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#14 佳子視点
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「――いいよ」
佑奈がそっと目を閉じた。胸が高鳴る。嬉しくて、でもそれ以上に、熱くて苦しい。佑奈からしてくれた、あの触れるだけのキスで愛おしいのに、もっと深く繋がりたい。我儘な私を佑奈は受け入れてくれる。
「佑奈……」
声にならない声を漏らしながら、私はそっと唇を重ねた。きっと彼女が想像していたのは、これくらいのもの。けれど、私は違う。離したくない。もっと、深く。
私は、そっと舌を伸ばし、佑奈の唇を舐めた。
途端に、彼女の肩がぴくっと震える。見開いた目には驚きの色が浮かんでいるけれど、拒むような様子はない。
「……っ」
息をのむ音。それが私のものか佑奈のものか分からない。
まつげが、小さく揺れる。
「ん……?」
戸惑うような、掠れた声。でも、私は止まらない。佑奈の唇が少し開いた、その隙間を逃さずに――舌を、ねじ込む。
「んっ……!?」
息を詰めたように固まった彼女の舌に、自分の舌を絡める。熱い、柔らかい、濡れた感触。佑奈の息が、私の口の中で震える。
抵抗は、ない。驚いているだけ。受け入れてくれる。
私は舌を絡めながら、佑奈の手をそっと握る。離さないように。
――怖がらせてしまった?
そんな不安が脳裏をかすめる。
けれど、佑奈は強く押し返すこともなく、ただ震えながら私のキスを受け止めている。
すぐ目の前に佑奈の顔がある。頬は火照り、潤んだ瞳が私を見つめている。
「ん……っ、ふ……」
漏れた息が熱を帯びていて、私の中でさらに火が灯る。
彼女の口の中を、もっと知りたい。
もっと深く、私だけのものにしたい。
佑奈の喉が、小さく震える。
私たちはしばらくの間、互いの熱を確かめ合うようにキスを続けた。
けれど――
「……っ、ぅ、ん……」
佑奈の手が、私の肩を押す。
拒むというよりも、耐えきれないような、そんな弱い力。
――ダメ?
もっと、欲しいのに。
でも……。
仕方なく、私は名残惜しさに唇を離した。
「……はぁ……っ」
佑奈の唇が、濡れた光を帯びている。彼女の肩が、呼吸に合わせて小さく上下する。
「……佳子……ちゃん」
震える声。その響きに、胸の奥がぎゅっと締め付けられる。
怖がらせてしまった? 嫌われる?
――そんなの、耐えられない。
「……ごめん」
言いたくないのに、思わず謝ってしまう。
私の特別な人に、嫌われたくないから。だけど――
「……ううん」
佑奈は小さく首を振った。
そして、まだ赤い顔のまま、ぎこちなく微笑んだ。
「……ちょっとびっくりしたけど……でも、嫌じゃないよ」
――ああ。心臓が跳ねる。
佑奈の唇に視線を落とす。
まだ、私の熱が残っているみたいに、艶を帯びていて。
もっと、触れたくなる。
でも、今は。
「……ありがと」
そう言って、私はそっと佑奈の手を握りしめた。彼女も、力を込めて握り返してくれる。
私たちは、もう後戻りできないところまで来てしまった。だけど、それでいい。これは、私が望んだことだから。
佑奈がそっと目を閉じた。胸が高鳴る。嬉しくて、でもそれ以上に、熱くて苦しい。佑奈からしてくれた、あの触れるだけのキスで愛おしいのに、もっと深く繋がりたい。我儘な私を佑奈は受け入れてくれる。
「佑奈……」
声にならない声を漏らしながら、私はそっと唇を重ねた。きっと彼女が想像していたのは、これくらいのもの。けれど、私は違う。離したくない。もっと、深く。
私は、そっと舌を伸ばし、佑奈の唇を舐めた。
途端に、彼女の肩がぴくっと震える。見開いた目には驚きの色が浮かんでいるけれど、拒むような様子はない。
「……っ」
息をのむ音。それが私のものか佑奈のものか分からない。
まつげが、小さく揺れる。
「ん……?」
戸惑うような、掠れた声。でも、私は止まらない。佑奈の唇が少し開いた、その隙間を逃さずに――舌を、ねじ込む。
「んっ……!?」
息を詰めたように固まった彼女の舌に、自分の舌を絡める。熱い、柔らかい、濡れた感触。佑奈の息が、私の口の中で震える。
抵抗は、ない。驚いているだけ。受け入れてくれる。
私は舌を絡めながら、佑奈の手をそっと握る。離さないように。
――怖がらせてしまった?
そんな不安が脳裏をかすめる。
けれど、佑奈は強く押し返すこともなく、ただ震えながら私のキスを受け止めている。
すぐ目の前に佑奈の顔がある。頬は火照り、潤んだ瞳が私を見つめている。
「ん……っ、ふ……」
漏れた息が熱を帯びていて、私の中でさらに火が灯る。
彼女の口の中を、もっと知りたい。
もっと深く、私だけのものにしたい。
佑奈の喉が、小さく震える。
私たちはしばらくの間、互いの熱を確かめ合うようにキスを続けた。
けれど――
「……っ、ぅ、ん……」
佑奈の手が、私の肩を押す。
拒むというよりも、耐えきれないような、そんな弱い力。
――ダメ?
もっと、欲しいのに。
でも……。
仕方なく、私は名残惜しさに唇を離した。
「……はぁ……っ」
佑奈の唇が、濡れた光を帯びている。彼女の肩が、呼吸に合わせて小さく上下する。
「……佳子……ちゃん」
震える声。その響きに、胸の奥がぎゅっと締め付けられる。
怖がらせてしまった? 嫌われる?
――そんなの、耐えられない。
「……ごめん」
言いたくないのに、思わず謝ってしまう。
私の特別な人に、嫌われたくないから。だけど――
「……ううん」
佑奈は小さく首を振った。
そして、まだ赤い顔のまま、ぎこちなく微笑んだ。
「……ちょっとびっくりしたけど……でも、嫌じゃないよ」
――ああ。心臓が跳ねる。
佑奈の唇に視線を落とす。
まだ、私の熱が残っているみたいに、艶を帯びていて。
もっと、触れたくなる。
でも、今は。
「……ありがと」
そう言って、私はそっと佑奈の手を握りしめた。彼女も、力を込めて握り返してくれる。
私たちは、もう後戻りできないところまで来てしまった。だけど、それでいい。これは、私が望んだことだから。
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