CANDY HEART

赤松帝

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ON THE BEACH

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「敵の正体は判ったんですか?」
フォローする訳ではないが、あたしが後を引き取る。

「まだだ。複数の海外のサーバーを経由させているので、また襲われない限り、逆探知するのは難しいそうだ。とりあえず今のところは、幾つかトラップを仕掛けておいた。」

「それだけではないんでしょう?」
今度はROXYが問い掛ける。

「その通り。実は気になる事があったのでな、抜きうちで本部内を徹底的に盗聴検査をさせたのだ。」

「見つかったんですね?」

「うむ。盗聴器と盗撮用カメラ数十点が発見された。」

「という事は?」

「そうだ。敵は建物内に侵入している。あれだけの量からすると、内部にも協力者がいると考えるのが妥当だろう。」

仲間内に敵がいるとなると事態は尋常ではない。もしかすると寝返ったのは、あたしのよく知る人物である可能性もあるという事だ。
「その協力者に目星は付いてるんですか?」

「我々もハンターのスペシャリストだ。直ぐにも調査を開始したが、いかんせん盗撮と盗聴をされていたのでな・・・」

「逃げられましたか。」

「残念ながらな。しかし、それで危機が去ったという訳ではない。何せあれ程の数の機器が仕込まれていたのだから、我々の内部に敵のスパイが潜んでいる可能性がある。或いは、古参のベテラン・ハンターが寝返っている事も考えなければならん。」
やっぱりそう考えてる訳ね。道理で会長自らがルーキーふたりを出迎えるはずである。

「それであたし達ふたりにお声が掛かったって訳ですか?」
ROXYが明らかに不服そうな声をあげる。。

「ルーキーならまだ敵に手の内を知られていないし、リクルートされてる危険性も少ないって事ですね?」
あたしだっていい気はしない。フレッシャーのお嬢ちゃん扱いは御免だわ。



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