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食後、あてがわれた客間に戻る。ふかふかのカーペットと大きなベッド、昨日ははしゃいでダイブしちゃったけど今日はそうもいかない。だって、ここにあるベッドは一台、これで雨月と一緒に寝る。……実家だと布団を並べてだけど、なんかむしょうに緊張する。それに……。
「晴日、その服似合ってるよ」
昨日の夜はジャージで寝たけど、そのジャージで今日大立ち回りしたわけで、今夜はエレノアからもらった夜着を着ている。形は同じだけど私が薄ピンクで雨月が薄い水色、胸元は開いてるし丈は短いし全体的に透けてるし……お互いの裸なんて当たり前のように見ていたのに、なんだか恥ずかしい。
「あ、ありがと……」
そそくさと雨月の横を通り過ぎて、私は窓際に置かれた椅子に腰かけた。
「どうしたの? 具合でも悪い?」
「ううん、平気だよ。ちょっと疲れてるだけだから」
雨月は心配してくれたみたいだけど、私は笑顔で返した。
「ならいいんだけど……本当に大丈夫?」
「大丈夫だって。なんでそんなに念押しするのさ?」
雨月のこと、なんでも分かっているつもりだったけれど……こっちの世界に来てから、少しずつ分からないことが増えた気がする。あのキスも、その真意も。
「……じゃあ、キスも、その続きも、いい……よね?」
私の肩に手を置きながら、雨月は顔を近づけてくる。同じ顔でも違う表情。雨月の瞳に私が映って、私の瞳に雨月が映る。
「えっ!?」
突然のことに戸惑っているうちに唇が重なる。何度も、何度も。
「ん……ふぅ……ちゅく……んぁ……」
頭がくらくらしてくるような濃厚なキス。舌が絡まって、唾液が混ざりあって、息が苦しくなる。それでも、もっとしてほしいと思えた。
「ぷはぁ! はぁ、はぁ……もう、いきなり何なの?」
やっと解放されて呼吸を整える。
「ごめん、我慢できなくて」
雨月はそう言って笑った。
―――雨月はずるい。私と同じ顔のくせに、私より可愛く見える。それなのに、こんなにドキドキさせられるなんて反則だ。
「ねぇ、晴日」
「なに?」
「……好きだよ」
「……!」
それは、いつもと変わらない言葉だったはずなのに、なぜかすごく特別なものに聞こえた。
「大好き」
もう一度呟いて、今度は首筋を舐められる。
「ひゃあっ!……やめてよ、そういうのはだめだから」
「どうして?」
「どうしても何も……私たちは双子だし、女の子同士だし……」
「関係ないよ」
「あるよ」
雨月から逃げるように、背中を向ける。
「……晴日」
後ろから抱き締められた。
「……好き」
耳元で囁かれる声に背筋がぞくっとする。
「……雨月」
「……晴日」
振り向いた瞬間、再び口づけされる。身体が熱を帯びる。一つに融けてしまいそうで……でも、私と雨月は少しずつ違う。
雨月の方が少しだけ色白で、少しだけ胸も大きくて、少しだけ手が荒れている。私が一人で出かけてしまった時も、家の手伝いをしていた雨月の手だ。
「私も、雨月のこと……大好きだよ」
雨月の手を握り受け入れる。私からする初めてのキス。
「明かりは……消してね」
双子で……姉妹で……最愛。
「晴日、その服似合ってるよ」
昨日の夜はジャージで寝たけど、そのジャージで今日大立ち回りしたわけで、今夜はエレノアからもらった夜着を着ている。形は同じだけど私が薄ピンクで雨月が薄い水色、胸元は開いてるし丈は短いし全体的に透けてるし……お互いの裸なんて当たり前のように見ていたのに、なんだか恥ずかしい。
「あ、ありがと……」
そそくさと雨月の横を通り過ぎて、私は窓際に置かれた椅子に腰かけた。
「どうしたの? 具合でも悪い?」
「ううん、平気だよ。ちょっと疲れてるだけだから」
雨月は心配してくれたみたいだけど、私は笑顔で返した。
「ならいいんだけど……本当に大丈夫?」
「大丈夫だって。なんでそんなに念押しするのさ?」
雨月のこと、なんでも分かっているつもりだったけれど……こっちの世界に来てから、少しずつ分からないことが増えた気がする。あのキスも、その真意も。
「……じゃあ、キスも、その続きも、いい……よね?」
私の肩に手を置きながら、雨月は顔を近づけてくる。同じ顔でも違う表情。雨月の瞳に私が映って、私の瞳に雨月が映る。
「えっ!?」
突然のことに戸惑っているうちに唇が重なる。何度も、何度も。
「ん……ふぅ……ちゅく……んぁ……」
頭がくらくらしてくるような濃厚なキス。舌が絡まって、唾液が混ざりあって、息が苦しくなる。それでも、もっとしてほしいと思えた。
「ぷはぁ! はぁ、はぁ……もう、いきなり何なの?」
やっと解放されて呼吸を整える。
「ごめん、我慢できなくて」
雨月はそう言って笑った。
―――雨月はずるい。私と同じ顔のくせに、私より可愛く見える。それなのに、こんなにドキドキさせられるなんて反則だ。
「ねぇ、晴日」
「なに?」
「……好きだよ」
「……!」
それは、いつもと変わらない言葉だったはずなのに、なぜかすごく特別なものに聞こえた。
「大好き」
もう一度呟いて、今度は首筋を舐められる。
「ひゃあっ!……やめてよ、そういうのはだめだから」
「どうして?」
「どうしても何も……私たちは双子だし、女の子同士だし……」
「関係ないよ」
「あるよ」
雨月から逃げるように、背中を向ける。
「……晴日」
後ろから抱き締められた。
「……好き」
耳元で囁かれる声に背筋がぞくっとする。
「……雨月」
「……晴日」
振り向いた瞬間、再び口づけされる。身体が熱を帯びる。一つに融けてしまいそうで……でも、私と雨月は少しずつ違う。
雨月の方が少しだけ色白で、少しだけ胸も大きくて、少しだけ手が荒れている。私が一人で出かけてしまった時も、家の手伝いをしていた雨月の手だ。
「私も、雨月のこと……大好きだよ」
雨月の手を握り受け入れる。私からする初めてのキス。
「明かりは……消してね」
双子で……姉妹で……最愛。
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