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2025年春は3日連続で京都御所に行きました(1承明門に.武官が!)
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鷲生は平安ファンタジー小説を書くようになってから、せっせと京都御所の特別公開に足を運んでおります。
通年公開されていますが(※1)、人間いつでも行けると思うとなかなか行かないもので、春秋の特別公開の際の期間限定の催しを見るために出向くという感じです。
ただ、今年はなんとなく「今回はパスかな~」と思っていたのです。
Xで「午前10時から雅楽か蹴鞠が催される」という情報を掴んでも、鷲生はちょっと事情があって午前中はお出かけしづらく、無理だな~とあきらめていました。
しかしながら、たまたま2月28日(金)に近くに用事があり、しかも時間を調整をする必要があったので、それで京都御所の見学に立ち寄ったのです。
すると! 蹴鞠・雅楽は「10時~」だけでなく、「11時~」もあるという張り紙を現地で発見!(Xには文字数制限があるので、それで「10時~」だけの表記になったのかと思います)。
11時からなら行けそうです!
そう思って、鷲生はその翌日の3月1日(土)に蹴鞠と、そして2日(日)に雅楽を見に行くことにしたのです。
金曜と合わせて3日連続ですw(京都御所は無料ですし、鷲生の自宅から自転車で行けますのでw)。
もう一つ、金曜日に出かけてみて「来てよかった!」と思えたのは、承明門に武官姿の等身大人形が展示されていたこと!(写真はnoteに掲載しております。URLはコチラ→※2)
鷲生は平安ファンタジー小説で近衛大将を登場させてますので、むちゃくちゃ嬉しいですw(拙作のURLはコチラ→※3)
ただ、興奮気味に武官姿の写真をバシャバシャ撮って自宅で見返すと、隣に文官もいますし、全体として「即位礼における装束」の展示ということでした。
説明板には「大正・昭和の両度の即位礼当日、紫宸殿の南庭には、帯剣し弓を持った威儀の者や太刀や弓を捧持する威儀の者らが並びました。これらの者はいずれも束帯姿で、威儀の者は武官の装束を、威儀物捧持者は文官の装束を着けました」とあります。
鷲生は平安ファンタジーを書く際に現在の京都御所を念頭に置いております。
今の御所は江戸時代に建てられたものですが、その際に平安時代にできるだけ近づけたと聞いていたからです。
最近読んだ倉本一宏さん(日文研名誉教授。「光る君へ」時代考証の先生です)の本『紫式部と平安の都』(※4)にも、鷲生の上記の認識を裏付けるような文言がありました。
105頁の文章を下記に引用しながらご説明します(鷲生が適宜、注を入れております)。
「(源氏物語の)主な舞台は平安京内裏である。現在の上京区田中町一帯が、紫宸殿や清涼殿の故地である」
ただ、この辺り、鷲生も自転車で行ったことありますが民家が密集しており「とても往時を偲べるような場所ではない」です。
「むしろ、江戸時代に平安時代内裏の古制を採用して造られた京都御所の方が往時を偲ぶよすがとなるであろう。これは裏松固禅『大内裏図考証』に基づいて寛政二年(一七九〇)に再建された御所の様式を踏襲して安政二年(一八五五)に完成したものである」
鷲生はまだ見たことがありませんが「年によっては飛香舎(藤壺)も公開されるので見応えがある」とのこと。
平安時代の研究者がそのようにおっしゃる京都御所。その承明門に等身大の武官(文官も)が立ってる光景が見られて、とーっても嬉しかったです。
最初に述べましたように、2025年春の特別公開には3日連続で通いましたので充実した思い出となりました。
行ってよかったです!
余談ですが……。
この倉本先生、ご自身の思ったことを公にされることが多い方です。
言い回しは皮肉っぽかったり、婉曲にしてらっしゃったりするのですが……。
倉本節とでも申し上げましょうか。現代語訳に取り組まれた藤原実資『小右記』にならってのことかもしれませんw
今回、この本を読んでて盛大に噴き出したのが、福井県武生にある「紫式部公園」についての倉本先生の文章です(武生は、紫式部が父が越前守になったので一緒に行って滞在していた場所)。
鷲生は平安ファンタジー小説を書くのに精力的に取材して回る方ですが、そしてこの武生の紫式部公園も知ってはいましたが、私も倉本先生同様「私はここに行くことはなさそうだな……」と思っておりました。
この公園、紫式部の黄金像があるんですよね……(※5 越前市観光協会のサイトにどーんと写真が掲載されてます)。
以下、倉本先生の文章の引用です(102頁。ただ人名は○○と伏せておきます)。
*****
武生というと忘れてはならないのが、紫式部公園である(現福井県越前市東千福町)。実は私は、一九八六年にこの公園が完成した当初は、○○氏が制作された黄金の紫式部像の「宣伝効果」もあってか、一生ここに行くことはあるまいと思っていた。しかし今回、「しゃあないなあ」と思いながらも訪ねてみると、 意外に学術的な公園で、大いに感動した。なお、くだんの紫式部像は……黄金も大分くすんできて、笑わずに見られるようになった。
*****
く・ら・も・と・先生wwwww
鷲生もここまで明確に嫌悪感を持っていたわけじゃないんですが、確かにキンピカの像があるだけで敬遠してたんですよねw
1980年代といえばバブルまっさかり。それで黄金像だったんでしょうかねw
学術的と評価される理由は、この公園は芝生広場を除くと「ほぼ方一町の敷地を持つ。つまり国司の館ではなく、都の邸第を復元したものなのである。寝殿造の邸第の広さを実感するには最適の場である」からです。
「寝殿、東対屋、渡殿、東中門、侍廊の位置が示されているほか、……釣殿が復元されている」そうです。
専門の先生がそうおっしゃるのですから、鷲生も行ってみようと思います。キンピカ式部像もほどよく色が落ち着いたそうですしwww
*****
※1 京都御所参観要項 https://kyoto-gosho.kunaicho.go.jp/visit
鷲生が学生だったウン十年前には通年の参観はなく、期間限定でした。
※2 note記事「2025春京都御所特別公開に行きました(1)」
https://note.com/monmonsiteru/n/nc9969a8c9101
※3 「※錦濤宮物語 女武人ノ宮仕ヘ或ハ近衛大将ノ大詐術」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/161111112/665799598
※4 『紫式部と平安の都』 倉本一宏 2014 吉川弘文館
https://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b182059.html
※5 越前市観光協会公式サイト「紫式部公園」https://www.echizen-tourism.jp/travel_echizen/visit_detail/20
通年公開されていますが(※1)、人間いつでも行けると思うとなかなか行かないもので、春秋の特別公開の際の期間限定の催しを見るために出向くという感じです。
ただ、今年はなんとなく「今回はパスかな~」と思っていたのです。
Xで「午前10時から雅楽か蹴鞠が催される」という情報を掴んでも、鷲生はちょっと事情があって午前中はお出かけしづらく、無理だな~とあきらめていました。
しかしながら、たまたま2月28日(金)に近くに用事があり、しかも時間を調整をする必要があったので、それで京都御所の見学に立ち寄ったのです。
すると! 蹴鞠・雅楽は「10時~」だけでなく、「11時~」もあるという張り紙を現地で発見!(Xには文字数制限があるので、それで「10時~」だけの表記になったのかと思います)。
11時からなら行けそうです!
そう思って、鷲生はその翌日の3月1日(土)に蹴鞠と、そして2日(日)に雅楽を見に行くことにしたのです。
金曜と合わせて3日連続ですw(京都御所は無料ですし、鷲生の自宅から自転車で行けますのでw)。
もう一つ、金曜日に出かけてみて「来てよかった!」と思えたのは、承明門に武官姿の等身大人形が展示されていたこと!(写真はnoteに掲載しております。URLはコチラ→※2)
鷲生は平安ファンタジー小説で近衛大将を登場させてますので、むちゃくちゃ嬉しいですw(拙作のURLはコチラ→※3)
ただ、興奮気味に武官姿の写真をバシャバシャ撮って自宅で見返すと、隣に文官もいますし、全体として「即位礼における装束」の展示ということでした。
説明板には「大正・昭和の両度の即位礼当日、紫宸殿の南庭には、帯剣し弓を持った威儀の者や太刀や弓を捧持する威儀の者らが並びました。これらの者はいずれも束帯姿で、威儀の者は武官の装束を、威儀物捧持者は文官の装束を着けました」とあります。
鷲生は平安ファンタジーを書く際に現在の京都御所を念頭に置いております。
今の御所は江戸時代に建てられたものですが、その際に平安時代にできるだけ近づけたと聞いていたからです。
最近読んだ倉本一宏さん(日文研名誉教授。「光る君へ」時代考証の先生です)の本『紫式部と平安の都』(※4)にも、鷲生の上記の認識を裏付けるような文言がありました。
105頁の文章を下記に引用しながらご説明します(鷲生が適宜、注を入れております)。
「(源氏物語の)主な舞台は平安京内裏である。現在の上京区田中町一帯が、紫宸殿や清涼殿の故地である」
ただ、この辺り、鷲生も自転車で行ったことありますが民家が密集しており「とても往時を偲べるような場所ではない」です。
「むしろ、江戸時代に平安時代内裏の古制を採用して造られた京都御所の方が往時を偲ぶよすがとなるであろう。これは裏松固禅『大内裏図考証』に基づいて寛政二年(一七九〇)に再建された御所の様式を踏襲して安政二年(一八五五)に完成したものである」
鷲生はまだ見たことがありませんが「年によっては飛香舎(藤壺)も公開されるので見応えがある」とのこと。
平安時代の研究者がそのようにおっしゃる京都御所。その承明門に等身大の武官(文官も)が立ってる光景が見られて、とーっても嬉しかったです。
最初に述べましたように、2025年春の特別公開には3日連続で通いましたので充実した思い出となりました。
行ってよかったです!
余談ですが……。
この倉本先生、ご自身の思ったことを公にされることが多い方です。
言い回しは皮肉っぽかったり、婉曲にしてらっしゃったりするのですが……。
倉本節とでも申し上げましょうか。現代語訳に取り組まれた藤原実資『小右記』にならってのことかもしれませんw
今回、この本を読んでて盛大に噴き出したのが、福井県武生にある「紫式部公園」についての倉本先生の文章です(武生は、紫式部が父が越前守になったので一緒に行って滞在していた場所)。
鷲生は平安ファンタジー小説を書くのに精力的に取材して回る方ですが、そしてこの武生の紫式部公園も知ってはいましたが、私も倉本先生同様「私はここに行くことはなさそうだな……」と思っておりました。
この公園、紫式部の黄金像があるんですよね……(※5 越前市観光協会のサイトにどーんと写真が掲載されてます)。
以下、倉本先生の文章の引用です(102頁。ただ人名は○○と伏せておきます)。
*****
武生というと忘れてはならないのが、紫式部公園である(現福井県越前市東千福町)。実は私は、一九八六年にこの公園が完成した当初は、○○氏が制作された黄金の紫式部像の「宣伝効果」もあってか、一生ここに行くことはあるまいと思っていた。しかし今回、「しゃあないなあ」と思いながらも訪ねてみると、 意外に学術的な公園で、大いに感動した。なお、くだんの紫式部像は……黄金も大分くすんできて、笑わずに見られるようになった。
*****
く・ら・も・と・先生wwwww
鷲生もここまで明確に嫌悪感を持っていたわけじゃないんですが、確かにキンピカの像があるだけで敬遠してたんですよねw
1980年代といえばバブルまっさかり。それで黄金像だったんでしょうかねw
学術的と評価される理由は、この公園は芝生広場を除くと「ほぼ方一町の敷地を持つ。つまり国司の館ではなく、都の邸第を復元したものなのである。寝殿造の邸第の広さを実感するには最適の場である」からです。
「寝殿、東対屋、渡殿、東中門、侍廊の位置が示されているほか、……釣殿が復元されている」そうです。
専門の先生がそうおっしゃるのですから、鷲生も行ってみようと思います。キンピカ式部像もほどよく色が落ち着いたそうですしwww
*****
※1 京都御所参観要項 https://kyoto-gosho.kunaicho.go.jp/visit
鷲生が学生だったウン十年前には通年の参観はなく、期間限定でした。
※2 note記事「2025春京都御所特別公開に行きました(1)」
https://note.com/monmonsiteru/n/nc9969a8c9101
※3 「※錦濤宮物語 女武人ノ宮仕ヘ或ハ近衛大将ノ大詐術」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/161111112/665799598
※4 『紫式部と平安の都』 倉本一宏 2014 吉川弘文館
https://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b182059.html
※5 越前市観光協会公式サイト「紫式部公園」https://www.echizen-tourism.jp/travel_echizen/visit_detail/20
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