午前零時のタイムループ

赤松帝

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-3日目-

「無限タイムループ」

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いつまでもじっと考えているのは性に合わないわたしは、とりあえず動いてみる事にした。
動き回る事でわたしを取り巻く状況にも変化を及ぼす事は解ってきた。
まず何をすべきだろう。わたしは現状のわたしの健康状態を知る事にした。正直いえばそんな悠長な事をしている場合でも、心の余裕も無かったけれど、結局、死ぬのはわたし自身の身体問題なのだから、早めに把握しておく必要があった。
それに時間が無いとはいえ、死ねば元に戻る訳だから、善は急げとも思われたからだ。

「どうして突然健康診断を受けたいと思われたんです?」
不思議に思ったのか、まだ若い担当医が問診中に質問してきた。

「最近、仕事が忙しくて自分の身体のメンテナンスも満足に出来ていなかったものですから。そのうえ近頃、心臓の動悸が激しくて胸が締め付けられる様に息苦しくなる時があって、ちょっと不安になってしまって。」
当然、自分に起きている状況を説明するつもりはなかった。精神的におかしな人間だと思われるのが関の山だろうし、余計な検査まで受けさせられるのは煩わしいし、その積もりもまた毛頭なかった。

「そうでしたか。健康診断の検査はひと通り済みました。X線に胃カメラ、心電図の検査結果が出るのは二週間後になります。結果が出次第ご連絡差し上げますので、またご足労願います。心臓に問題がある様なら今日の検査結果からだけでは解り兼ねます。MRIで胸部CT検査や、超音波検査をする必要があります。では川上さん、その時にまたご相談しましょう。」
担当医は、落ち着いた笑顔で送り出してくれた。


しまった。当然といえば当然だった。身体の疾患なんて、問診や健康診断程度で直ぐに判る筈がないじゃないの。わたしは自分の愚かさと単純な思考回路を呪った。結局、貴重な時間を無駄に過ごしただけだった。

わたしには時間が無い。
この事実を思い知らされ、これまで以上にズッシリ重くのし掛かってきていた。
どうしよう・・・。
誰かに助けを求めようか?でも、一体誰に?母親や友人に話したところで、心の拠り所にはなってくれるだろうが、現状は何も変わりやしない。それではわたしの命は救われない。ましてや、タイムループの歯止めにもならないだろう。もし、このまま何十回、何百回、いや何万回も同じ朝を繰り返す羽目になったら、わたしはどうすれば良いのだろうか?もしかしたら、その頃には生き伸びる算段を探すよりも、死ぬ方法を模索する様になっているのではないだろうか?誰にも知られる事なく、永遠の時を繰り返すというのは、非常に辛いに違いない。ことさらわたしには、もれなく死ぬという悲惨な結末が付いてきて、途方もない痛みとそれ以上にとてつもない無念さを味合わなくてはならないのだから。それを考えると、タイムループなどという生易しいものではなく、むしろ「無限地獄」という言葉がピッタリな気がしてくる。



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