最弱スキルも9999個集まれば最強だよね(番外編・地球)

排他的経済水域

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ケインと魔法少女達③

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縮地した先には既に魔物はおらず、しかし何処かに気配を感じる。

このままでは街の人が危ない……

ケインは一旦二手に分かれることを提案する。

「僕なら相手がどんな奴でもそうそう遅れは取らないから、もし君ら3人の方に魔物が出たらすぐに知らせて!」

「えーっと……あ、LINE交換する?」

「いや、叫び声を上げてくれれば良い。それが無理そうな状況とかなら自分を守る事を優先して戦って!戦いが大きくなれば僕も気付けると思うから。僕が戻るまでの間時間を稼いでくれ」

そう言ってケインは街の中に入って行った。

「……行っちゃった」

「私達は4人で魔法少女なんだから、もう少し頼ってくれても良いのにね!」

「まあまあ、ケインにはケインの考えがあるんだよ。さ、私達も探そう」

3人が街の中に入ろうとしたら、鈴菜がそれを止めた。

「待って、あそこに何かいる」

鈴菜が刺した方向を見ると、確かに小さな獣の様な魔物がいた。

それはもう可愛い見た目をしたうさぎ型の魔物が………

それを見た日奈子が少し目を輝かせて近づく。

「わあ!可愛いうさぎさん!ねえ、あの子私達のパートナーになってくれないかな?」
 
「馬鹿言わないでよ。あんな見た目でもモンスターなのよ。人を襲うに決まって……」

しかし、うさぎ型の魔物は目をルビーの様に輝かせながら近寄ってきて擦り寄ってくる。

「この子……仲間になりたいんじゃない?」

「良いわね!魔法少女といえばお助けキャラが必須だものね!」

「でも……この子もモンスターだし……」

「キュウウウ……」

しかし、唯一仲間に入れるのに反対であった日向も、可愛らしい声で鳴くのを見て負けてしまった様だ。
 
「し、仕方ないわね!どうせこの子には何も出来ないでしょうし!飼ってあげても良いんじゃない?」

「やったー!」

「この子の名前何にする?」

「キュウって鳴いてるしキュウは?」

「安直ぅー」

3人はキュウを抱き上げて頭を撫でた。

あまりの可愛らしさに魔物である事も忘れてしまっている。

「……ところで、この子モンスターよね?ケインが言っていた子とは違うのかしら?」

「違うわよきっと。だってこんなに愛くるしいし、人畜無害な顔してるのよ?」

「キュウ!」

「そうよね……じゃあ他にモンスターがいたって事……?」

「そうに違いないわ。この子は無関係よ」

「でも一応ケインに聞いといた方が……」

「良いわよ別に。後で見せてあげましょ」

3人は一旦キュウを仲間にする事にして、他の魔物がいないか探索をする事にした。



………………………………
………………
……


ケインは街に入っていち早く異変に気づいた。

(……おかしい。殺気を2つ感じる……?でもどちらも上手い事隠れてるな……)

相手はどういうわけか身を隠している様だった。
ケインからすれば隠しきれていないダダ漏れの殺気だが何処にいるか正確な居場所が掴めない。

(早くしないとここの人達が殺されてしまう)

そう考えたケインは大声を出す。

「この街の皆さん!ここは危険です!すぐに避難してください!魔物が来ています!」

これで魔物を誘き寄せる事が出来れば倒せば良い。
出て来ずに警戒して潜んでいたらそれはそれで構わない。一度街の住人を安全な所まで避難してもらうだけである。

……だが、街の人は返事をしない。

頭のおかしい人と思われたのか?
それとも返答する気がないのか……?

否、そうでは無い。

ケインは既に嫌な予感がしていた。

「すみませーん!入りますよー!」

その予感を確かめる為にケインは民家の中に入った。

そこには……

「やっぱり……もう死んでる」

そこの家主だったと思われる死体が転がっていた。
 

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