247 / 248
46.裕と洋志と歌音と巧
裕と洋志と歌音と巧
しおりを挟む
「あっ見ろよあれ!あそこにいるの加々見歌音じゃね?!」
目的地の御岳山へと登るケーブルカーの登山口駅の前で、順番待ちをしている群衆の中の彼女を目ざとく見つけた洋志が、小さく指差して裕に耳打ちした。
「誰だったっけそれ?」
「何だよ俺の家で何度か一緒に観たじゃん?!森の中でドッペルゲンガーと出逢ったオカルトハンター歌音だよ。海でもおっかない七人みさきから、ターゲットにロックオンされてたろ!?」
「ああ。あんな顔の人だったっけ?」
人覚えは悪くない方なのだが、裕は彼女の貌をどうしても思い出せないでいた。うろ覚えとかそういうレベルの話ではない。全く初めて見た人みたいに記憶から抜け落ちていた。
「そうだよ。彼女、ネット界じゃ有名人だぜ!」
「何だよネット界って?」
「最近はテレビや映画は観ないけど、ネットは四六時中ウォッチングしてるって奴の方が多いんだよ。噂じゃ彼女、落ち着いて見えるけど現役大学生らしいな。」
「へぇー。じゃあ俺達とそう歳は変わらないじゃん。」
「あんなに可愛いのに男勝りで生意気ってトコのギャップがまたいいんだよ。」
どうやらサブカル好きな洋志のアイドルらしい。
『しっかり聴こえてるわよ!』
思わず赤面しそうになるのをポーカーフェースで何とか抑えてつけて、歌音は心の中で叫んでいた。
「ちょっと、笑ったら殺すからね。」
隣で必死に笑いを堪えてプルプル引きつった顔をしている巧を睨みつける。
「わ・・・解ってるって。」
耐え難きを耐え、巧は下唇を噛みしめて言った。
目的地の御岳山へと登るケーブルカーの登山口駅の前で、順番待ちをしている群衆の中の彼女を目ざとく見つけた洋志が、小さく指差して裕に耳打ちした。
「誰だったっけそれ?」
「何だよ俺の家で何度か一緒に観たじゃん?!森の中でドッペルゲンガーと出逢ったオカルトハンター歌音だよ。海でもおっかない七人みさきから、ターゲットにロックオンされてたろ!?」
「ああ。あんな顔の人だったっけ?」
人覚えは悪くない方なのだが、裕は彼女の貌をどうしても思い出せないでいた。うろ覚えとかそういうレベルの話ではない。全く初めて見た人みたいに記憶から抜け落ちていた。
「そうだよ。彼女、ネット界じゃ有名人だぜ!」
「何だよネット界って?」
「最近はテレビや映画は観ないけど、ネットは四六時中ウォッチングしてるって奴の方が多いんだよ。噂じゃ彼女、落ち着いて見えるけど現役大学生らしいな。」
「へぇー。じゃあ俺達とそう歳は変わらないじゃん。」
「あんなに可愛いのに男勝りで生意気ってトコのギャップがまたいいんだよ。」
どうやらサブカル好きな洋志のアイドルらしい。
『しっかり聴こえてるわよ!』
思わず赤面しそうになるのをポーカーフェースで何とか抑えてつけて、歌音は心の中で叫んでいた。
「ちょっと、笑ったら殺すからね。」
隣で必死に笑いを堪えてプルプル引きつった顔をしている巧を睨みつける。
「わ・・・解ってるって。」
耐え難きを耐え、巧は下唇を噛みしめて言った。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる