京都に住んで和風ファンタジー(時には中華風)の取材などする日記

washusatomi

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意外に良かった!四天王寺

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 2024年秋から源氏物語を読み始め、先月、須磨~澪標に登場する住吉大社に行ってきたのですが。
 藤原彰子が住吉大社と一緒に四天王寺にも参詣した史実があるので、鷲生も帰りに寄ってきました。

 正直、行く前は「四天王寺」さんにはあまり期待していなかったのです。
 ほとんど第二次世界大戦の空襲の被害を受けなかった京都とは違い、大阪は東京同様に空襲で丸焼けになっています。
 四天王寺の伽藍も、戦後に建てられたもの。建物そのものに文化財的な見どころはないかなあ……と思っていたのです。

 しかし!
 これが行ってみてなかなかに良かったのです!

 四天王寺は、聖徳太子が物部氏と蘇我氏の仏教崇拝をめぐる戦いの勝利を祈り、そして勝戦後に建立したお寺です。

 ほら。皆さま、日本史で勉強したはずです。
 仏教伝来後の古代の伽藍配置。「四天王寺式」っつーのが教科書に載ってましたでしょう? それがちゃんと再現されているのです。

 四天王寺のWebサイトでも「たび重なる戦火や災害に見舞われ、多くが焼失しましたが、現在の建物は創建当時(飛鳥時代)の様式を忠実に再現しており、古代の建築様式が今に残るのは貴重といえます」と書かれています(※1)。

 JR天王寺駅から歩いて行くと、四天王寺の南から近づくことになります。
 南に大きな門があって、その門のまっすぐ北=門の中央に塔が見えます。
 コレ、コレですよ、門と塔と金堂と講堂が南北に一直線に並ぶ四天王寺式伽藍!

 そして近づくと、お寺なのに結構カラフル(あ、画像はnoteに投稿しております。URLはコチラ→※2)
 門の両脇の金剛力士像、左の像は青く、右の像は赤いです。そしてキンピカの装身具を着けています(※3)。
 古刹巡りなんかをしていると塗装のはげた像を見ることが多いですから、こうも色鮮やかなものをみるとちょっと違和感がありますが、だけど創建当初はこうだったんですからこっちのほうが古代らしいんですよね。

 南から敷地に入り、なんとなく内郭の東を巡っていて「あんまり人がいないなあ」「内郭の中への出入り口はどこだろう?」と思いつつ北を通り過ぎて西に出たとたん、一気に参拝客で賑やかになりました。
 後で述べるように、四天王寺は西門が有名なんですよね。

 そこに参拝受付があり、お代を払って中に入ります。

 朱塗りに緑の連子窓、石畳の回廊……なんか、中国っぽいです。すごく!
 平城宮跡歴史公園もそうですが、出来た当初はこういう感じだったはずで、近年になって古代の姿を再現した新しい建築は古刹以上に古代の風景を思い描きやすく、歴史ファンタジーを書くうえでとても参考になると感じました。

 いやー来てみて良かった!
 そんな思いを噛み締めつつ、伽藍を歩き、五重塔に入ろうとすると……。
 なんと、五重塔は中に入れるだけではなく、最上階まで登れることを発見。
 塔の中に螺旋階段があるんです。

 鷲生は昔オランダに住んでいて、ヨーロッパの教会の塔にはあちこちで登りましたが(有名なところではドイツのケルンの大聖堂とか)、日本の五重塔には上ったことがありません。

 この日は朝から京都→住吉大社と移動しており、オバハンの鷲生はすでにかなり疲れてたんですけれども、これは登らねばと奮起して頑張りました! (ただ、撮影不可だったので写真はありません)。
 最上階までのぼると、息が上がって「ぜーはーぜーはー」。
 狭い空間ですのでマスクを着けてたんですが、マスクがペコペコしてましたw

 内部には五重塔のミニチュアがたくさん並べられていました。信者さんが寄進して供養とかされるんでしょうか。それは確かに、見世物のように写真を撮るべきじゃないですよね。

 最上階の窓から外を見ると、やはり高いですね。
 後述の通り台地にありますから西には大阪の市街地が見渡せますし、南北には伽藍の屋根が見下ろせます。
 現代のように高層ビルがたくさんあると感覚がマヒしてしまいがちですが、古代の人には雲を搗くようなタワーだったんでしょうね。

 金堂ではお坊様がお経をあげておられました。後ろに信者らしき人がいて、その方の依頼のようです。
 空襲後に立派に再建されていたということは、それだけの浄財が集まったということで。
 住吉大社もそうですが、大都市大阪の街で今もなお「生きている」宗教施設なのだという印象を持ちました。

 ちなみに、四天王寺さんは学校も経営しておられ、鷲生世代には割と進学校というイメージがあります(鷲生の親戚が学区一番手の公立高校の三国ヶ丘高校を受験するにあたって、その併願先に選んでました)。

 この四天王寺。西門のさらに西にある鳥居が見所です。
 ここで「日想観」をするのです。

 四天王寺Webサイトの三月と九月の行事にその説明があります(※4)。

「四天王寺の西門石鳥居は、古来より極楽の東門にあたると信じられてきました。 現在も四天王寺では、彼岸の中日に石鳥居の向こうに沈む夕陽を拝し、極楽浄土を観想する日想観が行われています。」

 四天王寺は上町台地の上にあり、西に低地を見下ろします。
 この地形と「日想観」について不動産会社(!)が歴史を解説して下さっています。

 *****
「上町台地」の西端は「大阪湾」に沈む夕陽を望める場所であり、「夕陽丘」という地名もある。平安時代、真言宗開祖の弘法大師空海が「四天王寺」から真西に沈む夕日を見て、西方の極楽浄土を観想する「日想観」を行った地であり(※5)
 *****

 帰りは四天王寺から大阪地下鉄谷町線「四天王寺前夕陽ヶ丘」駅から電車に乗りました。
「夕陽が丘」なんて新興住宅地にもありがちの地名ですが、ここの「夕陽ケ丘」はガチですわw(※6)

 鷲生が四天王寺の西門鳥居から西を見たのは、日没のちょっと前でしたが夕方といっていえなくもない時間ではあり、藤原彰子もここから西を眺めていたのかな~と想像しながらしばらく立っておりました。

 いやあ、行く前に予想してた以上に感慨深い探訪となりました!
 よかったですよ!

 ちなみに……。今回は『源氏物語』を澪標まで読み進めたので、大阪南部の住吉大社に行ったのですが(そのついでに四天王寺に寄りました)。
 この時から頑張ってさらに読み進め、そろそろ玉鬘なんですよね……。
 玉鬘にゆかりの奈良県・長谷寺にも行こうかと思い始めています(同じ関西でも、京都府との県境近くの奈良市にはちょくちょく行きますが、長谷寺は奈良の奥地という印象が強いです。ああ、でもきっと行くんだろうな、私)。


*****

※1 四天王寺のebサイト
https://www.shitennoji.or.jp/history.html

※2 note記事「四天王寺に行きました!」
https://note.com/monmonsiteru/n/nb316e8ddf5d0
「note」「鷲生智美」で検索してもすぐ出てくるかと思います。

※3 この仏像を製作された工房のウェブサイトから見られます
「松久宗琳佛所」 
https://www.matsuhisasohrinbussho.jp/history/gallery/18.php

※4 四天王寺「年間行事」
3月 https://www.shitennoji.or.jp/event/3/
9月 https://www.shitennoji.or.jp/event/9/

※5 三井住友トラスト不動産
地形からみた「上町台地」の歴史
https://smtrc.jp/town-archives/city/uemachidaichi/p09.html

※6 より正確に言えば、「夕陽ケ丘」の地名は、直接には幕末の国学者に由来するそうです。ただ、その人ももともとここらへんの上町台地の西橋が夕日を眺めるのに適しているからそう名付けたのだと思いますので(四天王寺西門石鳥居と日想観の繋がりは明白です)、この文章ではこのように書いております。
なんか、地下鉄の駅名をつけるときに「四天王寺前」「夕陽ヶ丘」のどちらを駅名にするかで揉めに揉め、それで両方を採用したのだそうです(wikiなど)。

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