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18.志信と信次
志信と信次
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志信はパンを取りに立とうとして、見慣れない箱を見つけた。
「ん、何これ?」
「目ざといわね。パパの仕事のお付き合いの方からお中元で頂いたのよ。」
「ふーん。わっメープルシロップじゃん。開けていい?」
「いいわよ。そういえば、志信は小さいころ好きだったわね。」
「そうだっけ?でもグッドタイミング。あつっあつー。」
放り投げる様にパンを皿に乗せ、メープルシロップを箱から取り出して、一緒にテーブルに運んだ。
紅茶の葉を入れた茶こしに熱い湯を注ぎ、さらにティーカップにミルクをなみなみと注いだ後、開栓したばかりのメープルシロップを大さじ1杯分たっぷり入れる。
「なんだ、まだミルクティーにハチミツ入れるのか?そういうとこは全然成長してないんだな。」
父親は何故か嬉しそうに笑った。
「体ばっかり大きくなってもまだまだ子供なのよ。」
「メープルシロップはハチミツじゃなくて、カエデの樹の樹液ですー。」
「屁理屈ばっかり一人前だな。でもそうかハチミツは蜜蜂が集めた花の蜜だものな。」
「それにハチミツが好きなのは信次の方だよ。」
「そうだったっけ?」
「そうだよ。」
志信は食パンの耳をちぎって、ミルクティーに浸して口にほうばった。
甘くクリーミーな味わいが口の中にじゅわっと広がると同時に、香気の高い香りが鼻の奥を優しくくすぐる。
二つの味わいを同時に感受していた時、どこからか懐かしい思い出の断片が遡ってきた。
いつの日か、心の奥底に忘れ去っていた記憶の一欠片が、味覚と臭覚に呼び起されて、静かに静かに引き揚げられて来るみたいだ。
すると突然、頭の中をなにか電気的な感覚がびりりと走り抜け、その瞬間意識ごと引っこ抜かれる様にして、志信はふうと気を失った。
「ん、何これ?」
「目ざといわね。パパの仕事のお付き合いの方からお中元で頂いたのよ。」
「ふーん。わっメープルシロップじゃん。開けていい?」
「いいわよ。そういえば、志信は小さいころ好きだったわね。」
「そうだっけ?でもグッドタイミング。あつっあつー。」
放り投げる様にパンを皿に乗せ、メープルシロップを箱から取り出して、一緒にテーブルに運んだ。
紅茶の葉を入れた茶こしに熱い湯を注ぎ、さらにティーカップにミルクをなみなみと注いだ後、開栓したばかりのメープルシロップを大さじ1杯分たっぷり入れる。
「なんだ、まだミルクティーにハチミツ入れるのか?そういうとこは全然成長してないんだな。」
父親は何故か嬉しそうに笑った。
「体ばっかり大きくなってもまだまだ子供なのよ。」
「メープルシロップはハチミツじゃなくて、カエデの樹の樹液ですー。」
「屁理屈ばっかり一人前だな。でもそうかハチミツは蜜蜂が集めた花の蜜だものな。」
「それにハチミツが好きなのは信次の方だよ。」
「そうだったっけ?」
「そうだよ。」
志信は食パンの耳をちぎって、ミルクティーに浸して口にほうばった。
甘くクリーミーな味わいが口の中にじゅわっと広がると同時に、香気の高い香りが鼻の奥を優しくくすぐる。
二つの味わいを同時に感受していた時、どこからか懐かしい思い出の断片が遡ってきた。
いつの日か、心の奥底に忘れ去っていた記憶の一欠片が、味覚と臭覚に呼び起されて、静かに静かに引き揚げられて来るみたいだ。
すると突然、頭の中をなにか電気的な感覚がびりりと走り抜け、その瞬間意識ごと引っこ抜かれる様にして、志信はふうと気を失った。
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