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32.栞
栞
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「でもな、サプライズはそれだけじゃないんだ。」
受話器の向こうで樋口が一段声を潜めた。
「サプライズ?」
「ああ。これはまだ誰にも口外するなよ。谷戸さんにもな。」
樋口は口止めを求めた。
「…分かった。」
ここは栞も従うしかない。
「実はな、孔の周りから指紋が検出されたんだ。」
「それ本当?」
「嘘言っても仕方ないが、その指紋の主ってのが問題でさ。」
「何よ?」
「詳しくはまだ言えない。ただ、恐らく上層部はお宮入り(迷宮事件扱い)させるだろうとさ。」
「随分胡散臭いわね。」
栞はかぶりを振った。
「それなりに訳があるのさ。」
その時、栞は部屋の中の空気が冷たく澱むのを感じた。
それはさっきまで白昼夢の中で闇をさ迷っていた時の感覚に近いものだった。
受話器の向こうで樋口が一段声を潜めた。
「サプライズ?」
「ああ。これはまだ誰にも口外するなよ。谷戸さんにもな。」
樋口は口止めを求めた。
「…分かった。」
ここは栞も従うしかない。
「実はな、孔の周りから指紋が検出されたんだ。」
「それ本当?」
「嘘言っても仕方ないが、その指紋の主ってのが問題でさ。」
「何よ?」
「詳しくはまだ言えない。ただ、恐らく上層部はお宮入り(迷宮事件扱い)させるだろうとさ。」
「随分胡散臭いわね。」
栞はかぶりを振った。
「それなりに訳があるのさ。」
その時、栞は部屋の中の空気が冷たく澱むのを感じた。
それはさっきまで白昼夢の中で闇をさ迷っていた時の感覚に近いものだった。
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