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#2 チェックイン
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愛海ちゃん……もといアイミちゃんを予約したのは夏休み二日目の午後二時。待ち合わせ場所は海ヶ谷駅の北口だ。
私は普段通りカットソーにデニムのパンツとラフな格好。日陰で待っていると、遠目に淡いブルーのワンピースにシアーのカーディガンを羽織った、清楚が服を着ているかのような恰好の女性が近づいてきた。すぐに私に気付き……表情がこわばる。
「嘘……長谷部さん……」
「”初めまして”、アイミちゃん。今日はよろしくね」
そう言って私はアイミちゃんに二万五千円を入れた封筒を渡す。
「ちょ、え……?」
最初くらい先輩が出してくれるって言ったけど、断った。90分のヘルスコースが思ったほど高くなかったというのもあるが、せっかく好きな子に貢げるのだからと思って自分で用意した。
「いやぁ、アイミちゃんリバなんだね。私もリバだから、今日は初めてだし、いっぱい責めてもらおうかなぁ」
「あ、あの!!」
「なに?」
「いや……その、長谷部希さんだよね。この前、告白してきた」
「そうだよ。飯澤愛海さん」
同じ学部の女の子がまさか風俗で働いているなんて思わないし、同じように向こうもまさか同級生から本指名されるとは思っていなかったのだろう。とはいえ、もうお金も渡して時間が始まっちゃっている以上は、楽しませてもらわないと。
「ねぇ、早く行こうよ。時間勿体ないよ」
「うぅん……」
「ほら、いこいこ!」
私は強引に手を引いて歩き出す。
「あ、待って、ちょっと……」
「えー、待たないよぉ」
私はアイミちゃんの手をぎゅっと握ったまま、海ヶ谷の街へと繰り出した。行先は当然、一も二もなくラブホテルなのだが。
「ここが、そうなんだぁ」
初めて来たけど想像していたより普通の建物で安心した。フロントも無人でタッチパネルで入室から決済まで済ませられるようになっていた。ホテル代は別料金だから追加出費ではあるが、まぁ仕方ない。
「先にシャワー浴びる?」
「え? ……えぇ。そういうルールよ」
戸惑いつつも、彼女はこくりと首を縦に振る。かわいい。
「それじゃあ、当然お風呂でもいろいろしてくれるんでしょう?」
「え、えぇ。ローションなんかはオプションだけど、洗体とかキスとか……そういうのは対応します」
恥ずかしそうにもじもじしながら答えるアイミちゃんが可愛くて思わず抱きしめてしまう。
「きゃっ!?」
「なんか固いよ! もっとフランクにさぁ。大学で話す時だってもっと気楽じゃん?」
「そ、それとこれとは別というか、今は嬢とお客だし……それに、その……こういう仕事していて、なんていうか……お、思うところはないんですか! 断った側が言うのも変ですけど、告白した相手ですよ!?」
「それはそれでしょ。アイミちゃんはアイミちゃんだよ。そりゃ、まぁ、最初はショックだったけどさ。取り敢えず愛海ちゃんとアイミちゃんは切り離して考えてるから。心までどうこうできなくても、お金さえ払えば身体は好きにできるって、それはそれでアリじゃん」
私の言葉を聞いて、アイミちゃんはしばらく固まっていた。
「……変わった人ですね」
「よく言われる」
「本当にいいの? 私、長谷部さんのこと振ったんだよ? そんな子とこんなとこに来て。後で後悔しても知らないよ? あと、口外禁止ですからね?」
「えぇ~。こういうのってお客からお客を紹介して指名増やすんじゃないの?」
「そ、それはそうかもしれませんけど! 指名が増えるのは嬉しいですけど……困る」
「なんで?」
「私、まだ高校生の妹がいるんですよ。だから、あんまりお仕事が増えて家を空けると、怪しいっていうか……」
「ふむ。それじゃあ、二人だけの秘密ってことで」
私はアイミちゃんの手を握って、浴室へ連れて行く。まずは、どんな下着をつけているのか、拝見しますか。
私は普段通りカットソーにデニムのパンツとラフな格好。日陰で待っていると、遠目に淡いブルーのワンピースにシアーのカーディガンを羽織った、清楚が服を着ているかのような恰好の女性が近づいてきた。すぐに私に気付き……表情がこわばる。
「嘘……長谷部さん……」
「”初めまして”、アイミちゃん。今日はよろしくね」
そう言って私はアイミちゃんに二万五千円を入れた封筒を渡す。
「ちょ、え……?」
最初くらい先輩が出してくれるって言ったけど、断った。90分のヘルスコースが思ったほど高くなかったというのもあるが、せっかく好きな子に貢げるのだからと思って自分で用意した。
「いやぁ、アイミちゃんリバなんだね。私もリバだから、今日は初めてだし、いっぱい責めてもらおうかなぁ」
「あ、あの!!」
「なに?」
「いや……その、長谷部希さんだよね。この前、告白してきた」
「そうだよ。飯澤愛海さん」
同じ学部の女の子がまさか風俗で働いているなんて思わないし、同じように向こうもまさか同級生から本指名されるとは思っていなかったのだろう。とはいえ、もうお金も渡して時間が始まっちゃっている以上は、楽しませてもらわないと。
「ねぇ、早く行こうよ。時間勿体ないよ」
「うぅん……」
「ほら、いこいこ!」
私は強引に手を引いて歩き出す。
「あ、待って、ちょっと……」
「えー、待たないよぉ」
私はアイミちゃんの手をぎゅっと握ったまま、海ヶ谷の街へと繰り出した。行先は当然、一も二もなくラブホテルなのだが。
「ここが、そうなんだぁ」
初めて来たけど想像していたより普通の建物で安心した。フロントも無人でタッチパネルで入室から決済まで済ませられるようになっていた。ホテル代は別料金だから追加出費ではあるが、まぁ仕方ない。
「先にシャワー浴びる?」
「え? ……えぇ。そういうルールよ」
戸惑いつつも、彼女はこくりと首を縦に振る。かわいい。
「それじゃあ、当然お風呂でもいろいろしてくれるんでしょう?」
「え、えぇ。ローションなんかはオプションだけど、洗体とかキスとか……そういうのは対応します」
恥ずかしそうにもじもじしながら答えるアイミちゃんが可愛くて思わず抱きしめてしまう。
「きゃっ!?」
「なんか固いよ! もっとフランクにさぁ。大学で話す時だってもっと気楽じゃん?」
「そ、それとこれとは別というか、今は嬢とお客だし……それに、その……こういう仕事していて、なんていうか……お、思うところはないんですか! 断った側が言うのも変ですけど、告白した相手ですよ!?」
「それはそれでしょ。アイミちゃんはアイミちゃんだよ。そりゃ、まぁ、最初はショックだったけどさ。取り敢えず愛海ちゃんとアイミちゃんは切り離して考えてるから。心までどうこうできなくても、お金さえ払えば身体は好きにできるって、それはそれでアリじゃん」
私の言葉を聞いて、アイミちゃんはしばらく固まっていた。
「……変わった人ですね」
「よく言われる」
「本当にいいの? 私、長谷部さんのこと振ったんだよ? そんな子とこんなとこに来て。後で後悔しても知らないよ? あと、口外禁止ですからね?」
「えぇ~。こういうのってお客からお客を紹介して指名増やすんじゃないの?」
「そ、それはそうかもしれませんけど! 指名が増えるのは嬉しいですけど……困る」
「なんで?」
「私、まだ高校生の妹がいるんですよ。だから、あんまりお仕事が増えて家を空けると、怪しいっていうか……」
「ふむ。それじゃあ、二人だけの秘密ってことで」
私はアイミちゃんの手を握って、浴室へ連れて行く。まずは、どんな下着をつけているのか、拝見しますか。
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