君と咲かせる大輪の百合

楠富 つかさ

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ExtraNight 紅葉の誕生日

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 10月11日深夜、私、城咲紅葉は菊花寮の自室で横になっていた。そろそろ日付が変わる。12日は私の誕生日、16歳になる。不意に、部屋の扉が開くきぃーっという音が聞こえた。隣近所の部屋にしては音が近いような。お姉さま、だろうか。菊花寮に入って以来、お姉さまが不定期に訪ねてくるから施錠はしていない。

「「誕生日おめでとう」」

 私の予想は半分当たっていて半分外れていた。お姉さまの奥から顔を出したのはかおりだった。桜花寮の元ルームメイトとしてはっきり言うが、こんな時間にかおりが起きているのはえっちをする時くらいだ。卑しい期待をこらえられなかった。
 何も言わずとも分かる。暗がりを気にもせず、真っ直ぐ二人がベッドに来る。ぎゅっと抱きしめられると彼女たちの温もりが伝わってくる。

「「「っちゅ」」」

 三人で口づけを交わす。唇を貪りあううちに水音が少しずつ大きくなっていく。唾液が零れて、私の首筋を伝うと、かおりがそれを舐めるように舌を首筋に沿って動かす。

「はぅ……ん」

 少しだけ歯を立てたり、音を立ててすすったりと、かおりが首筋への愛撫を続ける。唇は唇で、お姉さまの舌が割り込んできて唾液を攪拌する。唇を通してお姉さまと一つになるような、意識が溶け出していくような感覚。まだキスしかしていないのに、下着がじっとりと濡れてしまっているのが感覚的に分かる。
 右手はかおりに抱かれて動かせないから、左手でお姉さまを抱き寄せる。胸もあそこも、切なくて……。でもお姉さまにも気持ちよくなってほしくて、お姉さまのおしりを撫でる。

「紅葉ちゃんの手、温かい……」

 お姉さまの手も温かい。お姉さまの手がパジャマの下に這入って肌に触れる。下着をつけていない私の胸を、お姉さまの手が覆う。乳首はすっかり尖ってしまって、掌で転がされるだけで気持ちいい。声が出てしまいそうなのを、かおりに唇でふさがれる。指先でつままれて快感の波が強く寄せてくる。

「ん、んぅう!!」

 一瞬、ベッドから背中が浮く。浅く呼吸を繰り返すうちに、かおりがパジャマの上をお姉さまが下を脱がせる。ショーツもすっかり濡れてしまって、お姉さまに脱がされる。ひんやりとした空気に少し身震いをする。

「イッちゃったね」

 耳朶をうつかおりの声があまりにも艶めかしくて、思わず驚く。

「16歳の誕生日に、16回……イカせてあげるね」

 ますます驚くがその声はお姉さまの唇にふさがれる。今日のお姉さま、すごく積極的で……気持ちよくなってしまう。かおりの舌が耳たぶを舐め、甘噛みする。その感覚に背筋に快感が奔る。かおりの舌が耳全体を舐めると、今まで知らなかった気持ちよさが私に襲いかかる。吐息が、水音が、私の思考を削り取る。本当に、かおりは思いもよらないことをしてくる。

「こっちでも気持ちよくなって」

 お姉さまとキスをして、かおりに耳を舐められて、二人から乳首を責め立てられる。とっくに全身が敏感になっていて、

「イク……イクぅう」

 喉より奥から出るように、声が漏れて……二度目の絶頂に達してしまった。これがまだ何度も続くようなら、私……どうかなってしまいそうだ。止めたいのに、まだ大事なところがお預けをくらっているせいで、下腹部がもう我慢出来ない程にきゅんきゅんしてしまっている。

「おまんこ……おまんこもぉ……」

 だらしなくおねだりして、解放されたい……そう思っていたのに。

「だーめ」

 甘ったるいかおりの声が耳朶をうつ。あぁ、こんなにもあどけなくて可愛らしい表情でなんて残酷なコトを言うのだろう。天使のような笑顔が小悪魔に見えてしかたない。視線を動かしてお姉さまを見ると、少しだけ申し訳なさそうな、でも既に快楽に取り込まれたとろんとした瞳で私を……私の胸を見つめている。

「大きくなったよね、紅葉ちゃん」

 にこりと笑って、私の胸を……乳輪を舐めるお姉さま。かおりと二人同時に、私の乳首を口に含むと、舌が吸い付いてくる。

「はぅ、はぁ……はぁ、ああ、んああ!!」

 キスがないから、喘ぎ声が全部出てしまう。普段ならこうして二人から愛撫されるのはお姉さまなのに、そんなお姉さまが懸命に私のことを気持ちよくしようとしているのが嬉しくて、いじらしくて、ますます気持ちよくなってしまう。こんなに連続でイクことなんてなくて、もう全部二人に投げ出したいような気持ちになる。

「紅葉ちゃんのおねだり、もう一回聞かせて?」
「おねえ、さま? 私の、おまんこ、気持ちよく……してください」

 お姉さまにまでイジワルされて、でもそれがちょっと嬉しくて、私がおねだりすると、お姉さまは唇にキスをくれた。もう下の唇からも涎がいっぱい零れていて、かおりが指ですくう。すると、異物感が私のあそこに来る。

「か、かおり?」
「かおりちゃん……それって」

 お姉さまも何だか驚いてるみたいで、どうしたんだろうと思ったのも一瞬、私の身体を淡い振動が襲う。イキそうでぎりぎりイケない強さが私の膣に響く。

「強にしちゃおっか」
「んぁ、あああ、い、あぅ、っくぅう!!」

 強い振動が私の中で暴れて、私はまた果ててしまった。

「ふふ、紅葉ちゃんのおつゆでびしょびしょだぁ」

 私の中から引き抜かれたそれを、かおりの舌がなぞる。それがピンクローターだと気付いたのはその時だった。

「かおりちゃん、それどうしたの?」
「えへへ。恵玲奈ちゃんから貰った。美海ちゃんに見付かると問題なんだって」

 お姉さまの困惑気味な声が聞こえる中、かおりは止まらなかった。

「今度はぁ、クリちゃんにえぃっ」

 とっくに固くなっていた陰核にローターが触れると、気持ちいいというより痛みが勝った。

「かおり、それダメ……」

 声に出すとただ感じているだけに聞こえてしまいそうだったけれど、幸いかおりは意図を汲んでくれた。ローターを切るとかおりの舌がクリトリスを舐める。ざらついた舌がなぞると、喘ぎ声が洩れた。指と舌で責め立てられて五回目の絶頂を迎えた。まだ五回なのかもう五回なのか、それも分からなかったし、本当に五回なのかも分からなかった。

「二人とも……わたし、もう」

 お姉さまが熱に浮かされたような声で呟きながら、ゆっくりと服を脱ぐ。てらてらと濡れたお姉さまの陰唇から目が離せない。かおりも服の一切を脱ぐと、前より少しだけ茂みが濃くなっていた。そろそろ整え方も教えてあげなくては。

「かなみちゃん、どっちがいい?」

 かおりがそう聞くと、お姉さまは私の陰唇に陰唇でキスをしてきた。ぐちゅりと水音が大きく響く。するとかおりの秘所が眼前に現れる。

「わたしも我慢できないの。気持ちよくして?」

 かおりの蜜壺に舌を伸ばす。甘い喘ぎ声は可愛らしい少女なのに、秘所から香る女の匂いに興奮が高まる。聞こえるキス音はかおりとお姉さまのもの。貝合がおろそかになってて思わず私から腰を動かすと、お姉さまの甘い声が部屋に響く。

「「んちゅ、じゅぶ……」」
「れろ……ちゃぷ……んぐぅ」

 秘所の細動でかおりが達しそうなのを感じる。それが嬉しくて軽くイッてしまうと、その振動でお姉さまが感じているのが分かる。もっと深く求めると、三人が同時に大きく背を反らす。

「「「はぁ……はぁ……」」」

 むせかえるような淫らな匂いが、疼きをそうやすやすとは鎮めてくれない。お姉さまとかおりが場所を交代して、お姉さまの蜜を啜る。みんなイッたばかりなのはお構いなしで、とにかく腰を振る。




 一体どれだけの時間まぐわっていたのだろうか。すっかり明るくなってきた。すやすやと眠るかおりとお姉さまはあどけなくて、あれだけの痴態をさらしていたなんて想像できないほどだ。まぁ、私もそうなんだろうけど。多分16回なんて軽く超えるほどの絶頂を経験しただろう。身体のあちこちが痛いし、首筋や太ももにキスマークが見える。今はこの疲労感に身体を委ねて、大切な恋人たちの手を握ってもう一眠りするとしよう。
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