔を交互に見やる。ローナさんは困ったようにグローリアさんを宥めるだけだったけど、執事は口を開いてくれた。
「グローリアお嬢様は、ヘレナさんがお屋敷を辞めると思っているのです」
「そんなこと、私は侍女はやめませんと、今タリス伯爵様にも宣言したところです」
「それは……いいのですか?」
私と父の顔を交互に見て、執事が困ったような顔をした。私が侍女を続けると決めたことは、ずっと冷静で表情も変わらなかった執事さえ、困惑させたのだろう。
「アシュクロフト侯爵にはこれからお願いをしようと思うのですが、淑女教育をこちらで受けさせて頂きながら、仕事を続けさせてやりたいのです」
「それは旦那様も喜ぶかもしれません。グローリアお嬢様はこれから社交界デビューされるのですが、それを旦那様も奥様も心配されていたのです。しかし、年も近いヘレナさんに心を許しておりますから、ヘレナさんがこちらに残って、一緒に淑女教育を受け、一緒に夜会やパーティーに出席するのなら、それは心強いでしょう」
「まあ、本当ね。私、そうしたいわ! ヘレナ?」
グローリアさんに縋りつくように見られては答えは決まったようなものだ。そもそも、夜会にまでご一緒できるのは、私にとっても好都合だ。
「タリス伯爵様、よろしいでしょうか?」
私の言葉に、父は私によく似た瞳を細めて、頷いた。
私は慌ててソファーから立ち上がり、礼をすると、父が片手を上げるのが目の端で見えた。
「座ってくれ、ごめん、迎えに来るのがこんなに遅くなって」
泣きそうな、懇願するような父の声に私は驚いた。
前世で迎えに来た時は、もっと落ち着いていたと思ったのに。
「あの、タリス伯爵様……私が貴方の娘というのは本当でしょうか?」
前世の父とのやりとりを思い返しながら尋ねれば、父は小さく頷いた。
「ああ、君のお母さん、エイダは元々私のお屋敷のメイドだったんだよ」
父は私の産まれた経緯について話してくれた。大部分は前世と同じだったが、やはり異なる部分がある。同じ人生でも、行動によって変化があるようだった。
父、バーナードは元々伯爵家の次男で、ゆくゆくは学者をするつもりだったそうだ。ところが、成人する頃にタリス伯爵令嬢との縁談の話が持ち上がり、いい人もいなかったのでそのまま結婚したらしい。タリス伯爵には子供は娘1人しかおらず、跡継ぎがいなかったのだ。
しかし、バーナードとご令嬢との間に、何年も子供はできなかった。通常この国で子供ができなければ、酷い話だが妻は離縁され、後妻を持つのが一般的だ。でも、父の場合は婿養子だったため、そうはいかず、夫婦の間は冷めていったらしい。
ここが前世との違いだった。前世では、バーナードの夫婦仲は悪くなく、バーナードは気まぐれで母、エイダに手を出し、私を宿した母は伯爵家を自ら辞めた。エイダに執着がなかったバーナードはもちろん追い掛けるようなこともせず、タリス伯爵が亡くなったタイミングで、跡継ぎの必要さに駆られて私に会いに来た。
そのため、前世では父の妻であるタリス伯爵夫人と、私が出てこなければ跡継ぎになるはずだった、タリス伯爵家の分家筋の長男の当たりがとてもきつかった。
しかし今世では、妻の愛情が離れている時に、バーナードは当時タリス伯爵家にメイドとして入ったエイダに心惹かれるようになった。エイダのいつでも一生懸命で、明るい笑顔にバーナードは惹かれていき、ついにエイダに思いを伝えるに至ったが、エイダは奥様に悪いとすぐに断った。
そこでバーナードは、離縁や実家と縁が切れるのも覚悟して妻に話したのだが、妻はそのことに激怒し、エイダはタリス伯爵家を辞めさせられたそうだ。私は父と母が別れの時に1度だけ関係を持った時にできた子で、父は私の存在を最近知ったらしい。
そして何より驚くことに、父の妻とタリス伯爵は最近亡くなったそうだ。前世ではなかった展開に、1番驚いてしまったが、頑張って気の毒そうな顔を繕った。
父はこれで堂々と母を迎えに行けると、私の実家に行き、私の存在を知ったそうで、焦ってアシュクロフト侯爵に連絡を取ったそうだ。母はすでにタリス伯爵邸に移っており、祖父母も離れにいるらしい。
「ヘレナ、君が生まれたことを私は知らなかった。知らなかったで済まされる事ではないことは分かっている、でもどうか、私に罪を償うチャンスをくれないだろうか」
父の悲痛な言葉に、思わず頷いてしまいそうになって、私は慌てて首を振った。
父が私と母に償いたいと思うのと同じくらい、私もグローリアさんに償いたいと思っている。今ここで父の誘いに乗って、アシュクロフト侯爵家を辞すれば、それは叶わない。
「タリス伯爵様、私は12歳よりアシュクロフト侯爵家でお世話になっておりました。最近、お嬢様であるグローリア様の侍女となり、仕事にも責任を感じております」
父の目を見て言えば、父は目を丸くする。
もし、前世と同じ状態で私が同じことを言ったとしたらどうだったろうか、父は必然に駆られてきたとはいえ、生意気な言葉に、血の繋がりはない分家筋の男を跡取りとしたかもしれない。けれど、
「……そうか、ヘレナが望むだけグローリア様の侍女を続けてくれて構わないが、どうか伯爵家の娘としての教育だけでも受けてくれないだろうか。伯爵家の娘という肩書きがあれば、良い縁談もあるだろう。アシュクロフト侯爵にはヘレナに淑女教育を受けさせてもらえないか聞いてみよう」
父の言葉に私は心から頭を下げた。思っていた以上に事態はいい方向へと進んでいる。これはもしかしたら、グローリアさんびいきの神様のおかげもあるのだろうか。贔屓したくなる神様の気持ちも分からなくないけれど。
「ヘレナ! 私の侍女を辞めてしまうの……?」
俯きながら喜びを噛みしめていると、扉が大きく開かれ、執事と焦った様子の侍女のローナさんを引き連れたグローリアさんが現れた。
どこかから私が今日仕事ができない理由を聞き、やって来たらしい。
「グローリア様!?」
「メイドよりもお嬢様として暮らす方がいいものね、でも、私、貴女のこと……」
涙を浮かべて私を見るグローリアさんに、私ははてなを浮かべながら、執事とローナさんの顔を交互に見やる。ローナさんは困ったようにグローリアさんを宥めるだけだったけど、執事は口を開いてくれた。
「グローリアお嬢様は、ヘレナさんがお屋敷を辞めると思っているのです」
「そんなこと、私は侍女はやめませんと、今タリス伯爵様にも宣言したところです」
「それは……いいのですか?」
私と父の顔を交互に見て、執事が困ったような顔をした。私が侍女を続けると決めたことは、ずっと冷静で表情も変わらなかった執事さえ、困惑させたのだろう。
「アシュクロフト侯爵にはこれからお願いをしようと思うのですが、淑女教育をこちらで受けさせて頂きながら、仕事を続けさせてやりたいのです」
「それは旦那様も喜ぶかもしれません。グローリアお嬢様はこれから社交界デビューされるのですが、それを旦那様も奥様も心配されていたのです。しかし、年も近いヘレナさんに心を許しておりますから、ヘレナさんがこちらに残って、一緒に淑女教育を受け、一緒に夜会やパーティーに出席するのなら、それは心強いでしょう」
「まあ、本当ね。私、そうしたいわ! ヘレナ?」
グローリアさんに縋りつくように見られては答えは決まったようなものだ。そもそも、夜会にまでご一緒できるのは、私にとっても好都合だ。
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