京都に住んで和風ファンタジー(時には中華風)の取材などする日記

washusatomi

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盛夏の府立植物園

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 少し前の話になりますが、8月に入った頃に府立植物園に行ってきました。


 甲子園球場6個分(240000㎡)に12000種の植物が植えられている京都府立植物園。
 夏の真っ盛りにも見ごろを迎える花もあるのです。

 写真はnoteに掲載しております(※)。

 鷲生が酷暑の中でも足を運んで見たいと思ったのがが槐(エンジュ)。

『有職植物図鑑』215頁によると、「古代中国ではエンジュは神木として扱われ」「公卿を意味する単語」となり、日本でも「太政大臣と左右大臣を『槐位』と」呼んだのだそうな。

 エンジュは府立植物園の水車の西に一本あります。

 花は咲いていましたが、梢の高い位置で香りなどは嗅げませんでしたし、形も詳しくは観察できませんでした。ただ、周囲の地面に花がたくさん落ちていたので、拾って見てました。マメ科の花は共通して独特の形をしていますが、槐もそうでしたよ。

 ゴマの花も観て見たかったので四季彩の丘にいくと、オニバスが池に浮かんでいました。『有職植物図鑑』によれば、枕草子で「怖ろしげなもの」に扱われているとか。刺々しい姿や葉を突き破って咲く花の姿によるそうです。

 ゴマの花は寄せ植え(?)の中央にあり、結構背が高く(私の胸のあたりくらい?)、花も思っていたより華やかでした(「ゴマ粒」という言葉が小さくて地味な物の例えに使われるので、そんなイメージがありました)

 四季彩の丘には農作物も植えられており、キビが穂に実を着けていました。ちかくにサトウキビもありましたよ。そういえばキビなんですよね。

 コンニャクもありました。サトイモ科ではありますが、葉っぱが小さく分かれていて、背丈も高く、これも意外な姿でした。

 近くにサトイモもあり、こちらは特徴ある葉の形ですぐわかりました。

 同じく四季彩の丘には「カワラナデシコ」も咲いていました。『有職植物図鑑』にあるとおり、「5枚の花弁は糸状に細裂」しており、繊細で少しはかなげな感じがします。

 ここで「あれ? 撫子ってもっと丸っぽい花びらじゃなかったっけ?」とお思いの方(鷲生もそう思ってました)。それは中国の石竹か西洋撫子のようです。

 カワラナデシコのほうが日本に自生しており、ヤマトナデシコはこちらだそうです。

 中国の石竹は唐撫子とも呼ばれ、枕草子で褒められてますw

 シロウリもあり、「今昔物語集に瓜を食べたがる老人の話があったなー」と思いながら見てきました。

 蓮の花もきれいでした。

 蓮池から円の中央部に向かう森の中で、ヤマザクラやランシンボクの木をみつけました。ランシンボクは中国では学問の木だそうで、孔子廟によく植えられるそうです。

 また、今回は前から探していた、ミズメを植物生態園の西南入口の辺りで見つけました。

『有職植物図鑑』によると「日本の古文献に見られる『梓』をどの木に比定するかは諸説ありましたが、、正倉院の『梓弓』を顕微鏡的に調査した結果、本種ミズメであるという説が有力になりました」とのことです。

 独特な匂いがするそうなので、幹に鼻を近づけて見ましたが、残念ながら何の香りもしませんでした(樹を傷つけると匂いが出るそうですが、植物園の植木にそんなことできませんしw)。

 植物生態園ではフシグロセンノウやレンゲショウマの花を見てきました。

 植物生態園は森の中ですから暑さはマシでしたが、これ以上外にいるのがしんどかったので、南の方の石榴などは今回パスしました……。

 立秋を過ぎ、夕方に涼風が立つようになりました。
 秋が来たらまた見に行きたいと思います。

 *****

 ※画像は以下のnote記事で見られます。
 今回の文章で紹介していないのも載ってますよ~。
 盛夏の府立植物園(1)
 https://note.com/monmonsiteru/n/nbde773a18309
 盛夏の府立植物園(2)
 https://note.com/monmonsiteru/n/n635c244e0561
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