20 / 59
盛夏の府立植物園
しおりを挟む
少し前の話になりますが、8月に入った頃に府立植物園に行ってきました。
甲子園球場6個分(240000㎡)に12000種の植物が植えられている京都府立植物園。
夏の真っ盛りにも見ごろを迎える花もあるのです。
写真はnoteに掲載しております(※)。
鷲生が酷暑の中でも足を運んで見たいと思ったのがが槐(エンジュ)。
『有職植物図鑑』215頁によると、「古代中国ではエンジュは神木として扱われ」「公卿を意味する単語」となり、日本でも「太政大臣と左右大臣を『槐位』と」呼んだのだそうな。
エンジュは府立植物園の水車の西に一本あります。
花は咲いていましたが、梢の高い位置で香りなどは嗅げませんでしたし、形も詳しくは観察できませんでした。ただ、周囲の地面に花がたくさん落ちていたので、拾って見てました。マメ科の花は共通して独特の形をしていますが、槐もそうでしたよ。
ゴマの花も観て見たかったので四季彩の丘にいくと、オニバスが池に浮かんでいました。『有職植物図鑑』によれば、枕草子で「怖ろしげなもの」に扱われているとか。刺々しい姿や葉を突き破って咲く花の姿によるそうです。
ゴマの花は寄せ植え(?)の中央にあり、結構背が高く(私の胸のあたりくらい?)、花も思っていたより華やかでした(「ゴマ粒」という言葉が小さくて地味な物の例えに使われるので、そんなイメージがありました)
四季彩の丘には農作物も植えられており、キビが穂に実を着けていました。ちかくにサトウキビもありましたよ。そういえばキビなんですよね。
コンニャクもありました。サトイモ科ではありますが、葉っぱが小さく分かれていて、背丈も高く、これも意外な姿でした。
近くにサトイモもあり、こちらは特徴ある葉の形ですぐわかりました。
同じく四季彩の丘には「カワラナデシコ」も咲いていました。『有職植物図鑑』にあるとおり、「5枚の花弁は糸状に細裂」しており、繊細で少しはかなげな感じがします。
ここで「あれ? 撫子ってもっと丸っぽい花びらじゃなかったっけ?」とお思いの方(鷲生もそう思ってました)。それは中国の石竹か西洋撫子のようです。
カワラナデシコのほうが日本に自生しており、ヤマトナデシコはこちらだそうです。
中国の石竹は唐撫子とも呼ばれ、枕草子で褒められてますw
シロウリもあり、「今昔物語集に瓜を食べたがる老人の話があったなー」と思いながら見てきました。
蓮の花もきれいでした。
蓮池から円の中央部に向かう森の中で、ヤマザクラやランシンボクの木をみつけました。ランシンボクは中国では学問の木だそうで、孔子廟によく植えられるそうです。
また、今回は前から探していた、ミズメを植物生態園の西南入口の辺りで見つけました。
『有職植物図鑑』によると「日本の古文献に見られる『梓』をどの木に比定するかは諸説ありましたが、、正倉院の『梓弓』を顕微鏡的に調査した結果、本種ミズメであるという説が有力になりました」とのことです。
独特な匂いがするそうなので、幹に鼻を近づけて見ましたが、残念ながら何の香りもしませんでした(樹を傷つけると匂いが出るそうですが、植物園の植木にそんなことできませんしw)。
植物生態園ではフシグロセンノウやレンゲショウマの花を見てきました。
植物生態園は森の中ですから暑さはマシでしたが、これ以上外にいるのがしんどかったので、南の方の石榴などは今回パスしました……。
立秋を過ぎ、夕方に涼風が立つようになりました。
秋が来たらまた見に行きたいと思います。
*****
※画像は以下のnote記事で見られます。
今回の文章で紹介していないのも載ってますよ~。
盛夏の府立植物園(1)
https://note.com/monmonsiteru/n/nbde773a18309
盛夏の府立植物園(2)
https://note.com/monmonsiteru/n/n635c244e0561
甲子園球場6個分(240000㎡)に12000種の植物が植えられている京都府立植物園。
夏の真っ盛りにも見ごろを迎える花もあるのです。
写真はnoteに掲載しております(※)。
鷲生が酷暑の中でも足を運んで見たいと思ったのがが槐(エンジュ)。
『有職植物図鑑』215頁によると、「古代中国ではエンジュは神木として扱われ」「公卿を意味する単語」となり、日本でも「太政大臣と左右大臣を『槐位』と」呼んだのだそうな。
エンジュは府立植物園の水車の西に一本あります。
花は咲いていましたが、梢の高い位置で香りなどは嗅げませんでしたし、形も詳しくは観察できませんでした。ただ、周囲の地面に花がたくさん落ちていたので、拾って見てました。マメ科の花は共通して独特の形をしていますが、槐もそうでしたよ。
ゴマの花も観て見たかったので四季彩の丘にいくと、オニバスが池に浮かんでいました。『有職植物図鑑』によれば、枕草子で「怖ろしげなもの」に扱われているとか。刺々しい姿や葉を突き破って咲く花の姿によるそうです。
ゴマの花は寄せ植え(?)の中央にあり、結構背が高く(私の胸のあたりくらい?)、花も思っていたより華やかでした(「ゴマ粒」という言葉が小さくて地味な物の例えに使われるので、そんなイメージがありました)
四季彩の丘には農作物も植えられており、キビが穂に実を着けていました。ちかくにサトウキビもありましたよ。そういえばキビなんですよね。
コンニャクもありました。サトイモ科ではありますが、葉っぱが小さく分かれていて、背丈も高く、これも意外な姿でした。
近くにサトイモもあり、こちらは特徴ある葉の形ですぐわかりました。
同じく四季彩の丘には「カワラナデシコ」も咲いていました。『有職植物図鑑』にあるとおり、「5枚の花弁は糸状に細裂」しており、繊細で少しはかなげな感じがします。
ここで「あれ? 撫子ってもっと丸っぽい花びらじゃなかったっけ?」とお思いの方(鷲生もそう思ってました)。それは中国の石竹か西洋撫子のようです。
カワラナデシコのほうが日本に自生しており、ヤマトナデシコはこちらだそうです。
中国の石竹は唐撫子とも呼ばれ、枕草子で褒められてますw
シロウリもあり、「今昔物語集に瓜を食べたがる老人の話があったなー」と思いながら見てきました。
蓮の花もきれいでした。
蓮池から円の中央部に向かう森の中で、ヤマザクラやランシンボクの木をみつけました。ランシンボクは中国では学問の木だそうで、孔子廟によく植えられるそうです。
また、今回は前から探していた、ミズメを植物生態園の西南入口の辺りで見つけました。
『有職植物図鑑』によると「日本の古文献に見られる『梓』をどの木に比定するかは諸説ありましたが、、正倉院の『梓弓』を顕微鏡的に調査した結果、本種ミズメであるという説が有力になりました」とのことです。
独特な匂いがするそうなので、幹に鼻を近づけて見ましたが、残念ながら何の香りもしませんでした(樹を傷つけると匂いが出るそうですが、植物園の植木にそんなことできませんしw)。
植物生態園ではフシグロセンノウやレンゲショウマの花を見てきました。
植物生態園は森の中ですから暑さはマシでしたが、これ以上外にいるのがしんどかったので、南の方の石榴などは今回パスしました……。
立秋を過ぎ、夕方に涼風が立つようになりました。
秋が来たらまた見に行きたいと思います。
*****
※画像は以下のnote記事で見られます。
今回の文章で紹介していないのも載ってますよ~。
盛夏の府立植物園(1)
https://note.com/monmonsiteru/n/nbde773a18309
盛夏の府立植物園(2)
https://note.com/monmonsiteru/n/n635c244e0561
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
