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住吉大社に行きました(2.境内)
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鷲生は2024年秋から『源氏物語』を読んでいて、「須磨」「明石」「澪標」と読み進めたので、そこに登場する住吉大社にお出かけしてきました。今回はその探訪記の2回目です。
写真はnoteに掲載しております(URLはコチラ→※1)
住吉大社と言えばコレという反り橋(太鼓橋)を渡り、境内へ入って行きました。
なかなか傾斜がきつくて、手すりにつかまりながら上り下りしましたよw
(若い人なら手すりなしでも大丈夫ですよ。鷲生がオバはんなだけですw)
鷲生の手持ちの『源氏物語』澪標の註によれば、住吉大社と言えば松なのだそうです。
確かに境内に松が多いような気がします。
住吉大社には本宮の建物が四つあり、全て国宝だそうです(※2)
四つの宮の由緒について、住吉大社Webサイトから引用しておきます(※3)
*****
祭神の由緒
住吉大社の祭神は、伊弉諾尊が禊祓を行われた際に海中より出現された底筒男命・中筒男命・表筒男命の三神、そして当社鎮斎の神功皇后を祭神とします。仁徳天皇の住吉津の開港以来、遣隋使・遣唐使に代表される航海の守護神として崇敬をあつめ、また、王朝時代には和歌・文学の神として、あるいは現実に姿を現される神としての信仰もあり、禊祓・産業・貿易・外交の祖神と仰がれています。
*****
住吉大社全体が西の海岸線に向かって建っており、入り口には第三宮と第四宮が並んでいます。
鷲生は前日に住吉大社さんのサイトで予習していたのですが、そこでは千木(屋根の上から空に突き出ている木)の切り口は縦だと思っていたのに、第四本宮が横でちょっと驚きました。
千木の先端が縦か横か(「内削ぎ」「外削ぎ」とも言うようです)は、ネットで調べようとすると「祭神が男性か女性かで異なる」という説も見うけられますが、Wikipediaの「千木」の項目によれば、名のある研究者様が「俗説」と断じておられます。また、神社本庁も「必ずしもそうとは限りません」と控えめなコメントをするにとどまっているとか。
住吉大社の建築は「柱は丹塗(にぬり)、壁は胡粉塗(ごふんぬり、カキなどの貝殻を磨り潰した塗料)」とあります。
昨年秋に見に行った正倉院展に「丹」の入った袋が展示されていたような……。
子どもが高校生の時に化学の勉強を見てやっていた時、この「丹」の化学組成についてざっとスマホで見たことがあります。
酸化鉛(四酸化三鉛 Pb3O4)だそうですね。
Wikipedia「鉛丹」によれば、古代ローマのボンベイでも多用され、ボンベイレッドとも言われるとか。
また、「社寺建造物美術保存技術協会」のサイトでも「丹塗り」の説明があります(※4)。
鷲生は古代であちこちから産出する「丹」がこれかと思ったのですが、思い違いで、この「丹」は「辰砂」というもので水銀の化合物のようです。
この「辰」は中国の地名、辰州=湖南省近辺に由来するとか。
例えば、三重県のサイトにも丹生地域でとれる辰砂について説明があります(※5)
※5)
住吉大社の白い壁は確かに板に胡粉を塗っているようです。
写真にも撮りましたが、板の継ぎ目が分かるので、板に胡粉を塗ったものと分かります。
この文章を書いている今、京都御所の春の特別公開にも行ってきたので、御所の白い壁も観察してみました。
厚みや使われている場所からして下地は木の板だろうと思われる場所でも、機の継ぎ目はわからずきれいに白塗りされていました。
やはり内裏ということで、木目が隠れるほどしっかりと宮内庁が塗っているということなんでしょうかね?
朱塗りの扉(月華門)とかは木の板の継ぎ目とかわりと分かるんですが……。
さて。話を住吉大社に戻しますと。
北の出入り口の辺りに、「住吉万葉歌碑」があり、やはり海神にちなんでか船がモチーフになっていました。
下の方に、古代の海岸線を示す簡単な地図があり、これを見ると本当に目の前が海だったんだなあと分かります(今は海岸から5㎞ほど内陸です)。
その後、摂社の大海神社に行ったのですが、ここの扉絵も船でした。
住吉大社から天王寺までは、住吉大社よりも西(海に近いといえば近い)を走る南海電車に乗りましたが、もちろん海は見えずじまいでした。
ここから、JR天王寺に向かい、そこから歩いて「四天王寺」に向かいます。
*****
※1 「住吉大社に行きました(2)」
https://note.com/monmonsiteru/n/n65c82022cb0c
※2 住吉大社ウェブサイト「建築様式」 https://www.sumiyoshitaisha.net/about/architect.html
※3 住吉大社ウェブサイト 「祭神の由緒」
lhttps://www.sumiyoshitaisha.net/about/origin.html
※4 一般社団法人 社寺建造物美術保存技術協会「丹塗」
https://shabikyo.com/soushoku03.html
※5 三重県 歴史の情報蔵 紙上博物館「第60話 辰砂と黒辰砂」
https://www.bunka.pref.mie.lg.jp/rekishi/kenshi/asp/shijyo/detail.asp?record=604
写真はnoteに掲載しております(URLはコチラ→※1)
住吉大社と言えばコレという反り橋(太鼓橋)を渡り、境内へ入って行きました。
なかなか傾斜がきつくて、手すりにつかまりながら上り下りしましたよw
(若い人なら手すりなしでも大丈夫ですよ。鷲生がオバはんなだけですw)
鷲生の手持ちの『源氏物語』澪標の註によれば、住吉大社と言えば松なのだそうです。
確かに境内に松が多いような気がします。
住吉大社には本宮の建物が四つあり、全て国宝だそうです(※2)
四つの宮の由緒について、住吉大社Webサイトから引用しておきます(※3)
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祭神の由緒
住吉大社の祭神は、伊弉諾尊が禊祓を行われた際に海中より出現された底筒男命・中筒男命・表筒男命の三神、そして当社鎮斎の神功皇后を祭神とします。仁徳天皇の住吉津の開港以来、遣隋使・遣唐使に代表される航海の守護神として崇敬をあつめ、また、王朝時代には和歌・文学の神として、あるいは現実に姿を現される神としての信仰もあり、禊祓・産業・貿易・外交の祖神と仰がれています。
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住吉大社全体が西の海岸線に向かって建っており、入り口には第三宮と第四宮が並んでいます。
鷲生は前日に住吉大社さんのサイトで予習していたのですが、そこでは千木(屋根の上から空に突き出ている木)の切り口は縦だと思っていたのに、第四本宮が横でちょっと驚きました。
千木の先端が縦か横か(「内削ぎ」「外削ぎ」とも言うようです)は、ネットで調べようとすると「祭神が男性か女性かで異なる」という説も見うけられますが、Wikipediaの「千木」の項目によれば、名のある研究者様が「俗説」と断じておられます。また、神社本庁も「必ずしもそうとは限りません」と控えめなコメントをするにとどまっているとか。
住吉大社の建築は「柱は丹塗(にぬり)、壁は胡粉塗(ごふんぬり、カキなどの貝殻を磨り潰した塗料)」とあります。
昨年秋に見に行った正倉院展に「丹」の入った袋が展示されていたような……。
子どもが高校生の時に化学の勉強を見てやっていた時、この「丹」の化学組成についてざっとスマホで見たことがあります。
酸化鉛(四酸化三鉛 Pb3O4)だそうですね。
Wikipedia「鉛丹」によれば、古代ローマのボンベイでも多用され、ボンベイレッドとも言われるとか。
また、「社寺建造物美術保存技術協会」のサイトでも「丹塗り」の説明があります(※4)。
鷲生は古代であちこちから産出する「丹」がこれかと思ったのですが、思い違いで、この「丹」は「辰砂」というもので水銀の化合物のようです。
この「辰」は中国の地名、辰州=湖南省近辺に由来するとか。
例えば、三重県のサイトにも丹生地域でとれる辰砂について説明があります(※5)
※5)
住吉大社の白い壁は確かに板に胡粉を塗っているようです。
写真にも撮りましたが、板の継ぎ目が分かるので、板に胡粉を塗ったものと分かります。
この文章を書いている今、京都御所の春の特別公開にも行ってきたので、御所の白い壁も観察してみました。
厚みや使われている場所からして下地は木の板だろうと思われる場所でも、機の継ぎ目はわからずきれいに白塗りされていました。
やはり内裏ということで、木目が隠れるほどしっかりと宮内庁が塗っているということなんでしょうかね?
朱塗りの扉(月華門)とかは木の板の継ぎ目とかわりと分かるんですが……。
さて。話を住吉大社に戻しますと。
北の出入り口の辺りに、「住吉万葉歌碑」があり、やはり海神にちなんでか船がモチーフになっていました。
下の方に、古代の海岸線を示す簡単な地図があり、これを見ると本当に目の前が海だったんだなあと分かります(今は海岸から5㎞ほど内陸です)。
その後、摂社の大海神社に行ったのですが、ここの扉絵も船でした。
住吉大社から天王寺までは、住吉大社よりも西(海に近いといえば近い)を走る南海電車に乗りましたが、もちろん海は見えずじまいでした。
ここから、JR天王寺に向かい、そこから歩いて「四天王寺」に向かいます。
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※1 「住吉大社に行きました(2)」
https://note.com/monmonsiteru/n/n65c82022cb0c
※2 住吉大社ウェブサイト「建築様式」 https://www.sumiyoshitaisha.net/about/architect.html
※3 住吉大社ウェブサイト 「祭神の由緒」
lhttps://www.sumiyoshitaisha.net/about/origin.html
※4 一般社団法人 社寺建造物美術保存技術協会「丹塗」
https://shabikyo.com/soushoku03.html
※5 三重県 歴史の情報蔵 紙上博物館「第60話 辰砂と黒辰砂」
https://www.bunka.pref.mie.lg.jp/rekishi/kenshi/asp/shijyo/detail.asp?record=604
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