京都に住んで和風ファンタジー(時には中華風)の取材などする日記

washusatomi

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土御門邸と蘆山寺(源氏物語執筆の地)に行きました。

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 鷲生は去年くらいまで寺町通の南北を往復する用事が月に1,2回ありまして。
 寺町通にある「源氏物語執筆の地」という看板を掲げた蘆山寺の前を、何度も何度も自転車で通り過ぎておりました。

 しかしながら、「いつか中に入ってみよう」と思いつつ機を逸したままでいたのです。
 東京の人だって、東京タワーに昇ったことのない人が多いのではないでしょうか。
「いつでも行ける」と思っていると、なかなか行かないものですよね……。

 しかし今年2024年のNHK大河ドラマは「光る君へ」。
「だったら今年こそは行かなくては!」
 そう思ったのものの、もう11月。

 そこに、鷲生の重い腰を上げるお知らせが届いたのです。
 今月に入り、鷲生のXのタイムラインに、京都御苑広報部からの「西園寺邸跡のマユミにピンクの実がなり、メジロが食べに来ています」とのポストが流れてきました(※1)。
 やだ、なにそれ。見たいじゃないですかw
 植物の見頃は限られてますから自転車をとばして京都御所へ。そしてその東のエリアにある土御門邸跡、そのさらに東の蘆山寺とをめぐることにしました。

 マユミは古くからある和風ファンタジーに使えそうな木です(詳しくは※2)。
 メジロはみられませんでしたが、カワイイ色の実でしたよ!(写真はnoteに投稿しています。※3)

 西園寺邸は京都御苑の中の西南の方にあり、そこから御所の建礼門の前を通って東北に向かい、土御門邸跡まで行きました。

 土御門邸は倫子さまの実家で、「光る君へ」では、「まひろ」が若い頃倫子様の開催する「学びの会」に出席してたという設定です。そのシーンがこの土御門邸(のはずです)。
 まひろが学才に基づき小難しいことを口にして、場が白けた時、黒木華さん演じる倫子様が「まあ、まひろさんは漢字がお得意なのね、おほほほ~」と空気を変えてたアノ場所ですw

 また、倫子様と道長の娘の彰子さまの実家であり、彰子様が敦成親王を出産するのもここです。
 この出産を書き記したのが紫式部日記であり、出産のお祝いの宴会で貴族が乱痴気騒ぎしてたり、彰子様が源氏物語の製本をしたりというエピソードもこの土御門邸です。「光る君へ」でも出てきましたね~。

 当然、「光る君へ」紀行でも取り上げられています(※4)。

 今は京都御苑内に立札だけがあります。
 ただの野原ですが、ここに道長や彰子が住んでいた、紫式部が働いていたと思うと感慨深いですねえ……。

 そうそう、鷲生はこの秋から『枕草子』『源氏物語』を読んでるんですよ。
 1990年代に出版された『新編日本古典文学全集』を古書で買っています。た、高いですが……。

 今回のお出かけに、その『源氏物語』の本持って行きましたよ~。
 近年、京都御苑に、和モダンの素敵な建築の休憩所が整備されるようになりました。土御門邸跡の近くにもあるようなので、そこで『源氏物語』を読もうと思ったのです。

 その京都御苑の清和休憩所は、そのすぐ北に建設された京都迎賓館の受付も兼ねているようで少し人が多くて騒がしかったですが、2,3ページは読めました。
 いや~、土御門邸跡で読む『源氏物語』は格別でしたわあ~。

「光る君へ」効果で、土御門邸跡と蘆山寺とを回る方も増えたようで、Xその他で発信なさっているのを見かけます。
 道長や倫子のいた土御門邸跡と、紫式部が暮らしていた蘆山寺は、実はとても近いです。徒歩10分もないくらい。
「光る君へ」ではすごく遠い感じがしますけれど(物理的に近くても心理的な距離はあったということかもしれません)。
 もちろんこの蘆山寺も「光る君へ」紀行で取り上げられています(※5)。

 蘆山寺はずっと「紫式部の邸宅」跡として存続していたわけではありません。

 蘆山寺自体は古い由緒のあるお寺です。蘆山寺の方の説明にもありましたが、紫式部より古い時代の良源という僧侶が開いたもので、場所も別のところにありました。
 豊臣秀吉の頃にこの場所に移ってきて、そして近代になって角田文衛さん(すっごくエライ学者様です)により、「この場所が紫式部の邸宅だ」とされ、以来「源氏物語執筆の地」として知られています。
(曽祖父の藤原兼輔の邸宅があった場所です)。

 平安時代の遺構が残っているわけではありませんが、土御門跡と同じく、この同じ空間にかつて紫式部がいたのだ……と思うとやはり独特の感慨がありますね……。

 蘆山寺の入り口には、黄金の紫式部像があります。
「光る君へ」で紫式部の夫、藤原宣孝を演じた佐々木蔵之介さんが、この金の紫式部像と並んで記念撮影していらっしゃったのをXで見た記憶があります。

 廬山寺には、ききょうなどを植えた「源氏物語の庭」があり、入り口の紫式部像とこのお庭は撮影可です。

 今回は、本堂の国の重要文化財の「木造阿弥陀如来及び両脇侍坐像」や「元三大師像」「鬼大師像」も見ることができました。

 この元三大師というのは良源のことで、魔よけのお札として有名です。
 2023年の12月に京都文化博物館で「異界へのまなざし あやかしと魔よけの世界」(※6)展のいうのをやっていまして、そこでも目にしました。今回その元ネタが辿れたことになります。

 こういう魔よけとなる存在。和風ファンタジーに使えるかも!です。

 そうそう。魔術つながりで思い出しました。
 蘆山寺さんではたくさんの京都観光のパンフレットが置いてあり、ありがたくいただいてきたのですが、京都の寺社特別公開のリストに六道珍皇寺がありました!

 このお寺は小野篁が地獄とこの世を行き来していた井戸で有名です。
 京都に住んでる鷲生が「いつでも行けるわ~」と油断していて、今年の夏に行こうと思い立った時に「普段は公開されていない」という事実につきあたりました(5人以上で予約すればOKな時もあるようです)。結構ショックでしたよw

 今月の2024年11月23日(土)と24日(日)は予約なしでもその井戸が見られるそうです(※7)。
 和風ファンタジーにとーっても有益な体験になりそうなので、ぜひぜひ行って来たいと思います!

 *****
 
※1 京都御苑広報
 https://x.com/gyoen_info/status/1855797301488521490

 ※2 『有職植物図鑑』2022 八條忠基 平凡社 204-205ページ
 有職故実の研究家、八條忠基さんの『有職植物図鑑』にも載っています。
 マユミは「檀」「真弓」と書き、「古代には弓の材料となりました」。
 また、檀紙(陸奥紙)の原料でもあります。
『有職植物図鑑』にも赤い果実が載っています。

 鷲生が京都御苑で見たのはもうちょっとピンクに近かったですね。
 Wikipediaによれば有毒らしいので要注意です。

 この木がたまたまそうなのかもしれませんが……。思ったよりもずっと細いので「これで弓とか作れるのかなあ?」と少し樹の幹をゆすってみました(京都御苑という公園の中の木なので、痛めるほどでなければ大丈夫かなと思いました)。細い(拳一つもないくらい)なのに、全く揺れません。凄く固いようです。

 ※3 今回の探訪記のnote記事はコチラ↓(「note」「鷲生智美」で検索しても出てくると思います)。
「土御門邸跡と蘆山寺(源氏物語執筆の地)に行きました!」
 https://note.com/monmonsiteru/n/nd4012b889479

 ※4 「光る君へ」紀行 第36回
https://www.nhk.jp/p/hikarukimie/ts/1YM111N6KW/blog/bl/ppzGkv7kAZ/bp/p61yrKlZy6/

 ※5「光る君へ」紀行 第26回
 https://www2.nhk.or.jp/archives/movies/?id=D0004090126_00000

 蘆山寺のWebサイトはコチラ↓
 https://www7a.biglobe.ne.jp/~rozanji/21daisido.html

 ※6 京都文化博物館「異界へのまなざし あやかしと魔よけの世界」展
 https://www.bunpaku.or.jp/exhi_sogo_post/20231125-20240108/

 ※7 六道珍皇寺
 http://www.rokudou.jp/event/index.html

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