キスから始まる異世界ハーレム冒険譚

楠富 つかさ

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第十九話 川岸にて

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 次の瞬間、私の目に映ったのは安心したように微笑むニーナさんの顔だった。

「起きたのね。貴女のお陰で助かったわ」
「……私、何かしましたっけ?」

 私の記憶の最後はニーナさんのパンツだ。その後、何を見たのかという記憶はない。ちなみに、今のニーナさんの格好もなかなかにそそるものがある。身に着けているフリルで装飾された白いブラウスは水を含み透け透け。白く美しい肌もだが、豊満なバストを支えるパンツとお揃いの赤いブラジャーが見て取れる。あれ、このアングル?

「思い出した?」
「……いえ」

 見惚れていて何も考えていなかったとは言えない。

「水術を使って水を制御して、このちょっとした岸に上陸できるようにしてくれたのよ。こうして結界を張るとすぐに、意識を失ってしまったのだけど」

 そう言ってニーナさんは、私のびしょびしょの髪を撫でる。やっぱり……私、膝枕されてる。

「全然記憶に残ってないですね。必死だったか、無意識だったか。私、結界貼れたんだ……。そもそも、川に落ちたの、私のせいじゃないですか。ごめんなさい」
「いいのよ、謝らないで。それに、遠くのゴブリンを狙った時点で落ちるのは覚悟の上だったし」
「えっと、じゃあ……そういうことにしておきます。あの、膝枕……」
「嫌、かしら?」
「凄く嬉しいです。でも、この地面で正座はダメですって。あ、そもそも私、どれくらい気絶していましたか?」

 首から上は極上の柔らかさに包まれているけど、腰や足下には小石が食い込みそうだ。

「私の足が痺れない程度の僅かな時間よ。それで、これからどうするの?」

 もぞもぞと私がニーナさんの膝から頭をどかし、立ち上がる。旅用のブーツ、片方を流されてしまったようだ。一先ず私は支配領域から毛布を3枚取り出して広げて地面に置く。それから、物干しロープも取り出して、土術で二方向の岩壁に突起を生み出しロープをくくりつける。

「まずは服を乾かしましょう。風邪を引いてしまいます」

 すぐに賛同してくれるのは、やはり女同士だからだろう。ニーナさん、ごめん。ニーナさんの全裸を見て興奮しそうです。事実、パンツと透けブラだけでかなりきてますから。

「ここに干すのね」
「はい。次に、えーと、発見。ここに火をお願いします」

 支配領域から焚き火用の枝を取り出し、ニーナさんに火をつけてもらう。私が無意識に張った結界の中では、火を焚いても敵に侵入されることもない。タオルも取り出して体を拭きあう。流石に、背中だけだが。前もニーナさんに吹かれたら、それこそ……きりがない。

「水気もとれましたし、あとは毛布にくるまって待ちましょう」

 レリエがきっと私を探してくれているはず。助けを待つ間、無駄な体力を消費しないためにもじっとしている方が賢明だろう。ニーナさんの裸体にそわそわする心をなんとか落ち着かせようと、素数を数えながら毛布をぎゅっと握る。背中合わせで座るニーナさんが……なんとなく震えているような気がするのは、気のせいなのだろうか。
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