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住吉大社に行ってきました(1.藤原彰子の旅程)
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2024年の秋にこのエッセイにも書きましたように、鷲生はその頃からせっせと『源氏物語』を読んでおります(※1)。
(一応古文を読んでますが。鷲生が手に入れた本は、同じページに原文、注釈、現代語訳とが載っているので、原文が少しでもわかりにくいとさっさと現代語訳の方で確認してます ※2)。
で。
ようやく、「須磨」「明石」「澪標」を読み終えたのです。
ここらへんのお話の舞台は大阪湾を囲む海沿いであり、海の神様である「住吉の神」がちょくちょく言及されています。
そこで。
『源氏物語』の本を持って、住吉大社に行くことにしました。
推し作家様の聖地巡礼ですw
あと、タイミング的にそろそろ大阪万博が始まりますのでね……。
大阪近辺が混雑する前に行っておこうかと。
(京都に住んでると、観光客と逆張りする習性がすっかり身に着いてしまっておりましてw)。
それから藤原彰子が京都から南へ石清水八幡宮、住吉大社、四天王寺と参詣したそうですので、比較的住吉大社に近い四天王寺にも寄ってきました。
写真はnote記事にまとめております(※3)
鷲生は結構な年齢のオバはんで、人生の大半を関西で過ごしていますが、神戸生まれで京都在住。大阪には阪急梅田駅かJR大阪駅がある北部にしか行くことがありません。
住吉大社のある大阪南部には生まれてから数えるほどしか行ったことがなく、かなり心理的に距離感があり、小旅行のような感じの1日でした。
藤原彰子の旅程について、その伝記から該当事項を引用しておきます(朧谷寿『藤原彰子 天下第一の母』231-235頁 ※4)
この年というのは1031年のことです。藤原彰子は女院号を奉られています(2024年大河ドラマ「光る君へ」よりだいぶ後)。
「この年の九月二十五日から一週間ほどを費やして、女院は石清水社、住吉社、四天王寺への御幸を敢行している」
「『賀茂の河尻』(賀茂川と葛野川が合流して淀川となるあたり)で船に乗り替えている」
「夜の九時ごろに山崎に着いて食事を摂った後、鳥居のところで御車に乗って石清水社に詣られた」
「日が変わる明け方に……供養があり、そののち船に戻った」「さらに淀川を下り江口にさしかかった時」「二十七日には摂津の国を過ぎ、翌二十八日には住吉社に着いている」
*****
鷲生も淀川の西側を走る阪急電車に乗り、大山崎駅(平安時代の山崎)を通過して大坂の淡路まで行きました。
(この山崎は、鷲生が前に書いた平安ファンタジー小説の舞台で、この駅で降りて取材して回ったことがありますよ ※5)
そこに乗り入れている大阪市営地下鉄に乗りかえ、南に下って動物園前駅で阪堺電気軌道(阪堺電車)という路面電車に乗りかえます(「新今宮駅」)。
この辺は大阪でもかなりディープでちょっとダークな土地柄です……(※6)。
阪堺電気鉄道の「住吉大社鳥居前駅」は本当に鳥居のすぐ目の前にあります。
そしていよいよ住吉大社!
名前は凄く有名なのに、初めて足を踏み入れるのでドキドキでした~w
入ってすぐのところに、ありました! 源氏物語関係のモニュメントが!
俵屋宗達の「源氏物語関谷澪標図屏風」のうち澪標図が、色鮮やかに石造りの屏風として再現されています。
住吉の神の導きで光源氏は明石に赴き、明石の上との間に女の子が産まれます。
光源氏はその後、京に戻って栄華の時期を迎えます。そして華麗な行列で京から陸路で住吉大社に詣でるのです。
一方、明石の上も、もともと年に2回住吉大社にお参りする習慣があり(明石から大阪湾をつっきって大阪南部の住吉まで行き来します)、それで住吉に来て光源氏一行とかちあいます。
光源氏一行は明石の上の住吉詣でを知らず、明石の上は光源氏一行の威光に気圧され、そのまま海で光源氏一行の参詣をやりすごします。
このような『源氏物語』澪標の描写にもあるとおり、この時代には住吉大社のすぐそばに海岸線がありました(今は、すっかり内陸で、GoogleMAPで調べたところ、ニュートラム南港東駅まで5㎞あります)。
当時は海のそばでしたから、港の神でもあり、源氏物語のモニュメントのお向かいに、「遣唐使進発の地」のモニュメントもありました。
さて。入り口でこれらの写真をバシャバシャ撮って、いよいよ「住吉大社」といえばコレ!な「反り橋」(「太鼓橋」)を渡って境内に入ります。
ちょっと長くなったので、神社の様子についてはまた次回にいたします。
******
※1 「京都に住んで和風ファンタジー(時には中華風)の取材などする日記」
土御門邸と蘆山寺(源氏物語執筆の地)に行きました。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/161111112/900876435/episode/9027361
※2 「新編 日本古典文学全集20・源氏物語」 小学館
第1巻が1994年刊行です。現在は古本で手に入れるしかないようで、けっこうなお値段がします……。
https://www.shogakukan.co.jp/books/09658020
※3 note「住吉大社に行きました(1)」
「note」「鷲生智美」で検索してもすぐ出てくるかと思います。
https://note.com/monmonsiteru/n/nf8dbfe70d7c4
※4 『藤原彰子 天下第一の母』 2018 朧谷寿 ミネルヴァ書房
https://www.minervashobo.co.jp/book/b357155.html
※5 鷲生の以前書いた平安ファンタジー小説はこちら。取材先に着いても文末で触れています。
「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕ヘ或ハ近衛大将ノ大詐術」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/161111112/665799598
※6 この「新今宮駅」の北に「通天閣」があります。
そして、東南には「飛田新地」。
飛田新地というところはですね……えーと……特殊な、男性だけを客とする小料理屋さんが建ち並んでいるのだそうです。そこを訪れた客が、お店の女性と恋に落ち、すると奥にはお布団が用意されているという……。東京の吉原なんかもそうじゃないでしょうか。
それから西成(釜ヶ崎・あいりん地区)も近くです。東京の山谷のような場所です。
コッテコテの下町であり、阪堺電気軌道の駅の壁にもファンキーな絵が一面に描かれていました。
「ファンキーな」というのは、欧米の、ちょっとガラの悪いところに描かれているような感じの落書きのような絵だということです。
とはいえ、落書きにしてはきちんと描かれているので、ひょっとしたら阪堺電気軌道があえてコッテコテな雰囲気をウリにしてわざと描かれているのかもしれません。
(↑今、調べてみたらやっぱりアートな取り組みだったようです。阪堺電車公式X→https://x.com/hankai_official/status/1562952396426211328)
このファンキーな駅舎で電車を待つ間、持参していた『源氏物語』を読んでたんですけど、あまりのギャップにくらくらしましたよ。写真にも撮ってありますw
ちなみに、帰りに四天王寺に寄るのにJRの「新今宮駅」を利用したところ。
電車の発着の音楽が、ドボルザークの「新世界より」。
これは……通天閣の周囲の繁華街が「新世界」という名前だからでしょうねw
Wikipedia「新世界」でもそのように解説されています。
(一応古文を読んでますが。鷲生が手に入れた本は、同じページに原文、注釈、現代語訳とが載っているので、原文が少しでもわかりにくいとさっさと現代語訳の方で確認してます ※2)。
で。
ようやく、「須磨」「明石」「澪標」を読み終えたのです。
ここらへんのお話の舞台は大阪湾を囲む海沿いであり、海の神様である「住吉の神」がちょくちょく言及されています。
そこで。
『源氏物語』の本を持って、住吉大社に行くことにしました。
推し作家様の聖地巡礼ですw
あと、タイミング的にそろそろ大阪万博が始まりますのでね……。
大阪近辺が混雑する前に行っておこうかと。
(京都に住んでると、観光客と逆張りする習性がすっかり身に着いてしまっておりましてw)。
それから藤原彰子が京都から南へ石清水八幡宮、住吉大社、四天王寺と参詣したそうですので、比較的住吉大社に近い四天王寺にも寄ってきました。
写真はnote記事にまとめております(※3)
鷲生は結構な年齢のオバはんで、人生の大半を関西で過ごしていますが、神戸生まれで京都在住。大阪には阪急梅田駅かJR大阪駅がある北部にしか行くことがありません。
住吉大社のある大阪南部には生まれてから数えるほどしか行ったことがなく、かなり心理的に距離感があり、小旅行のような感じの1日でした。
藤原彰子の旅程について、その伝記から該当事項を引用しておきます(朧谷寿『藤原彰子 天下第一の母』231-235頁 ※4)
この年というのは1031年のことです。藤原彰子は女院号を奉られています(2024年大河ドラマ「光る君へ」よりだいぶ後)。
「この年の九月二十五日から一週間ほどを費やして、女院は石清水社、住吉社、四天王寺への御幸を敢行している」
「『賀茂の河尻』(賀茂川と葛野川が合流して淀川となるあたり)で船に乗り替えている」
「夜の九時ごろに山崎に着いて食事を摂った後、鳥居のところで御車に乗って石清水社に詣られた」
「日が変わる明け方に……供養があり、そののち船に戻った」「さらに淀川を下り江口にさしかかった時」「二十七日には摂津の国を過ぎ、翌二十八日には住吉社に着いている」
*****
鷲生も淀川の西側を走る阪急電車に乗り、大山崎駅(平安時代の山崎)を通過して大坂の淡路まで行きました。
(この山崎は、鷲生が前に書いた平安ファンタジー小説の舞台で、この駅で降りて取材して回ったことがありますよ ※5)
そこに乗り入れている大阪市営地下鉄に乗りかえ、南に下って動物園前駅で阪堺電気軌道(阪堺電車)という路面電車に乗りかえます(「新今宮駅」)。
この辺は大阪でもかなりディープでちょっとダークな土地柄です……(※6)。
阪堺電気鉄道の「住吉大社鳥居前駅」は本当に鳥居のすぐ目の前にあります。
そしていよいよ住吉大社!
名前は凄く有名なのに、初めて足を踏み入れるのでドキドキでした~w
入ってすぐのところに、ありました! 源氏物語関係のモニュメントが!
俵屋宗達の「源氏物語関谷澪標図屏風」のうち澪標図が、色鮮やかに石造りの屏風として再現されています。
住吉の神の導きで光源氏は明石に赴き、明石の上との間に女の子が産まれます。
光源氏はその後、京に戻って栄華の時期を迎えます。そして華麗な行列で京から陸路で住吉大社に詣でるのです。
一方、明石の上も、もともと年に2回住吉大社にお参りする習慣があり(明石から大阪湾をつっきって大阪南部の住吉まで行き来します)、それで住吉に来て光源氏一行とかちあいます。
光源氏一行は明石の上の住吉詣でを知らず、明石の上は光源氏一行の威光に気圧され、そのまま海で光源氏一行の参詣をやりすごします。
このような『源氏物語』澪標の描写にもあるとおり、この時代には住吉大社のすぐそばに海岸線がありました(今は、すっかり内陸で、GoogleMAPで調べたところ、ニュートラム南港東駅まで5㎞あります)。
当時は海のそばでしたから、港の神でもあり、源氏物語のモニュメントのお向かいに、「遣唐使進発の地」のモニュメントもありました。
さて。入り口でこれらの写真をバシャバシャ撮って、いよいよ「住吉大社」といえばコレ!な「反り橋」(「太鼓橋」)を渡って境内に入ります。
ちょっと長くなったので、神社の様子についてはまた次回にいたします。
******
※1 「京都に住んで和風ファンタジー(時には中華風)の取材などする日記」
土御門邸と蘆山寺(源氏物語執筆の地)に行きました。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/161111112/900876435/episode/9027361
※2 「新編 日本古典文学全集20・源氏物語」 小学館
第1巻が1994年刊行です。現在は古本で手に入れるしかないようで、けっこうなお値段がします……。
https://www.shogakukan.co.jp/books/09658020
※3 note「住吉大社に行きました(1)」
「note」「鷲生智美」で検索してもすぐ出てくるかと思います。
https://note.com/monmonsiteru/n/nf8dbfe70d7c4
※4 『藤原彰子 天下第一の母』 2018 朧谷寿 ミネルヴァ書房
https://www.minervashobo.co.jp/book/b357155.html
※5 鷲生の以前書いた平安ファンタジー小説はこちら。取材先に着いても文末で触れています。
「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕ヘ或ハ近衛大将ノ大詐術」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/161111112/665799598
※6 この「新今宮駅」の北に「通天閣」があります。
そして、東南には「飛田新地」。
飛田新地というところはですね……えーと……特殊な、男性だけを客とする小料理屋さんが建ち並んでいるのだそうです。そこを訪れた客が、お店の女性と恋に落ち、すると奥にはお布団が用意されているという……。東京の吉原なんかもそうじゃないでしょうか。
それから西成(釜ヶ崎・あいりん地区)も近くです。東京の山谷のような場所です。
コッテコテの下町であり、阪堺電気軌道の駅の壁にもファンキーな絵が一面に描かれていました。
「ファンキーな」というのは、欧米の、ちょっとガラの悪いところに描かれているような感じの落書きのような絵だということです。
とはいえ、落書きにしてはきちんと描かれているので、ひょっとしたら阪堺電気軌道があえてコッテコテな雰囲気をウリにしてわざと描かれているのかもしれません。
(↑今、調べてみたらやっぱりアートな取り組みだったようです。阪堺電車公式X→https://x.com/hankai_official/status/1562952396426211328)
このファンキーな駅舎で電車を待つ間、持参していた『源氏物語』を読んでたんですけど、あまりのギャップにくらくらしましたよ。写真にも撮ってありますw
ちなみに、帰りに四天王寺に寄るのにJRの「新今宮駅」を利用したところ。
電車の発着の音楽が、ドボルザークの「新世界より」。
これは……通天閣の周囲の繁華街が「新世界」という名前だからでしょうねw
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