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朝を迎えて
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「遥奈ぁ……」
「ば、ばかぁ……9時過ぎちゃったじゃん……」
結局、昨夜は同じベッドで寝ることになってしまい、唯に襲われなかなか寝かせてもらえなかった。やっぱり一度帰ればよかった。
「唯! 起きなさいよ!」
「やぁ……キスしてぇ」
……もう! なんなのこのキャラの違いは! 可愛いんだけど! 何度かキスをして、ようやく普段通りになった唯。本当の唯はどっちの人格なんだろう。……その前に、唯とキスすることに抵抗を感じなくなってきた自分が恐い。いやでも、唇と唇が触れるだけのキスで、そんなエッチなものじゃないし……あぁ、でも……唯とエッチしちゃってるじゃん、私。あれはあれだ、唯が無理矢理したからノーカンだ。
「……服、ひどい。これじゃ外出れないじゃん……」
パジャマのない私は昨日の格好のまま寝ようとした。でも唯に寝かせてもらえなかったせいで、ブラウスはくしゃくしゃで染みとかあるし、スカートも同じ感じ。明らかに乱れた行為の後って感じ。こんな状態で外に出たら痴女だよ。レイプされるよ。……絶対ヤダ。
「家まで送るわ。タクシーなら大丈夫でしょう?」
「まぁ、ね……」
あぁ……昨日、歯を磨けなかったなぁ。口の中まずい。パンツは……脱がされて、どこに行ったのやら。しかもブラしたまま寝たから違和感やばい。
「パンツ……これ、穿くのか……」
心なしか湿気ている気がする。……ノーパンってわけにもいかないし、しょうがないか。
「朝ごはんにしましょう? シリアルだけど」
「なんで唯は平然としてるのよ?」
「昨日は凄かったね、くらい言った方が良かったかしら?」
……そうじゃないっての。
「ゆ、唯だって、私のあ、愛液で身体ベタベタするでしょ? 気持ち悪く、ないの?」
「あら、一緒にシャワー浴びたいってこと?」
「違う!!」
私が唯より優位に立てるのは朝の短い時間だけってことか。唯より優位って、ちょっと語呂がいいよね。って、アホか私は。いや、……まぁいいや。
「食べたら一度帰るね。で、お昼作ったらまた帰る。それでいいよね?」
「えぇ。分かったわ。これ、タクシー代。おつりは、そうね。貰って」
「うん。そうする。ご馳走様。じゃ、タクシー呼ぶね。ここ、なんて説明すればいい?」
「メゾン・ド・スズカゼ。これで分かってくれると思うわ」
「ありがと」
暫らくしてマンションの一階へ下り、タクシーに乗り込む私を、唯は笑顔で見送ってくれた。その時の笑顔は、心からの笑顔に見えた……ような気がした。
「ば、ばかぁ……9時過ぎちゃったじゃん……」
結局、昨夜は同じベッドで寝ることになってしまい、唯に襲われなかなか寝かせてもらえなかった。やっぱり一度帰ればよかった。
「唯! 起きなさいよ!」
「やぁ……キスしてぇ」
……もう! なんなのこのキャラの違いは! 可愛いんだけど! 何度かキスをして、ようやく普段通りになった唯。本当の唯はどっちの人格なんだろう。……その前に、唯とキスすることに抵抗を感じなくなってきた自分が恐い。いやでも、唇と唇が触れるだけのキスで、そんなエッチなものじゃないし……あぁ、でも……唯とエッチしちゃってるじゃん、私。あれはあれだ、唯が無理矢理したからノーカンだ。
「……服、ひどい。これじゃ外出れないじゃん……」
パジャマのない私は昨日の格好のまま寝ようとした。でも唯に寝かせてもらえなかったせいで、ブラウスはくしゃくしゃで染みとかあるし、スカートも同じ感じ。明らかに乱れた行為の後って感じ。こんな状態で外に出たら痴女だよ。レイプされるよ。……絶対ヤダ。
「家まで送るわ。タクシーなら大丈夫でしょう?」
「まぁ、ね……」
あぁ……昨日、歯を磨けなかったなぁ。口の中まずい。パンツは……脱がされて、どこに行ったのやら。しかもブラしたまま寝たから違和感やばい。
「パンツ……これ、穿くのか……」
心なしか湿気ている気がする。……ノーパンってわけにもいかないし、しょうがないか。
「朝ごはんにしましょう? シリアルだけど」
「なんで唯は平然としてるのよ?」
「昨日は凄かったね、くらい言った方が良かったかしら?」
……そうじゃないっての。
「ゆ、唯だって、私のあ、愛液で身体ベタベタするでしょ? 気持ち悪く、ないの?」
「あら、一緒にシャワー浴びたいってこと?」
「違う!!」
私が唯より優位に立てるのは朝の短い時間だけってことか。唯より優位って、ちょっと語呂がいいよね。って、アホか私は。いや、……まぁいいや。
「食べたら一度帰るね。で、お昼作ったらまた帰る。それでいいよね?」
「えぇ。分かったわ。これ、タクシー代。おつりは、そうね。貰って」
「うん。そうする。ご馳走様。じゃ、タクシー呼ぶね。ここ、なんて説明すればいい?」
「メゾン・ド・スズカゼ。これで分かってくれると思うわ」
「ありがと」
暫らくしてマンションの一階へ下り、タクシーに乗り込む私を、唯は笑顔で見送ってくれた。その時の笑顔は、心からの笑顔に見えた……ような気がした。
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